「L’Atelier de NOTO(ラトリエドゥノト)」輪島に名店あり。石川県を代表するフランス料理店のひとつ。能登食材の息遣いが聞こえる。

料理: 8.0 その他: 8.0 ポイントについて
L'Atelier de NOTO (らとりえ どぅ のと)
営業時間 11:30~L.O.13:30、18:00~L.O.21:00
定休日 月曜・火曜(LUNCH)
価格帯 15000円〜25000円
訪問回数 7回

輪島市河井町にあるフランス料理店。ミシュランガイドでは1ツ星を獲得。
オーナーシェフ池端隼也氏は輪島市二勢(ふたせ)町出身。大阪の「カランドリエ」にて6年半修行後、26歳の時に渡仏して4年半星付きレストランで腕を研鑽。その後帰国し、2014年9月15日に故郷である輪島で同店をオープン。輪島にフランス料理店がオープンしたのは初めてのことでした。
輪島と言えば朝市が有名ですが、朝市通りはレストランの目と鼻の先にあります。少し行けば港や棚田“千枚田”があるという、輪島を肌で感じられる場所にあります。お店は古民家をリノベーションした立派な建物で、日本家屋の趣きにグランメゾンの気品が調和しています。
・「ミシュランガイド北陸2021 特別版」1ツ星獲得(2021年5月19日発表)




料理は能登食材を使ったフランス料理で、能登の豊かさや力強さ、繊細さがお皿の上に表現されていて、食材の息遣いが聞こえるようです。この場所にお店があることの意味を教えてくれます。
また、良い意味での貫禄に、池端シェフのオリジナリティが加わっており、最後までワクワクが止まらない。

2021年7月30日

前回訪問からそんなに日にちが経っていないのですが、池端シェフはガラリとお献立を変えてくるという、実力有りきの引き出しの多さで、シェフのまた新たな魅力を発見です。
今回驚きがあったのはホッケのクレープ、とうもろこし牡丹海老、アワビ、アカイカリゾット。

●おつきだし3種 
生気ある葉を器にして緑の3種フィンガーフードから。金時草とモロヘイヤのフリット、お米チップスの甘海老バイ貝タルタールのせ、のど黒お寿司大葉包み。タルタールは、チップスの良い塩気とカリカリ乾いた食感に、ねっとりした甘さの甘海老が絡み、バイ貝の弾力がアクセントに。

●岩牡蠣 
志賀町の岩牡蠣は、仕上げに温かい七面鳥の出汁を注ぎ、器の中で牡蠣にゆっくりと火が入ります。牡蠣とクロモの潮騒に七面鳥の奥深い旨味が重なる。

●クレープ ホッケ
ホッケは通常、干物や塩焼きなどにすることが多い魚ですが、舳倉島の人は刺身で食べます。今朝、舳倉島で獲れたホッケを神経締めをして生のままクレープにのせて。ホッケのコンディションが良く透明感のある味わいで美味。クレープはスペシャリテですが、ホッケ版もまた格別でした。クレープの緑は小松菜で、食感はしっとりもちもち。無塩バターで旨味の余韻に幅を持たせ、海藻パウダーで海の香りを添え、春蘭の酢漬けと。


●牡丹海老
とうもろこしの黄色が眩しい。ぽってりとした口当たりのとうもろこしのすりながしは、とうもろこしそのもののナチュラルな甘さのインパクトが強く、牡丹海老の頭で取ったコンソメのジュレが旨味のグラデーションを描きます。さらに、牡丹海老の身の甘さと牡丹海老の子もさわさわと口の中で遊ぶ。


●ナス フグ サザエ
輪島のフグとサザエ、ナスを、ハツカダイコンの葉とほうれん草のソースで爽やかに仕上げます。

●アワビ
輪島鵜入のアワビ。200人の海女さんがいるという海女さんの町 輪島で食べるとより一層美味しさが増します。なんだか波の音が聞こえてきそう。丁寧に隠し包丁が入れてあり、やわらかでシルクのような舌触り。緑の豆ペースト、白い新玉ねぎソース、アワビ肝ソースの3種で。

