「マルガーラボ 野々市」世界チャンピオン柴野大造さんのお店。移転オープンしジェラート工房併設。石川県を代表する新たな食の発信地!

料理: 7.5 その他: 7.5 ポイントについて
マルガーラボ 野々市 (まるがーらぼ ののいち)
営業時間 11:00~17:00
定休日 不定休
価格帯 シングル(420円)、ダブル(550円)、トリプル(690円) ※料金プラスのフレーバーもあり。
訪問回数 20回20回以上

世界一のジェラートマエストロ 柴野大造さんのジェラートショップです。
2022年10月15日に、前店舗から移転リニューアルオープンし、店名も「マルガーラボ 野々市」になりました。
場所はこれまでとは少し離れた、野々市市本町です。清潔感のある白と虹色のガラスが青空に映えます。
敷地内にはジェラート工房と販売スペースがあり、入り口からジェラートのショーケースにたどり着くまでのアプローチをしっかり取った広々とした造り。工房はガラス張りになっており、能登の生乳が殺菌処理され、ジェラートやチーズやクリームに加工される様子など、製造工程が見学できるように設計デザインされています。
“思想を伝承するアトリエ”であり、 “プロセスの可視化”と“自然科学とアートの融合を試みる実験室”ということに納得。



世界大会などで受賞した数々のトロフィーもずらりと並び、ホワイトボードには、コンセプトである“ジェラートを科学する”を思わせるルセットなどの走り書きがしてありラボの雰囲気。

抜けが良くて美術館のような造りで、食べる前にワクワクさせてくれます。
これは石川県を代表する新たな食の発信地になる。

店名のMALGAは、イタリア語で小高い丘にある牧場の意で、このジェラートにも世界農業遺産に選ばれた奥能登でのびのび育ったホルシュタイン乳牛の生乳が100%使用されています。牛の飼料となる牧草も、栽培過程での農薬の使用は一切ないそうですよ。ベースのおいしさは言わずもがなですね。
柴野大造さんは、2015年5月28日に日本一のジェラート職人を決定するコンテストで優勝し、2016年は世界ジェラート大使に任命されました。さらに2017年9月28日から10月1日イタリアで開かれた世界最大級の「シャーベット・フェスティバル」にて優勝
世界一になりました!
この大会は6か国から集まった45人が各々考案のジェラートを披露しました。同大会のアジア人、日本人の優勝は初めてです。その他にも受賞は数々。
2018年6月3日はテレビ番組「情熱大陸」に出演、2019年7月30日はNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演されました。両方の番組に取り上げられることはかなり稀なのではないでしょうか。

そしてさらなる快挙。2021年10月26日、イタリア政府公認の「国際パティスリー・アイスクリーム・チョコレート連盟」から世界一の称号である「世界最高のジェラートショップ」に能登町瑞穂にある能登本店と野々市店が選ばれました。

そして、弟の柴野幸介さんも2022年11月にローマで開催されたイタリアジェラート協会主催のジェラート国際大会で優勝。世界チャンピオンの称号を手に入れました。(兄 柴野大造さんとは別の大会)
パッションフルーツのココナツ、生姜キャラメルというコンビネーションのジェラート「パッチョンココとジンジャークリスタル」という作品で、110点満点中109点という高得点を獲得。
兄弟揃って世界一だなんて凄すぎます。本当に石川県の誇りですよ!

【価格】
シングル(420円)、ダブル(550円)、トリプル(690円)
※料金プラスのフレーバーもあり。

(2023/5/25)
●(左)ダブル:グランピスタチオ(+100円)、レモンクリーム
●(右)ダブル:パッションココとジンジャークリスタル(+100円)、ダブルベリーローズ

グランピスタチオは、柴野大造さんが2014年イタリア世界大会で入賞した時の作品。凝縮されたピスタチオ感というよりも、品を置いてありエレガントな味わい。
パッションココとジンジャークリスタルは、柴野幸介さんが2022年にローマで行われたコンテストで世界チャンピオンになった時の作品。ココナッツの妖艶な味わいに、ふわっと生姜が乗ってどことなく和の印象。
ダブルベリーローズは、華やかさに凝縮されたベリー感がマッチ。

(2022/10/30)
●ダブル(能登のかぼちゃ、能登プレミアムミルク)
●ダブル(和栗モンブラン、ジャンドゥイヤチョコ)

