「こいで」北陸最強居酒屋!度肝抜くトップクラスの珠玉食材に圧倒されまくる。玄人向け

料理: 9.0 その他: 8.5 ポイントについて
こいで (こいで)
営業時間 18:00〜
定休日 日曜
価格帯 時価(※季節と食材の入荷で異なるので要確認のこと)50,000円〜
訪問回数 6回 

食通やトップシェフに知られる、玄人好みの超名店。知る人ぞ知るというお店です。“北陸最強居酒屋”と言われますが、大袈裟な表現ではありません。食材を見たら納得するはず。全てが規格外で圧倒されます。
化け物のような珠玉食材は、大将 小出昭吾さんが自ら山に入って調達したものや、大将が目利きをしたトップクラスの魚です。

山を熟知されている大将だからこそ採ってこれる山菜や天然キノコは、「一体どこにこんなものが!」と同業のシェフらも目が輝くほどです。海のものは、車海老やボタン海老などのエビ類、能登ふぐ、のど黒をはじめ、こちらも同じくモンスター級で、サイズ感から全然違います。他県のものも強い仕入れルートを持っていて、全国でもここでしか食べられない食材あり。日本酒もなかなか手に入らない全国の銘酒揃いです。
創業は、2022年5月21日で20周年を迎えました。考えてみたらすごいことです。このスタイルを貫いて20年って、信念と熱意がないとできないですね。大将は強面なので初対面ではビビってしまいますが(笑)、優しさとユーモアある方です。

あまりに玄人向けなので、今までこのページでは投稿してこなかったのですが、世界に誇る本当に素晴らしい仕事をされているので上げようと思いました。金沢が世界に誇る一店。
(同店はあくまで金額を気にしないで美味しいものを食べたい人向けなので、お客さんは東京など県外の食通やシェフが多い印象。価格は、天候次第で仕入れ状況によるので時価となります。お店は外観も店内も居酒屋の雰囲気なので一見普通の居酒屋なのですが、内容も顧客単価も全然違うので納得した上での訪問を。食材の調達・仕入れもあるので、必ず予約をして訪問ください。)

過去のレビューにご興味ある方は「北陸・トップ100レストラン」をご覧ください。
(私の中の、北陸上位100店舗を上げているまとめサイトです。)
https://hokuriku-top100restaurants.com/koide/
↓写真をクリックすると内容を見ることができます。

2023年4月20日 山菜、サクラマス、トラフグ

春のこいでさんは山菜をお目当てに。
山菜は、大将が自ら山に入り大変なご苦労をされて採ってきてくれるのですが、見たこともないサイズ感の珠玉揃いで驚きます。山菜は鮮度も重要なので、毎日のご苦労は計り知れません。春の贅沢の究極。
入店するとテーブルに並べておいてくれので、「うわぁ」と目がキラキラになっているのが自分でも分かりました。

独活、白蓬、モミジガサ、すす竹、コシアブラ、タラの芽、行者ニンニク、花山椒、木の芽、蕨、すす竹、天然クレソン、筍 など

あぁ、眼福。ピンピンと生命力がみなぎっており、食べる前にもう胃袋が踊る。

花山椒は集めるのが大変なのですが、丁寧に大量に摘んできてくれて、薬味的に料理に添えながら頂きました。

それぞれの食材への味の添え方が繊細で、個性を最大限発揮させているのも本当にさすがだと思います。

●ぜんまい、すす竹

●モミジガサ、蕨昆布じめ
モミジガサは、シャキシャキした食感で、爽やかでほろ苦い妙味が素晴らしい。

●サクラマス 刺身
面の広さで個体の大きさが想像できます。身にしっかりと脂を蓄えており、しなやかでとろける舌触り。目尻が下がる美味しさでした。

●山独活 刺身
食感パキンッとみずみずしい山独活は、個性的で清らかな香気が一瞬で広がる。サクラマスの脂っ気もリフレッシュ。

●天然クレソン、トマト
ピンと力強い天然クレソンは、美しい清流が思い浮かぶ格別の美味しさ。

●ネマガリタケ(すす竹)
皮付きのまま蒸し焼きになるように調理し、中はホクホク。繊維も柔らかく美味。

●トラフグ 9kg
魚も規格外サイズ!トラフグまさかの9キロという大きさにびっくり。
骨まわりの身は筋肉がしっかりしており、ぷりっと跳ね返す弾力で、噛むほどに濃い旨味がほとばしります。ゼラチン質も美味。ほんのり添えてある唐辛子の辛味も美味しさを引き立てていました。

●天ぷら(白蓬、こごみ、独活、コシアブラ、タラの芽)
待ってましたの山菜天ぷら。
衣に守られ揚げて調理されたことで強調された個性が、口の中でパッと鮮烈に広がります。フレッシュな山菜だからこその強い香気。
白蓬はもちっとした食感で、気品のある風味が印象的でした。


●行者ニンニクと熊の炒め物
野趣たっぷりの、それはそれは贅沢な炒め物。熊の厚い脂とインパクトある行者ニンニクの風味。
パワーがみなぎる一品。

●サクラマス
先ほどお刺身で頂いたサクラマスを今度は焼き物で。モンスターのような見た目に反する、清楚な美味しさ。桜色の身はほわほわの火入れで、甘さが広がる。

●メヌケ 煮付け
最高のコースの流れ。大物のメヌケを煮つけにして、もう意識が吹き飛びそうになるうまさでした。

極めつけは白米に乗せてタレをかけて、花山椒をふって悪魔的うまさ!

