(2017/7/12初回投稿 ※情報を更新して投稿しています。2022/7/15の初競り価格を加筆)
「ルビーロマン」は、石川県が14年の歳月を費やして育成したぶどうで、もう、石川を代表するブランド果実になりましたね。毎年初競りで高値が付くのも話題です(金沢市中央卸売市場にて行われます)。どんどん高騰しています。
初出荷初競りが行われた初年度の2008年は1房10万円でした。
そこから価格はどんどん高騰します。ルビーロマンの競り記念すべき10回目である2017年の初競りは、7月7日に行われ、39房が競りにかけられ、最も高値がついたのは30粒ほどの実がついた1房600gのもので、1房111万円でした。競り落としたのは和倉温泉(石川県七尾市)にある旅館「加賀屋」さん。加賀屋さんも創業111年ということで、1並びのアニバーサリーイヤーに花を添えました。
2018年は7月10日に初競りが行われ、36房が出荷され、1房110万円で落札。地元でお馴染みの食品スーパーマーケット「どんたく」を展開する山成商事さんが購入しました。
2019年は7月9日に初競りが行われ、40房が競りにかけられ、“令和初”というのもあってか、最高値の1房120万円がつきました。購入したのは奥能登と湯涌に温泉旅館を展開する「百楽荘」さんです。競りが12年目ということで、「120万円で」と考えていたそうです。購入したルビーロマンは宿泊者に振舞われたそうです。うらやましい。
2020年は7月16日に初競りが行われ、100房が競りにかけられました。2020年も最高値を更新し、1房130万円がつきました。購入したのは前年同様に「百楽荘」さんでした。
2021年は7月16日に初競りが行われ、253房が競りにかけられました。2021年も過去最高値を更新。なんと1房140万円の値がつきました。購入したのは、台湾で3店舗のスーパーマーケットを運営する神奈川県の会社ということです。
そして、本年2022年は7月15日に初競りが行われ、187房が競りにかけられました。2022年もまたまた過去最高値を更新。なんと1房150万円の値がつきました。購入したのは、温泉旅館を展開する「百楽荘」さん。
このルビーロマン、果物屋さんでは一房 1万5,000円くらいで販売されていますが、それでも自家需要というわけにはなかなかいきませんね(汗)。大切な方への贈り物などにしたら喜んでもらえそうです。
粒は巨峰の約2倍で、直径31ミリ以上という基準があるというだけあって、やっぱり大きい!糖度は18度以上。うっとりするようなルビー色が特徴。この存在感は女王様のようです。
ちなみにルビーロマンの出荷が始まる7月の誕生石は「ルビー」です。宝石のルビーにしては大きいかな(笑)
(左奥の)デラウエアと比べると大きさは一目瞭然ですね。
今回は石川県のルビーロマン研究担当者さんにお願いし、ルビーロマンについて教えて頂きました。
見せて頂いたのが、まだ熟す前、赤く色付く前の緑色のルビーロマンです。マスカットではありません。ルビーロマンです。
これはレア!! 特別な袋をかけられて、大事に大事に育てられます。
お味はまだ甘さは全くといっていいほど無くて、硬くて酸味が強いですが、青臭さはなく身がギュッと詰まっています。エネルギーを蓄えているようにも感じます。
これはルビーロマンの花です。先のほうの2センチほどを残し「花穂整形(さすいせいけい)作業」して育てます。粒が育ってからも着色期前には「摘粒(てきりゅう)作業」を行い、良い粒を厳選し30粒ほどにします。
これはルビーロマンの原木。マザーツリーですね。この木を接ぎ木する形で増やしていきます。
そしてルビーロマンが美しいルビー色になる秘密は、実は “温度が肝” だそうで、温度管理に並々ならぬご努力をされています。涼し過ぎると身が黒くなるし、逆に暑すぎても色が全然付かなかったりまだら模様になったりするそうです。着色対策としてスポットクーラーを使用し、温度管理を徹底。さらに身を太らせるために“間引き”が必要ですから、毎日観察して日焼けや傷のない良品を残しながら選別していきます。
糖度18度以上なので、もちろん甘くジューシーですが、爽やかで酸味のバランスも良く美味。
宝石のような輝きとおいしさには、試験場や農家さんの大きなご苦労あってのことなんですねぇ。なかなかお口に入ることは少ないですが、ブランド力で石川の農産物の素晴らしさをPRできること間違いなしだと思います。