「居酒屋はちなな」看板のない名店金沢へ。鮮魚卸を手がける魚のプロが手掛ける日本料理店

料理: 8.0 その他: 7.5 ポイントについて
居酒屋 はちなな (いざかや はちなな)
営業時間 【おまかせコース】11:45〜、18:00〜、19:30〜【アラカルト】18:00〜23:00(L.O22:00)
定休日 水曜
価格帯 おまかせコース(16,500円)
訪問回数 4回(移転前から5回)

鮮魚卸を手がける、魚のプロが営業する日本料理店。店名に“居酒屋”が付きますが日本料理のコースを提供しています(要予約)。「87(ハチナナ)」は大将の生まれ年。
これまではかほく市で営業しており、“看板のない名店”としてじわじわ口コミとなり、人気を集めましたが、2022年10月22日に金沢の駅西新町に移転オープンしました。金沢駅からタクシーで7〜8分の場所で、新店舗も看板がないので住所をお調べの上ご訪問を(「本家かまど屋 金沢駅西店」のお隣にあります)。

席数は、カウンター7席、4名がけテーブルが2つ。駐車場は店前に4台駐車可能です。
外からは想像できないのですが、店内は趣があって凛とした雰囲気で、中に入って驚きがあります。

ちなみに同社は、金沢港いきいき魚市内にある「立喰い鮨 優勝」も運営しています。

「立喰い鮨 優勝」金沢港の美味しい新名所。居酒屋87運営、プロデュースはなんとめくみ山口大将

最新の2024年2月と3月の情報が、地震の関連で忙しく、更新できておりません。
時間ができたら更新いたします。

ディナーコース(移転前)

さすが鮮魚卸を手掛けているだけあって良い食材が揃います。価格以上に満足感を得られる質の高さはさすが。特にカニは金石(かないわ)ブランドにこだわり、中でも上等の物を入れています。
また、コースのみのお店ですが、どこか肩の力を抜いて楽しめる、温かい雰囲気もあるのが良いです。

●かないわ香箱
まず1品目からインパクトあり。今だけの味覚、香箱ガニの登場です。
「かないわ香箱  (かないわこうばこ)」は、金沢港で水揚げされた香箱ガニの名称で、金沢海産物ブランド化推進協議会が平成23年(2011年)4月に「かないわ香箱」として商品登録。昔から金石の香箱ガニは一味違うと評判だったそうです。
立派なかないわ香箱をほの温かい抜群の温度帯で。1/3残しておいて次のお料理に使います。

●金沢春菊と白子のお粥
加賀野菜の金沢春菊と白子のお粥に、かないわ香箱の残りをかけて混ぜながら頂きます。白子が味わいをクリーミーにまとめ上げる。

●お造り 〆鯖 長崎、ヒラメ 輪島
鯖はしっかり脂が乗っていて、骨太な旨味の広がり驚きました。

●鰤たたき 能登町
5日目の能登町鰤はたたきにして、レタス酢漬けと福井の地がらしをアクセントにして。

●お吸い物 カマス 七尾、下仁田ネギ
炭火焼きにした下仁田ネギのとろっとした甘さが美味しいこと。まろみを強調した吸地に調和していました。

●加賀れんこん饅頭 紅ズワイあん
加賀野菜の加賀れんこんまんじゅうは、ふっくらホワホワで、温度と共に滋味と甘さが広がり美味。自家製からすみの旨味と塩味がアクセントに効いて、紅ズワイあんがとろりと包み込む。

●のど黒 対馬
炭火焼きにしたのど黒は表面がきつね色で香ばしく、脂は見るからに溢れ出んばかりで、口に入れるとたぷたぷと広がります。

●鰤しゃぶ、白菜 穴水、蕪 金沢

●お食事
土鍋で炊き立てのツヤツヤご飯が眩しい。お米は津幡市谷(いちのたに)のコシヒカリを使用。

まずは、金石ズワイガニをほぐし身を乗せ、大根おろしと海苔、お醤油をたらりとかけて漁師めし風に。膨れた胃袋にもスルスル入っていく美味しさ。

2杯目は北海道マグロ漬け丼、さらに3杯目は海苔佃煮、4杯目は明太子で。

●金沢甘海老天ぷら、大門素麺
ピチッとしなやかでコシのある大門素麺に、ほっこりと胃袋から温めてくれるつゆと甘海老の天ぷら。口福感が高まる締めくくり。

●ほうじ茶のアイス最中

ディナーコース(移転前)

