金沢の「居酒屋はちなな」は、居酒屋という名前に反して、洗練された日本料理を提供する名店。水産卸直営だからこそ極上鮮魚が揃うのも大きな強みで、東(ひがし)大将の手によって素材の魅力を引き出した料理が提供されます。地元の私でも、訪れるたびに石川県の珠玉食材の新たな魅力に出会わせてくれるし、もちろんお客さんをお連れしても必ず喜んでくれるからとても頼もしいお店。冬のコースも素晴らしかった。
・ズワイガニと金沢春菊
まずは、ほこほこと温かい一品から。煮えばなを、地物ズワイガニの出汁で仕立てた贅沢な一碗。蟹身と金沢春菊を添え、さらに蟹味噌をかけることで、味わいに深みをプラス。ズワイガニの甘みとコク、春菊のほろ苦さが絶妙なバランスで調和している。
・お吸い物
能登牡蠣と石川県産白菜の吸い物は、牡蠣のエキスと白菜の甘みが吸地に溶け込み、じんわりと深い味わいが広がる。冬らしく、そして冬の寒さを和らげるような優しい一品。
・刺身(能登本マグロ、朝どれ鰯、金沢港白ガスエビ)
極上の刺身揃いはさすが”はちなな”。能登の本マグロの大トロは、口の中でとろける至福の脂。朝どれ鰯の身の締まりは鮮度が良いからこそで、咀嚼するたびに甘さが広がる。希少な金沢港産の白ガスエビは、上品で濃厚な甘みがインパクトを残します。
・対馬 のど黒
焼き物には、脂の乗った対馬産のど黒が登場。絶妙な火入れによって、皮目はパリッと香ばしく、口の中でジュワッと広がる甘い脂が堪らない。悶絶。
・そば
ここで一転、温かい蕎麦が供される。なんと能登牛のヒレ肉を団子にして、九条ネギを添えた一杯。つゆにも旨味が溶け合って美味。仕上げに黒七味でアクセントを加える。
・能登のクエ
なんと、この日のクエは24kgの超大物で食べ応え抜群。ぷりっと跳ね返す弾力と強い旨味はこの上ない。仕上げには能登の伝統調味料である魚醤「いしり」と、ネギ油で風味を添える。
・かにすき
かにすきは、能登野菜の中島菜と能登の原木しいたけ「のと115」と。蟹身の繊維は火入れしてぷっくりとし、つるんとした舌触りが心地良い。そこに中島菜のほのかな苦味が加わり、味の奥行きを感じさせる一品に。
・お食事
能登マグロの漬け丼は、良い漬け加減のマグロを、艶やかなご飯とともに。
ヤナギザワラの天丼は、ご飯に揚げたてのほわほわとしたヤナギザワラを乗せて、実山椒のソースをたらりとかけて、優しい痺れと香りで食欲がそそられます。
・自家製胡麻アイス最中
黒胡麻の風味が鮮烈で、最中もサクサク繊細で、デザートとしての満足感をしっかりと感じさせてくれます。
金沢でぜひ訪れるべき一軒。
店名:居酒屋 はちなな
住所: 石川県金沢市駅西新町3-16-30
TEL 076-208-5104
営業時間 【おまかせコース】11:45〜、18:00〜、19:30〜【アラカルト】18:00〜23:00(L.O22:00)
定休日:水曜
価格帯 :おまかせコース 通常:18000円(税サ込)、ズワイ期間:20,000円(ズワイ期間)、アラカルト:予算7,000円〜