●筍ご飯
白米からの筍ご飯。両方あったら両方食べたい。どちらかなんて選べないー。
筍は存在感を置いたカットで、しっかりと筍の美味しさを堪能。柔らかく、噛むほどに甘さが広がる。

●塩むすび
まさかの「塩むすびあるよ」に、食べないわけにはいかない。お腹はとっくの昔にいっぱいだけど、脳が欲しいと言っている。もうどうなってもいい、全てを忘れてかぶりつきました。天国。

●太陽のたまご

2022年10月31日 能登松茸

主役は珠洲産 能登松茸。メインはすき焼きですが、そこにたどり着くまでのお料理も主役級ばかりで、最初から最後まで気が抜けなかった。
ちなみに松茸の回はお酒入れて55,000円強くらいでした。ただ、内容の素晴らしさを考えると都会と比べてかなり控えめ価格だと思います。(うーむ、でも比べるまでもないかな、食材のモノが違いすぎます。)
私は頻繁には行けませんが、この食材の時期はという時は勉強と思ってお邪魔しています。

店内ではずらりと並んだ能登松茸がお出迎え。大将が山に入って採ってくる珠洲産の能登松茸で、わざと開いたものを選んでいて、松茸が放つニッキのようなニュアンスの馥郁たる香りが鼻腔をこそがします。

さて、コースのスタート。
●丹波の枝豆
粒が大きくて風味がとても強く、味わい濃厚。何気なく出てきて最初からびっくりするやつです。

●金沢の里芋
遠目で見て大根かと思ったくらい太った里芋でした。デンプンがギュッと凝縮されているような、素朴だけど絶品。塩で美味しさが引き出され、ポテンシャルが伝わりました。

●お造り(ボタンエビ 能登、迷い鰹 氷見、黄金鯖、ヤイト、ヒラマサ)
まずは度肝を抜く大きさのボタンエビが登場。まだぴょんぴょんと元気に跳ね上がっていました。男性の手のひらに乗せても、乗り切らない規格外のBIGサイズ。捌きたての透明感よ。筋肉のハリがしっかりとあって、歯を跳ね返すような弾力を感じます。

眼福の珠玉のお魚シリーズと共に。こんなお造り盛り合わせありますか?っていうくらいのインパクト。

●自然薯 磯部巻き
滋味と力強さよ。お餅そのものと言える粘り強さと大地の味わい。絶品。
これも大将が苦労されて山で掘ってきた自然薯です。自然薯は地下に真っ直ぐに伸びるので、掘り出すのに時間も労力もかかります。

●加賀れんこん 芽バス 天ぷら
レンコンの先端部分です。真っ白で柔らかく、極細の糸が引く。箸休め的に出てきましたが、感動がありました。

●メゴチ 天ぷら
サイズの小さい魚ですが、鱚のような感じで天ぷらに向きのお魚です。ほこほこふっくらした身が絶品。

●生銀だら 知床
国産の銀だらは、大半の日本人が実は食べたことが無く、全国でも食べられるお店はそう無いです。本州だとここだけかも。
明らかにモノが違っていて、今まで食べていた銀だらは一体何だったんだろうと思ってしまいました。
大物なので身が厚く、身に上質な脂がしっかり乗ってふっくらしていることに加えて、食材を生かす味の添え方も素晴らしい。良い経験ができました。

●キンキ
大物のキンキ登場。一品前の銀だらとは味付けを変えて、脂の乗りに合わせてお醤油のコクも甘さもしっかりめに添えてあります。ふるふるとした繊細な身は、旨味が骨太で、この味付けが抜群に合います。単品の完成度としても、コースの流れとしても考えられていました。

●能登松茸と能登牛ミスジ すき焼き
いよいよ来ました能登松茸。こいでさんで出てくる能登松茸は、わざと開いた状態で採ってあります。理由は、能登松茸ならではのシナモン様の香りが最大限に強くなるのが開いた時で、すき焼きにする際はこれがベストだから。

大判スライスの能登牛ミスジが表面を覆う鍋に箸を入れると、

まるで椎茸かと思うくらいザクザクとスライスした能登松茸に当たる。贅沢の極みのような鍋。

なんて日だ!

能登松茸が濃いめのすき焼きタレにも負けない強い風味です。シルキーなミスジで松茸を巻いて卵黄ディップ。

これは、
魔味。

こんなの1年に一度あるかないかの贅沢です。そもそも自然のものなので、ちょうど松茸の時期とタイミング合わないと食べられないし、こんな風に提供してくれるお店はここだけかな。さらに今年は能登松茸は時期が遅くて、前半は全然採れずに後半に一気に集中しました。ちょうど予約を取っていた日が最良の日で食べられたというわけです。

そこに、白米登場というダイエット中は一番イケナイやつなのですが、「もうどうなってもいい!」という意見で全員一致。
「いいの?こんな食べ方して」という背徳感も手伝って、ごめんなさい幸福度MAXです。

ご飯は、ローマ法王に献上された石川県羽咋の“神子原米(みこはらまい)”の新米の炊き立て。それに乗っけて、無心で味わうとクラクラと眩暈がしました。

美味しさ悪魔的!
もう語彙力喪失なのでここまで!