(訪問日 2022/1/3)
2022年の営業開始日である1月3日のディナーに訪問してコースを頂きました。
お魚の美味しさはもちろん、コース構成に意外性とメリハリもあって、とても充実したコースでした。

●自家製カラスミ餅
蓋を外すと岩のりからの磯の香りに鼻腔をくすぐられます。何のお料理かと思ったら、お餅に自家製のカラスミが挟んでありました。熟成したカラスミの旨味と塩気がお餅に重なり美味。とろみある優しいカニあんが優しく包み込みます。


●白子の天ぷら
白子の天ぷらは甘辛の山椒ソースで。衣の薄い熱々ふるふるミルキーな白子を、和の爽やかで妖艶な風味で持ち上げます。

●刺身 迷い鰹、アオリイカ


●寒鰤 能登町
年末29日の朝競りで仕入れた、能登町であがった12〜13キロの能登寒鰤です。切り身にしても個体の大きさが伝わります。
輪島のほうれん草と加賀野菜“金沢一本太ねぎ”を出汁を張った鍋に入れ、沸いたところで寒鰤をしゃぶしゃぶと泳がせ、野菜を巻いて一緒に頂きます。



軽く火の入った寒鰤は目尻が下がる口溶け。脂が乗っているので、ほうれん草とネギと頂くことで引き締まります。



●カマス 氷見
立派なカマスは軽く焼き霜にして、余熱で火入れしてあり絶妙なレア加減。これは一口で食べるのが最高で、ハリのある食感を感じると共に脂の豊かな旨味が口の中いっぱいに広がりました。

●金沢春菊の白和え
加賀野菜“金沢春菊”は肉厚でエグみがなく風味が優しく、通常の春菊とはまた一味違った味わいです。とっても美味しいですよ。爽やかな甘さの紋平柿と白和えにして。

●和牛 島根、平茸 石川県河北
お魚のコースにお肉を一皿入れることでメリハリが出ているし、しかもコースの流れを乱さない脂がしつこくない赤身のお肉で良かったです。

●かないわ香箱の玉締め
年末で今シーズンの漁期が終了となった香箱ガニ。金石漁港の“かないわ香箱”の身と外子・内子をたっぷり使用した、ほぼ香箱ガニの玉締め。今シーズンはもう食べられないと思っていたので、嬉しいサプライズでした。

●お食事
お米は津幡市谷町のコシヒカリで、土鍋で炊き立てを準備してくれました。粒がピンと立ったツヤツヤの神々しいご飯。
これをなんと3種類の味で食べさせてくれました。

1杯目は漁師飯風のズワイガニご飯。岩海苔の潮騒でふわっと持ち上げられます。うまい。

2杯目はのど黒ご飯。カマをほぐして大根おろしを乗せて。のど黒の美味しい脂がご飯をコーティングし、大根おろしが後味をスッキリと切ってくれます。

3杯目は能登牡蠣を雑炊として。食材も味も変化を付けた贅沢な3段階で楽しませてくれました。


●自家製抹茶アイスの最中
サクサク繊細な歯切れの香ばしい最中に、自家製の濃い抹茶アイスを挟んで。食後の満足感に浸れる充実コースでした。

ディナーアラカルト(移転前)

(訪問日 2021/1)
お通しの、玉締めイクラのせで良店を確信。最初の一品からこだわりのあるお店はその後も美味しい。

単品で注文。まずはお造り盛り合わせから(時価)。カジキマグロトロのフライは、中がレアでうっとりする口どけでした。自家製のタルタルソースを添えて。海老芋の唐揚げは味が入っていて美味。締めに納豆雑炊を選んだらこちらもびっくりおいしい。
大将もお店の方もとても優しく迎えてくれて、お心使いに感謝したいです。




大人気の87ランチ(移転前)

(訪問日 2022/4/6)
大人気のランチですが、新店舗開業準備のため4月28日をもって提供終了

●87ランチ(2000円)(平日限定 11:30〜14:00(13:30L.O)※メニューは日替わりで1種類のみ
この日は、アオリイカと行者にんにくの天ぷら、和歌山天然本マグロ大トロ、和歌山天然本マグロ赤身漬け、海老頭汁

無駄に小鉢を増やさず、おかず3皿がしっかり美味しいというのが最高です。
揚げたて熱々の天ぷらは、山椒の実ソースで甘辛だれにアクセントと緑の風味を添えて。

マグロ赤身漬けは、ねっとりもっちりしたマグロに、卵黄のコクと漬けだれが絡まって美味。ご飯が進む進む。

このランチ、北陸トップクラスではないでしょうか。