福井市の中心部、飲食店が集まるエリアの一角にある地元で人気のすし店。ただし、「街のおすしやさん」と思って行ったら、思いもよらないおいしい出会いに驚くことになるでしょう。店内はL字カウンターに8席。大将の郷北斗さんは明るく親しみやすい人柄でゲストを楽しませてくれるし、柔軟な対応をしてくれるので、肩の力を抜いて気軽に訪れることができるのも同店の良さ。それにしても大将のお名前がタレントさんのようですね。
食材はできるだけ福井や北陸の地物を使い、遠方からのお客さんのツボも押さえたラインナップ。さらに、正統派ではない、大将のセンスが光る斬新な味の組み立てもあり、その意外性も新鮮でした。最後まで飽きさせないコース構成も素晴らしい。シャリはコシヒカリと日本晴、いちほまれの3種をブレンドで使用しているそうです。
工夫して地物を使われているところも良いし、内容に対して価格が手頃に感じたし、福井で覚えておきたい良店だなと思いました。
(品数が多いので一部を紹介しています。順不同に載せています。)
●先付
福井県あわら市の富津(とみつ)地区で栽培される「とみつ金時」のすり流しでスタート。
●大間のマグロ巻物
マグロ赤身の巻物にフレッシュなルッコラをプラスし、食感と苦味をアクセントとする妙。
●白海老
白海老は福井の干椎茸の出汁に鯛の醤をほんのり効かせて、甘海老のねっとりした甘さに品のあるコクをスッと乗せています。
●穴子
穴子は刺身として。塩と柑橘、さらに山葵が福井勝山産というこだわりが嬉しい。火入をしていない生穴子の、エンガワのようなコリコリとハリのある食感と立ち上がる甘さが美味。
●ヒラメ昆締め、木の芽
●アオリイカ
●ソウダガツオ
●メジマグロ 砂ずり
●穴子
●白子 福井
出汁でゆっくりと火入をした白子はぷっくりふるふるしており美味しそう。驚いたのは九頭竜舞茸のペーストを添えてあること。舞茸の独特な風味で白子を食べるのは始めてかも。もろみと玉葱で豊かな旨味と甘味を出してあり、滋味が鼻腔を抜けます。
●蛸、地辛子 福井
●鮑 福井
夏の間に下処理をして冷凍をかけておいた鮑を肝ソースで。箸休めにブロッコリーの浅漬けを持ってくるというのもなかなか面白い。
●〆鯖、福井サーモンとゆかりの棒鮨ゆかり
●能登牡蠣
●カジキハム、オリーブオイル
塩せきしたカジキは水分が程よく抜けて旨味が増し、オリーブオイルが相性良い塩気。お酒が進む一品です。