金沢の鮨文化を牽引してきた「太平寿し」ご出身の高森さんが、2024年5月7日、金沢市本町に暖簾を掲げた独立店です。
場所は金沢駅から徒歩10分圏内の本町で、喧騒のない静かな裏路地に佇んでいます。建物は築100年余りの古民家をリノベーションし、白を基調とした漆喰の壁と、掻き落としの技法を用いたグレーのシックなデザインが印象的な空間です。歴史の趣を感じさせながらも、洗練された大人の空間としてとってもいい雰囲気。
さすが高森さん、カッコイイお店作られましたね!
「太平寿し」といえば、独創的で革新的なすしの数々を生み出してきた名店。その代表的な一品が「のど黒の蒸し寿司」。今や全国のすし店でも見られますが、生みの親はまさに高谷大将でした。高森さんの新店ではこうしたスペシャリテも継承しつつ、独自に探求したおいしさをしっかり打ち出したコース展開をされており、注目の一店と言えます。
印象的なお寿司をいくつかご紹介します。
・白子寿司
白子のすりながしを雪のようにふわっとかけた温かいおすし。なめらかでクリーミーな白子のすりながしがシャリを包み込みます。ぽってりとした口当たりで、なめらかかつ繊細な舌触り。寒い日に心も体もあたためてくれる一品です。
・甘海老の握り
甘海老に海老味噌を乗せて乾燥した甘海老パウダーをふりかけた“甘海老の再構築”と言える一貫。口の中で甘海老の凝縮された旨味が広がり、余韻も長く濃い。甘海老一色。
・のど黒の蒸し寿司
ここで食べるのはまた格別ですね。引き継がれているDNA。
湯気の立つほこほこと温かいお寿司で、蒸してふるふるになったのど黒の身がシャリに溶け合います。蒸すことで角が取れた酢の優しい酸味と、甘みを増したご飯、滲み出したのど黒の美味しい脂、それぞれのパーツの特性が火入れすることで変化して新しい味になった革命的なお寿司なのです。
(その他のお料理とおすしの写真)
高森さんの親しみやすいお人柄に、思わず顔がほころんで、おいしいお寿司がより美味に感じられます。
大将の高下駄のカランコロンという音が鳴り響くのも粋。
予約で埋まっている日も多いので、訪れるなら早めのご予約を!