カップにデザインも入り、いい感じ。

イタリアの伝統焼き菓子も数種類あり、この日は「カンノーロ」やカスタードのパイ包み「カンノチーニ」がありました。個人的には、以前販売していたナポリの伝統菓子で貝型のパイ「スフォリアテッラ」を熱望。

●世界チャンピオン受賞作品「パイン・セロリ・リンゴ」
世界大会で優勝したときに柴野さんが考案したジェラートは、パイナップルとリンゴにセロリの組み合わせで、イタリア人が苦手とするセロリで挑んだところに挑戦心が垣間見えます。また、フルーツだけではなく野菜(セロリ)を使った意外性も評価されたのだとか。

見た目も涼やかなのですが、口に入れるとすぐにミントかライムの風味にふっと持ち上げられます。そしてセロリの独特で魅惑的な風味、パインとリンゴのトロピカルな甘味やキュンとくる酸味、いろいろな味の要素が複雑に絡み合い余韻を残します。どの味も発見できるが、どれも主張しすぎず絶妙。このパーフェクトバランスは一度試してもらいらいたい。

●モッツァレラミルク
MALGAさんの定番ジェラートと言えば、リッチなミルク感が味わえる「フレッシュミルク」。私もずっとファンでそればかり食べていましたが、このスペシャリテをリニューアル。開発の様子は「プロフェッショナル仕事の流儀」でも取り上げられましたが、牧場とお父様さまとのストーリーもジェラートに練り込まれています。水分量のピタットくるのが難しかったということでしたが、その試行錯誤の甲斐あってでしょう、出来上がりの舌触りはなめらかな絹のようでした。まずはモッツァレラらしい純白が眩い。そしてお味は、モッツァレラならではの“フレッシュ感”が活きていて、今までのミルクを超えるリッチ感。一線を画する美味しさです。甘さは極力抑えてあることで、甘さに頼らないおいしさの出し方が活きていますし、食材のおいしさに浸れる美味しさでした。これはすごい。

●日本大会優勝作品「能登塩ピスタチオとオレンジバニラのマスカルポーネ~ベリーソース~」
(※このジェラートはダブルで、下部はイタリアジェラート国際大会入賞作品の「グランピスタチオ」です。)

マスカルポーネの包み込むようなふくよかな味わいに、オレンジの太陽のような味わいがいいバランスで乗っており、さらにピスタチオ落ち着いた味わいがまとめ役になり、絶妙な黄金比を生み出しています。ポリシーと哲学の両方が味わえる一品。
マルガーさんというと、金沢スイカ、能登の塩、柳田ブルーベリー、五郎島金時、能登パンプキンといった地元食材のおいしさをストレートに味わうジュラートという印象でしたが、このように近年では複合的味わいのマジックを意識したジェラートが面白い。

●ペコリーノロマーノとくるみ(ダブル右)
羊のチーズとくるみのコンビネーション。羊チーズの個性を上手に活かしてあるのが味わいどころで、ふくよかだがさっぱりとしていて塩気のある味わいを、くるみのウッディーで骨太な味わいが支えてバランスを持たせています。
●セージとドライジン ジュニパーベリー(ダブル左)
セージをガツンと効かせた尖った作品です。好みがハッキリするタイプだと思いますが、こういう攻めたジェラートをやってくれるところ大好きです。個人的には好きでした。というか、とても好きなタイプ。セージの妖艶で爽やかな風味でググッと持ち上げます。

●プレミアムミルク、トロピカルマンゴー(ダブル)

ちなみにマルガージェラートには能登本店という能登町の山に囲まれたお店があります。ここが柴野さんの原点。とっても長閑な場所なので、ドライブの小休止にもピッタリです。

「マルガージェラート能登本店」山に囲まれたところにポツンとあるジェラートショップ。世界チャンピオン 柴野大造氏の原点となる能登のお店

そしてもう一つ好きなのはコレ!
●スフォリアテッラ
貝殻のような形状をしており、パイ生地が何層にも重なっている、ナポリ地方の伝統的な焼菓子です。パイの中には、奥能登の食材で作った自家製カスタードクリームとリコッタチーズ、オレンジピール入り。薄いパイ生地は、細かくギュッと重なっており、かためでパリパリとしていて、メリハリのある食感が美味。やさしいクリームにオレンジの柑橘風味が溶け合い、それがパイとも相性抜群で、もうおいしいのなんのって。ついつい人に言いたくなる味。濃い目のコーヒーかエスプレッソが良く合います。