富山が世界に誇るイタリア料理店「ひまわり食堂」が、「ひまわり食堂2」として2024年4月1日に移転オープンしました。
オーナーシェフの田中穂積さんは、イタリアや東京の有名店などで約10年腕を磨き、Uターンにて富山市石倉町で開業。今回は、富山駅から徒歩5分ほどの元銀行をリノベーションして、重厚でモダンな空間デザインのお店になりました。
今回の移転でパワーアップしたというか、元々持っていた腕の高さが最大限に伝わるお店造りになっており、インパクトと残します。本当に感動した。富山で必ず訪れてほしい一店です。
ちなみにミシュランガイドでは1ツ星を獲得。イタリア料理というジャンルで獲得できているのは名誉なことだと思いますし、この移転をきっかけに、より一層感度が高い食通に知られてほしいお店だと思います。
わざわざここまで来る価値があります。
私は毎月通いたいし、このお店が金沢ではなく富山にあることにもなんだか嫉妬を覚えますね。
シェフは引っ込み思案だと自称しており(実際そう)、前のお店では厨房内が見えにくい間取りになっていました。しかしながら、今回はどの席からも厨房の様子がバッチリ見えるようになっており、特にカウンターはお客さんの目の高さにシェフの手元が来るようになっているので、料理が出来上がるライブ感に溢れておりワクワクします。
シェフは「まだこの感じが慣れなくて」と照れながらも、意気揚々と料理をしている姿が印象的でした。
ちなみに元銀行なので金庫の扉があり、その奥には2階個室に続く階段があります。
通常の食べ歩きだと1階のメインダイニングが良いことに間違いはありませんが、こちらはこちらで需要がありそうです。
料理の総括ですが、やはりさすがとしか言いようがありません。これまでよりも、この新店舗の間取りによって、良さが伝わりやすいです。シンプルに主役となる食材を立てて、存在感を出し、研ぎ澄まされた完成度で、ガツンと舌の記憶に残します。「やってくれたな」という感じです(笑
“オシャレだけど何を食べているのか分からない料理”とは対極にありますね。
1皿1皿全て完成されていて、精度が高い。
●独活と水タコの前菜
素晴らしいお店は、最初の一品でもう決まる。全てがこのプロローグで伝わりました。透明感のある純白な独活の繊細と苦味を味方に付けた一品。春の味。
●鰯のマリネ、カリフラワーのフリット、たまねぎ、ヨーグルト
●ホタルイカ、イカ飯、山菜、山芋クレープ
クレープと言っても、クレープ状にした山芋で、優しい滋味でホタルイカを包み込みます。ホタルイカの出汁が染み込んだイカ飯に、山菜のフレッシュな苦味がアクセントに。
●白海老、生ハム、ホワイトアスパラ、ゼッポリーネ
切り立ての生ハムをハラリとかけたゼッポリーネです。白海老のねっとりとした甘さとホワイトアスパラのみずみずしさが、ゼッポリーネの香ばしさと生ハムの旨みに溶け合う。
●ヤマドリのスープ、発酵ナメコ
胃から全身の細胞に染み渡るような、クリアでパワーのあるスープ。
●アンコウのポワレ
これほど美味しいアンコウのポワレは初めて出会いました。
アンコウは頬肉の部分で、プリっとしていて存在感あり美味。アンコウのゼラチンを乳化させたソースがベストマッチ。
●おわらクリーンポーク炭火焼き
度肝を抜かれた一品です。うっすら桃色に色づくシルキーな肉質は火入れ完璧。その絶妙な塩で引き立つ甘さ、サクサクしていながら跳ね返す弾力あり、咀嚼するごとにほとばしる旨味がソースとなり、素材を最大限引き立てている。これは何日経っても忘れない美味しさ。
●新玉ねぎのパスタ
クライマックスにまたしても衝撃が。新玉ねぎだけのシンプルなパスタですが、フレッシュでみずみずしく、さらに自然な甘さが凝縮しておりパスタに馴染み、インパクトに残ります。これは何日経っても忘れない美味しさ。
●ドルチェ
アイス、クレープ、舳倉島塩
●カモミールティー、ビスコッティ、いちごのチーズケーキ