通称“白井昆布店”として知られる、七尾市一本杉通りにある老舗の昆布・海産物店です。質の高い昆布が揃っていることで信頼が厚いお店。
店内には、進物のラインナップから日常使いの出汁用昆布も多品種並んでいます。特に度肝を抜かれたのが、店内奥の重厚な引出しの中。一等品の規格満たした長さ1mを超える昆布が静かに眠っていました。
【紹介項目】
ずーっと買ってる絶品昆布巻き
私の大好物である昆布巻きは、1年間寝かせた肉厚の日高昆布で鰊を巻き、毎朝鍋でコトコトとお店で4〜5時間炊き上げています。
地元のお醤油とザラメ砂糖をベースにしており、日本人の舌に馴染むおいしさで、しつこさのない上品な甘さが心をくすぐってくれます。 隠し味に能登の魚醤いしりを使用しているため、一歩踏み込んだ奥深さがあり、極上の旨さがしみじみ余韻を残します。
昆布店のプライドが詰まった逸品。
●にしん昆布巻き(7本入パック:950円)
簡易なポリ袋になりますが、好きな個数でも買えます。
●にしん昆布巻き(袋価格 2本入:240円、3本入:360円、5本入:600円、10本入:1200円)
●天然日高昆布 黄金一番だし(500ml:215円)
ちなみに、日高昆布の一番出汁を手頃なお値段で売っている日があります。運よく出会えたらラッキー。
昆布の種類
同店のルーツは江戸時代にさかのぼります。その昔、七尾港には絶えず十数隻の北前船が停泊しており、昆布は蝦夷の地から鰊や鮭、毛皮などと共に運ばれてきた貴重な特産品のひとつでした。蝦夷からの航路は別名「昆布ロード」とも言われるそうです。
そして昆布と一言に言ってもそれぞれ特徴がありますから、上手に使いこなしてみたいものです。
例えば「羅臼昆布」は、知床半島南 側の羅臼周辺で採れる昆布で、色によって黒口や赤口と呼び名が付けられます。出汁昆布として濃厚で甘味のある味わいなので、「おしゃぶり昆布」としてそのまま食べられています。
「利尻昆布」は、道北で採れる昆布。黒褐色で厚みがあり、寝かせると一層味わいが増します。ぼろ昆布を削った後の芯の部分です。品でクセのない澄んだ出汁が取れるため、繊細な日本料理向きで料理人には大変重宝されます。
「日高昆布」は、襟裳岬を挟んだ東西の浜で採れる昆布。幅が細くて柔らかく、出汁は早く出ますが、あっさりとしていて淡白な味わいです。価格が比較的手頃で、煮物やおでん、昆布巻きなどに多い。
おぼろ昆布ととろろ昆布の違いとは
同じものだと思いがちですが、実は明確な違いがあるのが「おぼろ昆布」と「とろろ昆布」。
「おぼろ昆布」は、昆布の表面から手削りしたもので、幅が広くて反物のように長さがあります。
「とろろ昆布」は、昆布一枚をそのまま何枚も重ねて酢につけて機械で削ったもの。
さらに「白とろろ昆布」は、おぼろ昆布を削った後に残る芯に近い部分を集めて機械で削ったもので、ふわふわした糸状に仕上がります。
昆布の外側を手削りした「おぼろ」は、昆布らしい深録で、潮騒を思い起こさせる海の香あり。
「太白おぼろ昆布」は白みがかっており、絹のように繊細で旨味も濃い。
パッテラなどに使われる「白板昆布」は、太白おぼろ昆布を削った後の芯の部分です。
このように削る場所や削り方によって、味わいが異なるのも昆布の面白いところ。