(2023/5/22 営業情報を追記して更新)
同店は、建物や設備といったハード面の老朽化のため、2023年5月末で一旦閉店されるそうです。リニューアルを目指して再開する可能性もあるそうですが、予定はまだ未定ということです。
犀与亭は、加賀藩士の三男に生まれた須田甚之助氏が犀川の近くで肉屋を開業したことに始まる肉屋兼すき焼き店で、明治維新後の明治14年に(現在の場所)白山市辰巳町に移りました。店名は創業場所の犀川から取っているんですね。肉屋の裏手がすき焼き店になっており、旅館のような立派な店構えにちょっと緊張してしまうかもしれませんが、他店と比べてリーズナブルな価格も魅力。
金沢市中心部からは距離がありますが、ここまで来る価値を感じます。
上質なお肉がリーズナブルに 犀与亭のすき焼き
席は個室で、鍋のお世話は仲居さんがしてくれます。最初だけお願いして、後は自分のペースで進めるのが良いと思います。
同店のお鍋はキラキラ眩しいですが、これ“銀製”なんです。熱伝導率の高いものを使用しているんですね。
食べる前からお皿いっぱいの上質なお肉についついテンションが上がってしまいます。けっこう面が広いスライスにしてあります。
(何度も訪問しているので写真はお気に入りを載せておきます。)
(2020年10月3日訪問で「竹」のお肉。宮崎牛でした。)
美しく切り揃えられたネギにうっとり。さらに、椎茸ではなくエリンギ、三つ葉、生麩、焼豆腐、しらたきが。
仲居さんの手順は、まず牛脂を鍋に塗り、最初に野菜を並べてお肉をのせます。(肉を焼きつけてから野菜を入れる長谷川亭さんとは少し異なります。やはりそのお店ならではの流儀がありますね。)
金沢独特の“煮焼き調理”なので割り下は適度に回し入れる程度です。火入れし過ぎるとお肉が固くなってしまうので、すき焼きは食べ頃で頂く瞬発力も勝負。目を見張って一番おいしい状態で食べたいですね。
一子相伝の割り下は、上品でありながら程よい濃さ。(長谷川亭さんよりもやや濃い目の印象です。)
卵は特選卵。
やわらかいお肉が少し煮詰まった割り下にコーティングされ、まろやかな卵黄が口の中で溶け合います。ほっぺたが落ちる。
終盤はご飯を注文して、すき焼きを乗せ卵黄を落とし、“大人の牛丼”にするのが私の定番。
お口直しに梅くらげがありましたが、先付やデザートなどはありません。お肉に没頭し堪能してください。
玉子でとじる牛肉煮込み鍋(持ち帰り可能)がすごい!!
さらに犀与亭さんには「牛肉煮込み鍋」という大人気メニューがあるんです。これはランチにオススメ。言わばすき焼きを玉子でとじたもので、出来上がったものが提供されますから、手早く食べられます。また、一人前が一つの鍋で出てきますから、誰にも邪魔されることなく味わいに浸ることができるのもいいところなんです(笑)
●牛肉煮込み鍋(中なべ2,050円)(ご飯、味噌汁は別料金)
(※大なべは2,650円、小なべは1,550円です。)
玉子は3個使用し、空気を含ませないようにといてふるふるで仕上げてあります。これはもう説明不要の美味しさ。気づいたころにはお鍋が空っぽで、膨れたお腹をさすっていました。ご飯を注文し、お肉と共に無心で味わいに浸ってください。
サイズは大中小ありますが、「中なべ」でも男性が満足するボリュームだと思います。
実はこの牛肉煮込み鍋、近所の方はテイクアウトのお弁当として注文することが多いようで、そのおいしさと手頃感で長年人気。
数量によりますが、当日の電話注文にも対応してくれます。