●アカイカ リゾット
輪島の海を味わうような繊細なイカ墨リゾット、絶品です。口当たりの優しい輪島塗のスプーンで頂くと、もう一匙の美味しさが加わります。

●鰆
20キロ超えのサワラ、上田農園サンマルツァーノ、オカヒジキ

●グラニテ
真っ白なりんごのグラニテの上に、柚子などの柑橘の黄色いグラニテをかぶせて和の風味も効かせて。さっぱりリフレッシュ。

●仔牛
穴水町たんぽぽファームさんの5ヶ月の仔牛を、今回はカツレツとして赤ワインソースで。上質でピュアな肉質から、能登の風土でストレスなく育てられたのだろうと想像できます。本当に美味しい。
なめらかなマッシュポテトには、パスタのようにほぐれる金糸瓜を添えて。

●ヨーグルトシャーベット、クレームブリュレ、メロンのフローズン
ラトリエさんが牧場で飼っている牛のミルクで作ったヨーグルトシャーベットは毎回楽しみなやつです。牧草を食べて育っており、存在感のある輝く美味しさで、食材のポテンシャルの高さを感じます。

●デザート2
柳田ブルーベリー、ブラックベリー、白無花果、ベリーソース、ピスタチオ

2021年7月10日

●ガスパチョ
上田農園さんのトマトを使ったガスパチョ。太刀魚漁にかかったという宇出津の鱧、赤ピーマンのムースを添えて。見た目にも爽やかで味わいさっぱりした夏らしい一品からスタート。

●パン
輪島のブーランジェリー「Rapport du paon(ラポール・デュ・パン)」さんにシェフの配合で作ってもらっているそうです。舳倉島の塩が味わい深く、余韻で甘さが広がる。

●バイ貝
バイ貝と茄子、エンサイ(空芯菜)のフリット、春菊のソースで。春菊のソースはシェフのお得意で、見た目の印象通り濃厚ですが、エグミなどはなくピュアな味わいで、ハーバルな風味がとても豊か。

●牡蠣
志賀町の岩牡蠣をホワイトポートを煮詰めたものでコーティングしてあります。牡蠣がクリーミーな層に溶け合って一体感があり、海の香りとミネラル感が丸みを帯び、まろやかだが凛とした味わいに着地。牡蠣の個性を活かしながら、新しい美味しさに昇華されていました。

●小松菜クレープ
鮮やかな深緑色が器に映える小松菜のクレープに、宇出津の鯵を巻いて頂きます。クレープはしっとりもちもちした食感で、海藻バターの横幅のある旨みに、春蘭の酢漬けがアクセントに。


●ボタン海老
ボタン海老とビーツのコンビネーション。色鮮やかな一品です。
まずは身を頂いて、その後に器にボタン海老のスープを注いでくれます。

甲殻類の濃厚な旨味にビーツのフルーティーな味わいが違和感なく溶け合う。頭の海老味噌からのグラデーションを感じながら。

●七面鳥のスープ
シンプルですがとても印象に残った一品。仕上げには、艶やかな山吹色のフレッシュなアンズタケ(ジロール)を加えて風味を移して。

スープは脂っ気はないが旨味の濃度が高くクリーミーで、ジロールの風味が溶け合い旨味を持ち上げます。


●鮑
輪島鵜入の鮑は、大根おろしに漬けて火入れし、仕上げに肝を塗って炭火で炙るという、美味しさを計算した一品です。想像していたよりもやわらかく、肝のコクが寄り添う。こちらも一味違う鮑の美味しさに嬉しくなりました。豆のソースと肝のソースで。付け合わせは、オカヒジキ、ツルムラサキ、トウモロコシ。

お店のロゴが入ったRYUSEN JAPAN(龍泉刃物)さんのナイフ、カッコイイ!

