「TEATON」360度がハイセンス。加賀市にある会員制のティーサロン。オーナーの美学が詰まった空間、一線を画する美味しさ。

料理: 8.0 その他: 8.0 ポイントについて
TEATON (てぃーとん)
営業時間 ※会員制
定休日 火曜
価格帯 2000円〜3500円
訪問回数 5回

小松空港からアクセス車で10分ほど、大通り沿いの田んぼが広がる場所に、ふと、ただものではないオーラを放つお店を見つけます。
ここは「TEATON」とう名のティーサロン(2020年7月オープン)で、オーナーの坂矢悠詞人さんが惚れ込んだ紅茶とグルテンフリーのスイーツを提供しています。私はカフェというジャンルはあまり探究しない方ですが、こちらは心から感動があった一店。何から何まで凄かった!

入店するには会員登録が必要で、会員になるとICチップ入りのカードがもらえます。カードを入り口にかざすと扉が開くというシステム。カードは透明な紅茶色というのもこだわりが強く感じられます。
ちなみに会員募集は月1,2回の限られた日に行っているそうですが、現在は募集を締め切っているそうなので、難易度高。訪れるためには会員になっている人に連れて行ってもらうしかないということになります。
私は幸運にも募集日に訪問し、会員になれました。


お店は、世界の良きものを体感し審美眼を持つ坂矢さんが構想する、独創的な世界観をそのまま具現化した、大人の夢が詰まった場所です。空間造り、調度品から食器、自然光の取り方から緑の見せ方まで、全てにオーナーの美学が詰まっています。 

謎に包まれた感じもまた同店の魅力だと思いますので、多くは語らないでおこうと思いますが、メインダイニングの奥には秘密のお茶室があり、さらにはツリーハウス、井戸、海岸が見渡せる2階テラスまで作ってしまったという。もう、度肝抜かれっぱなしでした。 
海と空、緑との一体感。なんだか、ここに居ると夢なのか現実なのか朧げになってきます。不思議な気持ち。尖っているけど心地よい空間。
(※写真撮影と掲載の許可を頂いております。)(※店内撮影は不可)

提供する飲み物は坂矢さんが惚れ込んだという紅茶で、メニューには「たとえクスリをきらしても、紅茶はきらすな」というキャッチコピーが。これはチャーチルの「たとえ戦地で弾丸を切らしても 、決して紅茶は切らすな」 から来ており、ここからも紅茶へのこだわりとティータイムを大切にする信条が読み取れます。
ミルクティーは豆乳を使用しラクトースフリーで、茶葉から香りを抽出しまろやかな味わいに仕上げ、“紅茶のスープ”と名付けられています。

ハーブと組み合わせたアイス紅茶もあるのですが、魔法のような風味使いに驚きがありました。

スイーツはグルテンフリー、ラクトースフリー、白砂糖フリー。健康志向なスイーツは味に期待をあまり持っていないことが多いですが、期待値を良い意味で裏切る美味しさに感動がありました。こういう美味しさは初体験。

(スイーツは季節ものや新作も多いので随時異なります。)
●たぬき(2021/10/6)
昭和に流行したという「たぬき」というケーキを、グルテン、ラクトースフリーでTEATONが蘇らせました。白砂糖も不使用です。クリっとしたお目目に見つめられるユーモラスなケーキなのですが、その見た目の可愛らしさとは裏腹に、味の本気度に驚かされるやつです。土台のシンプルなロールケーキが、しっとり豊かな味わいで目を閉じて味わいたくなる。このギャップがまた魅力。


●モンブラン(2021/10/6)
幾度も試行錯誤をして完成させたという、味の組み立てが完全オリジナルのモンブラン。アプリコットとバニラクリームを組み合わせた、TEATONらしい優雅さを持つ不思議な美味しさなのです。また、栗の仕込みが丁寧で栗の美味しさが素晴らしいということに加え、味の完成度を高めているのは底のメレンゲで、きび砂糖のコク、和三盆のようにホロホロきめ細かく崩れる食感が夢心地です。

●トルタカプレーゼ

●シフォンケーキ

●すももももももパフェ(夏限定)
ここまで完成されたパフェはないのでは?単にいろいろなパーツを詰め込んだパフェではなく、計算された味わいで、一つの料理として味わえました。“すもものパフェ”というコンセプトからは外さずまとまりもある。

まずは、ジューシーでチャーミングな甘さの桃と、ココナッツとカシューナッツのアイスの、ミステリアスでまったりとしたミルキーな味わいがハーモニーを奏でます。さらに、リズムを刻みながら爽やかに持ち上げるミントのクランブル、スモモの茶目っ気のある酸味の効いたソースやジュレが現れる。層を進むと、スモモと桃のソルベ、ヨーグルトソース、桃のコンポートへと、グラデーションを描きながら心地よく味が変化するように計算されています。素晴らしい。
(今シーズン2回食べました。)

●ザ・ロック スコーン
雑穀粉、米粉、葛粉、オートミールを使用した、グルテンフリーのスコーン。一口ごとに広がる穀物の大地の風味、しみじみ立ち上がってくる奥行きのある甘さ。この豊かな味わいに、スコーンに持っていたボソボソのイメージをくつがえされました。豆乳のクロテッドクリーム、自家製ジャムと。

●キャロットケーキ
キャロットケーキ大好きなので、いろんなお店でラインナップにあれば食べるのですが、TEATONさんのはまた独特な美味しさでした。ホロッとくる香ばしさに乗って、奥深いコクが波紋のようにとくとくと広がり余韻する。これは紅茶にもぴったりだし、素晴らしいと思いました。

●4/4 キャトルキャール(夏限定)
本来は、卵、粉、砂糖、バターを4分の1ずつ使うお菓子。こちらは小麦粉、乳糖、白砂糖を不使用で。しっとりと重厚な生地に、スモモのコンフィチュールを挟んで夏の風味をのせて。とっても贅沢な味わい。

●アーモンドミルクプリン
牛乳不使用、アーモンドミルクを使ったプリンです。牛乳に期待する美味しさに不足がなく、ふくよかで絶妙なバランスで、固めなのも好み。飾りっ気のないシンプルなスイーツってとても難しいのだと思いますが、素でも魅力が溢れる強くて美しい女性のような味に仕上がっています。

●パイナップルケーキ
お持ち帰りで購入できるお菓子です。私は東南アジア多いので、パイナップルケーキを食べる機会が多めですが、今まで食べたパイナップルケーキの中で一番美味しい。
ホロっと味わい深く繊細な生地と、ギュッと凝縮されてどこか滋味深さもあるパイナップル餡が、口の中で一体となります。何度も購入しているツボったお菓子。

すべてにおいて妥協がなく、究極をとことん追求されています。

ティーサロンのお隣は「PHAETON」というセレクトショップ(2010年オープン)で、お洒落にめっぽう疎い私には語れないハイセンスな洋服や眼鏡が並んでおりました。一点一点に職人さんの魂が宿っている。お客さんは国内外から訪れるそうですが、納得しかありません。お客さんもお洒落な方ばかりでした。