金沢・長田町の閑静な住宅地にひっそりと暖簾を掲げる手打ちそば店。
2020年のオープン以来、その美味しさが瞬く間に広がり人気店になりました。“好きなおそば屋さん”に名前を挙げられる方が多いですね。
以前はコースでしたが、現在はアラカルト形式での提供です。完全予約制なので、予約にて訪れてください(当日キャンセル枠はInstagramで案内されます)。
玄関を入ると、まるで時間がゆっくりと流れ出すかのような静謐な空間が広がります。
店主が腕を振るうそばは、長野県戸隠にルーツを持つ“戸隠そば”。戸隠在来種のそばと国産小麦粉を使った二八蕎麦で、北陸では見慣れない、「ぼっち盛り」と呼ばれる小束で盛りつけられます。茹でたそばを冷水にさらし、水を切らないまま何束かに束ね、根曲がり竹のざるへ盛りつけてあるのは独特。こうすることで、食べた時にそばがほぐれやすく、なおかつ冷たい状態で引き締まったま食べられるそうです。
その狙い通り、凛としており繊細で、口に含むと驚くほどスルッとのどを滑ります。
・つけとろそば(1700円)
岡本農場さんの「加賀丸いも」を使用したつけとろそば。
・だし巻き玉子(1000円)
渡辺鶏園さんのピュアエッグを使用。出汁をたっぷり含んでおり、絶妙な火入れでふわとろできめ細かく美味。
・水ようかん(500円)
希少な能登大納言を使用した水ようかん。口に入れると無くなってしまうくらい、ギリギリの固さにとどめてあり、口溶けがとてもよく、思わずうっとりしてしまう。香り高い風味の余韻も素晴らしい。
古民家を丁寧に改装した店内は、建築としての美しさも見逃せません。器もひとつひとつに静かな存在感が宿っています。
ひとたび訪れれば、その余韻に浸りながら、次は誰を誘って来ようかと考えてしまう素敵なお店。ホスピタリティも素晴らしい。
今や金沢を代表する名店のひとつ。