●グラニテ
カボス、ハッサク、デコポン、柚子を組みわせたグラニテでスッキリとお口直し。和のニュアンスの風味も良いですね。

●ポワソン
保水性ありふっくらとした鱸はブイヤソースで。付け合わせのアカイカリゾットは、アルデンテに仕上がっており、イカ墨の旨味でよりメリハリが出ていて美味でした。

●ヴィヤンド
たんぽぽファームさんの仔牛サーロイン。ゆっくり温めるような火入れで、きめ細かく透き通るような肉質が浮かび上がります。味わいも透明感があり、仔牛の骨から取ったソースが調和。

●ヨーグルトシャーベット、クレームブリュレ、メロンのフローズン
ラトリエさんが牧場で飼っている牛のミルクで作ったヨーグルトシャーベット。これ、絶品です。
牧草を食べて育っており、存在感のある輝く美味しさで、食材のポテンシャルの高さを感じました。

●ハーブティー、フィナンシェ

2021年4月30日

(料理名はメニューのまま)
●筍 サバ

●能登牡蠣 海藻
舳倉島の絹もずくとクロモ、能登牡蠣にオレンジのオイルをアクセントに。ほの温かい温度で、口の中にぽわっと磯が広がる。

・パン
舳倉島の塩が後を引く美味しさで、ついついパンが進んでしまう。

●イサザ
イサザは春を告げる能登穴水の名物でもあります。
たまごでとじて、アサリの出汁の泡を乗せて。繊細な身を生かす絶妙な火入れと味の添え方で、和食らしくもあり、静かな内海で泳ぐイサザの姿が思い浮かびました。


●ウド 新玉ねぎ ガスエビ
まずはウドのフリットをピンチョスで。

器のお料理は、新玉ねぎのヴァヴァロアにウドのスープ、ガスエビとガスエビの頭で出汁を取ったコンソメのジュレを添えて。ミルキーでまろやかな玉ねぎの甘さに、健やかなウドの風味がスッと立つ。

●フグ 春菊
マフグとマフグの白子のフランは品のある味わい。パッと目に飛び込んで来る深緑の鮮やかなソースは春菊で、ナチュラルで濃厚な味わいが溶け合います。

●タイ アワビ 亀の手
真鯛のすり身、アワビ、アワビの肝、そこにカメノテの出汁の泡を乗せて。“海女さんの町”らしさを感じさせ、潮騒が聞こえて来るような一品。高級食材アワビの美味しさに、カメノテの旨味が良い存在感を発揮しています。

●クジラ
心躍った一品。池端シェフのオリジナリティが光っていて、コースの中で一番攻めている料理でした。
能登町の日の出大敷のクジラに、バニュルスとバニラ、生姜のコンフィ、ビーツ味のクスクスという、一見どうなるか分からない奇抜な組み合わせ。クジラの力強さに少し効かせた甘さが重り、妖艶な風味で持ち上げ、不思議な旋律を奏でるという、新たなおいしさに出会えた一品でした。

●ヤギ
たんぽぽファームさんのヤギ。まだミルクしか飲んでいない2ヶ月半から3ヶ月のヤギで、ヤギと聞いて苦手意識を持ってしまう嫌な個性は出ておらず、ほちゃほちゃと柔らかくとてもピュア。ソースも骨などで取ったもので、優しく寄り添い調和。さらにリードヴォーならぬリードヤギ(胸腺肉)は、口の中でとろけて消えるようなおいしさ。


●フキノトウ
グラニテは風味と苦味がパーンと来る、フキノトウそのままと言える味わいで、一瞬にして能登の山に連れて言ってくれました。リフレッシュ。

●鱒 お豆さん
宇出津港であがったサクラマスをレアな火入れで。そら豆と絹さや、豆のソースで春の風が吹き込む。

●のと玄牛(くろうし)
たんぽぽファームののと玄牛の内もも肉をカツレツ、唐川菜(からこな)のマスタードのソースで。コゴミ、コシアブラを添えて。カツレツは歯が喜ぶやわらかさとシルキーな食感、対比に置いた衣の食感と香ばしさが良いですね。

●苺 ヨーグルト
ラトリエさんでは奥能登の牧場で牛を1頭飼っていて、その牛が1日に20リットルお乳を出すのですが、仔牛が飲む分以外は料理に使っています。牧場の映像を見せてもらいましたが、広い青空の元でのびのびと育っており、その様子を見ているだけでこちらまでストレスから解放されるようでした。
その、おいしいに決まっているミルクをヨーグルトシャーベットに。存在感のある輝く美味しさで、食材のポテンシャルの高さを感じました。

●能登栗
輪島の松尾栗園さんの栗を使ったムース。食材の甘さやコクにビターさものった大人のムース。美味。

能登で訪れるべき一店。