「御料理 白(つくも)」誠実な仕事が光る福井の新星日本料理店!

料理: 7.6 その他: 7.2 ポイントについて
御料理 白 (おりょうり つくも)
営業時間 18:00〜23:00
定休日 日曜、第1・3・5月曜
価格帯 11,000円コース、13,200円コース
訪問回数 2回

2024年6月に福井市で暖簾を掲げた新星の日本料理「御料理 白(つくも)」は、福井駅からタクシーで5分ほど、足を延ばせば徒歩でも18分という程よい距離感に佇みます。街の喧騒から少し離れた場所にあり、純白の暖簾がかかる外観に期待が高まります。

店内はカウンター4席に加え、個室が2部屋。厨房を見渡せるカウンターの特等席から、色とりどりの器や土鍋が並ぶ様子が見えてワクワクします。


コースは11,000円と13,200円の2つあり。
料理は良い意味で正統派で、奇を衒わず、店主・平川源太さんの誠実なお人柄がそのまま現れています。仕込みがとても丁寧で、コースのテンポも良いです。

【紹介項目】

2025年9月6日

・長芋昆布〆、トコブシ、無花果
昆布〆をして細やかな包丁で糸のように仕立てられた長芋は、秋はトコブシと無花果を合わせて。まずは、秋の訪れを静かに教えてくれます。

・お造り(アラ、真イカ)

アラは面を取った引き方で、しなやかさが強調され、もちっとした食感が美味。器の選び方にも凛とした潔さがありますね。

・お吸い物 のど黒
優しくまろやかな吸地が、とろんとほどけるのど黒に調和。

・甘鯛鱗揚げ、里芋
美しい仕事が光る甘鯛の鱗揚げ。鱗は一枚一枚が立ち、口の中でサクリと弾ける。さらに、里芋と銀杏の滋味で、地力を感じる味わいに。

・カサゴ煮付け、加賀レンコン

カサゴの淡白で甘さのある身に、柔らかな出汁が優しく寄り添う。加賀レンコンの野趣ともっちり感が美味。

・お食事
ご飯は、素敵な土鍋にて炊き上がってゆくのが目の前で見物できてワクワクします。
まずは福井県産「いちほまれ」の白ご飯、さらに秋鮭の炊き込みご飯まで、2種類の準備。
「いちほまれ」は、米そのものの魅力を素直に引き出した炊き上がり。粒立ちと香り、噛んだ時のふくよかさが印象的。


・福井・三里浜 シャインマスカット大福

2025年7月9日

13,200円コース

・先付:福井 黒鮑 蒸し、長芋昆布締め、潤菜
細やかな包丁で糸のように仕立てられた長芋は、昆布の旨み移っており美味。つるりとした潤菜のテクスチャーも、一品目にふさわしい清涼感。

・お造り 長崎アラ、福井 鯵、マグロ赤身

・お吸い物 福井・若狭 甘鯛

・太刀魚 炭火焼き、福井・大野 青大豆、伏見唐辛子
太刀魚は皮目に香ばしさを纏い、ふっくらと焼き上がっています。伏見唐辛子の優しいほろ苦さが夏らしい。

・茄子、鰻、大和芋

・ユメカサゴ、熊本県赤茄子、山うに
ユメカサゴととろっとおいしい熊本の赤茄子が甘やかさを添える構成。添えられた鯖江の伝統薬味「山うに」もアクセントに引き締めます。

・鹿児島黒毛和牛 炭火焼き、牛蒡

・お食事 淡路島のちりめん、とうもろこし、アスパラ
驚くほど繊細なちりめんの存在感が光る、絶品の炊き込みご飯でした。とうもろこしの甘みとアスパラのみずみずしい甘さともバランス良い。個人的には、今回のコースで最も心に残った料理の一つでした。


・マンゴー、さくらんぼ、ゼリー

お料理は現状も良いですが、福井産の食材をさらに主軸に据えた展開になれば、首都圏からのフーディーの目的地として、吸引力を持つようになるだろうなと思いました。
季節を変えて、また訪れたい一軒。