にし茶屋街の通りに2020年12月4日にオープンした日本料理店。店主の西田樹夫さんは、なんと宮古島で14年間もの間、日本料理店をされていたというから驚きです。金沢に何度かいらっしゃっていて、「鮨処 あいじ」さんのご縁で金沢にお店を出されました。宮古島に長くいらっしゃったということで、先入観で料理に奇抜さもあるのかなと思いきや、良い意味で正統派でシゴトがとても丁寧。料理に向き合う実直な仕事ぶりに信頼が置けます。優しいお人柄も素敵。北陸の食材を扱うのがとても楽しいそうで、その気持ちが料理から伝わってきました。一度足を運んだらまた行きたくなるお店です。こんな良いお店が金沢に出来て嬉しい。
場所は大通りからにし茶屋街に入ってすぐの、ワインバー数登美さんの向かいにあるビルの2階です(1階は駐車場)。ビルの外観からはお店があるとは分からないので、知らないとたどり着けません。同ビル同階には「鮨処 あいじ」さんが展開する「鮨きしん」があります。店内に入ると、ビル外観からは想像出来ない凛とした雰囲気に驚くはずです。席数はL字のカウンターに10席。
お料理はコースが2つあり、6000円のハーフコースの方は、コースの後にアラカルトを注文できるというシステムです。
●基本のおまかせ (6000円、5品ほど)(その後アラカルトメニューから選べる)
●全部おまかせ (9000円)
2021年2月2日 9000円コース
初回は6000円コースにアラカルトにしたので、今回は9000円のコースにしてみました。
品数は全11皿と充実しており、訪問日の節分にちなんだ料理も取り入れてくれました。特に今回の料理で好きだったのは、お造りと牡蠣ご飯。今回も全体的に大将の丁寧さが伝わって来るコースでした。
【全部おまかせ(9000円)】
●蒸し胡麻豆腐、鰻
●お吸い物 サワラ、コシアブラ、のと115
●お造り ヒラメ、ガスエビ
朝どれのヒラメとガスエビは身が締まっていて美味しいこと。器は九谷焼 松本佐一さん。
●鰤藁焼き
●スッポン茶碗蒸し
●鯛炭火焼き、菜の花胡桃酢、銀杏
節分らしく柊を添えて。
●甘鯛鱗揚げ
白身魚が続いた印象ですが、調理法や食感で印象をガラリと変えて来るお献立構成はさすが。口の中でサクサクと乾いた音が鳴り響きます。
●牛タンシチュー
コースの流れに肉料理が1つ入るとメリハリが出るし充実感が増して良いですね。目を引く器は永楽善五郎。
●鰯、五目豆
こちらも節分にちなんで鰯と豆を取り入れてあります。
●牡蠣ごはん
今が旬の牡蠣を炊き込みご飯で。箸にも重みを感じるぷっくり太った牡蠣がゴロゴロ。まずはそのまま頂いて、おかわりはおこげを入れて出汁茶漬けにしてくれました。
●最中 アマレット風味のあん
この最中生地がパリパリと歯切れが良く、その香ばしさにあんの風味が乗っています。デザートまでおいしいと満足度が上がりますね。
2021年1月14日 6000円コース
初訪問だったのでまずはハーフコースにして、アラカルトで追加注文してみました。
【基本のおまかせ(6000円)】
●菊芋すりながし、湯葉
●おひたし
美しく発色する菜の花とうるい、新タケノコ。雪風の寒さの下で耐えている春の味覚にパッと心が明るくなりました。繊細な味の添え方。ああ、春が待ち遠しい。
●お吸い物
椀種はとりつくね、吸地は白味噌仕立てで雪景色を連想させるお椀。ホッと安堵の吐息がもれるような美味しさ。
●お造りガス海老、鰤の背
鰤は皮目を炭火で炙って香ばしさを添える。
●お造り カワハギは肝醤油
カワハギは身が締まっていて食感良く甘い。肝醤油の甘さとコクの余韻も美味。
●盛り込み(海老芋、キンキ、ユリ根の玉締め)
繊細さと丁寧さが伝わる盛り込みに感動がありました。キンキは珪藻土コンロの炭火でふっくら焼いて。脂のノリも良くとろんとした口どけ。ユリ根の玉締めは、海老やカニの甲殻類スープをかけて。
●すき焼き(追加メニュー)
各食材の美味しいタイミングを見計らい、手早く仕上げてくれました。白子も加えて。
●自家製焼きリンゴアイス(追加メニュー)
焼きリンゴアイスはパリパリの最中に挟んで。