金沢の繁華街に暖簾をかける割烹料理店。肩肘張らない雰囲気で、旬の地物をアラカルトで楽めます。料理は季節食材の魅力を引き立てた奇を衒わない料理ですが、味付けが絶妙でベテラン店主の貫禄が感じられます。1軒目として日本酒を飲みながら大将のおまかせで食べ進むのも好きですが、2軒目に寄っていくつかすし握ってもらってシメにするというのも好き。どの季節も好きですが、一番回数通ってしまうのは新いくらの時期。同店のいくらは絶品です。
席数は全部で70ほどあり、そのうち60席は掘りごたつなどの小上がりですが、オススメはやはりカウンターです。良いネタや食べたいものを相談しながら注文できるのがいい(※点数はカウンターにて食事の場合です)。個室はソーシャルディスタンスが取れる点で良いと思います。
【紹介項目】
(最終訪問 2020年5月27日)
2020年8月22日 絶品新いくら、鱚
●新いくら
旬のいくらはうまいですが、志げ野の自家製いくらは中でも絶品です。前日から始まったという今シーズンの新いくら、嗅覚鋭い自分に拍手。大将自家製のいくらは、皮がやわらかくて舌に優しく当たり、プツッと弾けてシャリに雪崩れ込み、溶け合っていくのがたまらなくうまい。絶妙な出汁醤油の加減も素晴らしい。お通しとして頂き、シメとして握りでまず3カン、おかわり3カン頂きました。シーズン中何度か通うはずです。
●クエ刺身
●赤西貝
能登七尾で獲れる真っ赤な巻貝“赤西貝”はコリコリの食感と咀嚼するたび広がる甘さが魅力。
●岩牡蠣
●加賀太きゅうりの酢の物
●新加賀れんこんの天ぷら
冬に向かってデンプンが多くなる加賀れんこんは、この季節はまだあっさり爽やかな味わい。歯切れよくシャキシャキと夏野菜を食べるような感覚です。
●鱚天ぷら
ふっくら揚がった繊細な白身の美味しさ。
●皮くじら味噌汁
あると必ず注文する、皮くじらとゴボウ入りの味噌汁。皮くじらの脂は豚よりもあっさりしているが、豚汁に似たニュアンスでしみじみと懐かしみを覚えるうまさ。ゴボウの地味がマッチングしています。うまい。
2020年5月27日 じゅんさい、赤西貝
ふらっと2軒目使いでカウンター。こういう風に訪れられるのが志げ野の好きなところ。結局、ふらっとのつもりが結構食べました。季節のじゅんさい、鱚天麩羅はカウンターでの注文率が高かった印象です。
●新じゅんさい 梅と胡麻ドレの2味で
●鮪山かけ
とろろに隠れる鮪が上質なもので、思っていた以上の美味しさでした。
●わらび酢
●寿司(赤西貝、炙のど黒、うに、鉄火巻き)
赤西貝は軍艦巻きで。鉄火巻きは鮪を巻く前に軽く炙りを入れてあり美味。
●出汁巻きたまご
2020年3月30日 山菜、タケノコ
山菜、タケノコと言った春の味覚オンパレード。特に若竹煮の繊細な味付けが良かった。最後の味噌汁はくじら汁。くじらの脂が味噌に溶け合い旨味の重奏。加えてあるごぼうの香りがクジラのネガティブな個性を良い方向に昇華させていてうまかった。(以下写真ギャラリー)
●山菜天ぷら こごみ、たらの芽、ふきのとう、独活など
●焼き蛤、焼き万寿貝
●若竹煮
●わらび酢
●金沢春菊
●だし巻きたまご
●くじら汁
2019年9月21日 絶品新いくら
2軒目として訪問し握りを8つほど。好きなのをコレコレと注文して食べられるこういうお店って本当に有難いです。
すしで感動があったのは、この季節が“ジャスト旬”の新いくら。さすが大将のいくらは絶妙な出汁醤油の加減が最高で、何度もおかわりをしてしまった。新いくら、赤西貝、新いくら、万寿貝、新いくら、ねぎとろ、といった具合に笑。(後日また新いくら狙いで訪問しました。)
2018年5月末 じゅんさい、加賀太キュウリ
●じゅんさい
最初の一品に旬のじゅんさい。
●お造り
ガスエビや七尾の赤西貝も。燃えるような赤い身は、コリコリと良い歯ごたえと豊かな甘さが美味。
●加賀太キュウリ酢の物
加賀野菜の一つである加賀太キュウリの酢の物。こういった何気ない1品にも味の添え方、薬味の利かせ方に気を配ってあります。
●白子の揚げだし豆腐
●出汁巻きたまご
生のいくらを塩味として使用。火が入り切らない程よいところで仕上げてあります。これは美味。
●茄子のはさみ揚げ
2018年1月 ブリ大根、牡蠣味噌焼き
冬のおいしい食材が目白押し。白子や赤ナマコも鮮度良し。梅貝はほんのり軽いバターソテー。中島の牡蠣は白味噌を添えて、海のミルクのコクに白味噌の深い甘さが調和。
鰤大根は三日煮込むそうで、鰤は骨まで軟らかくて食べられますし、分厚い大根もしっかり味が染みていて美味。旨味を全部吸っている大根が主役と言っても良いくらいです。
その他、ズワイガニ甲羅焼きやフカヒレ茶碗蒸しもオススメ。