2017年5月、金沢駅西口(港口)に登場した金沢初のミクソロジーバー。同店は世界のミクソロジスト南雲主于三(なぐもしゅうぞう)氏をメインプロデューサーに迎えています。オープン時から提供していたカクテルは、南雲さんの東京のお店で提供しているミクソロジーカクテルで、それが金沢で飲めるというスタイルだったのですが、2018年12月8日に金沢石川の食材を使ったミクソロジーカクテルをリリース。地元の生産者と密接な、作り手のハートを大切にしたカクテルです。どのようにおいしい素材がよりおいしく昇華されているのかも味わいどころですよ。
12月8日からは、南雲さん提案のシグネチャー地物カクテルが12種類と、能登ミルクカクテル3種、ハーブ農園ペザンのハーブカクテル3種、地酒を使ったカクテル3種の計21種類のカクテルを味わうことができます(※21種のカクテル全てに地物食材を使用)。季節で変わっていくのでそれも楽しみ。世界でここだけしか飲めないミクソロジーカクテルの数々をお楽しみください。
(2018年12月9日 更新)
南雲主于三(なぐもしゅうぞう)氏
スピリッツ&シェアリング株式会社代表取締役で、「The Bar codename MIXOLOGY tokyo」、「The Bar codename MIXOLOGY akasaka」、「Mixology Laboratory」、六本木「Mixology Experience」、GINZA SIXの「Mixology Salon」、銀座PLUSTOKYOの「Mixology Spirits Bang(k)」のオーナー。ミクソロジーに興味をもち渡英し、最先端のカクテル文化が生まれるイギリスのバーで働いたのち帰国し起業。ミクソロジストとしてミクソロジー界をリードしている。お茶をコンセプトとする「Mixology Salon」は「2018 アジア最高のバー50選」の40位にランクインしている。
mixolosy(ミクソロジー)とは、
「mix」(混ぜる)と「~ology」(学問)を合わせた造語。フルーツや野菜、ハーブ、スパイス等の新鮮な素材をスピリッツなどと組み合わせるカクテルで、最新の分子調理法などを用いたりもする。
場所は、金沢駅西口バスターミナルに隣接する「マストスクエア」ビルの2階で、1階には「輝らり」という回転寿司店があります。店内は人々が集まる山小屋のイメージ。3.8mの大窓が抜けの良い開放感ある空間造りに一役買っています。
会員制の隠れVIP個室もあり、駅前でプライベート空間が持てるというのはステキですねぇ。
ちなみにクラシックカクテルもNEWバージョンのオリジナルになっていますし、モスコミュールやダイキリなどは普通とは違うレシピになっています。また、ヴィンテージシングルモルトを中心に約30取り揃えもあります。80年代のカルヴァドスや70年代のコニャックもあり。
The Station Bar Mixology の地物カクテル
地物カクテルは21種類。メニューを眺めているだけで「一体どんな味がするんだろう」と期待に胸が膨らむものばかりだと思います。たくさんあるので迷いますが、迷って決められなかったらまずはこちらが良いでしょう。
●手取川×ジャスミン茶×ミルクパンチ
手取川のフルーツ香にジャスミンの風味が上手に寄り添う最強のバランス感。お酒の味わいをふうわりと持ち上げ、ジャスミンの可憐な風味が余韻に残る不思議な味わい。南雲さんの日本酒カクテルのスペシャリテと言っても良いのではないでしょうか。これはぜひ味わって頂きたい1杯です。
他、ほんの一部ですがビジュアルをご紹介します。
●能登豚ジェラート×能登ミルク
●丸八加賀棒茶×ホワイトチョコ×スモーク
●洋梨×山ワサビ×手取川純米大吟醸
想像していた味と着地点が異なる新しいおいしさがまた面白く、引き込まれることろです。ぜひここだけのミクソロジー体験をしてみてください。
金沢限定地物カクテル使用食材
2018年12月9日現在で使用している地元食材はこちら(カクテルもしくはフードに)。
●ハーブ農園 PAYSAN(ペザン)
津幡町の河北潟干拓地で農薬や肥料に頼らない自然栽培にて50種類以上のハーブを育てる農園。同園の強みは質の高いフリーズドライで、通常のドライでは失われてしまう色や香りを綺麗に出しています。フレッシュハーブやハーブの花もベストシーズンにカクテルに使用。
●高木糀商店
東山にある金沢唯一の糀屋さんで、創業は江戸時代後期の天保の頃。現在の店主は8代目の髙木竜(りょう)さん。糀は県内産コシヒカリを使用し、昔ながらの糀葢で地下室(むろ)で発酵させる。味噌は国内でも珍しくなった木桶天然醸造。
●丸八製茶場 加賀棒茶
文久3年に加賀藩前田家の茶園として歴史が始まり、「献上加賀棒茶」で知られる製茶場。そのすっきりとした飲み口と馥郁たる香りの素晴らしさは、新茶である一番茶の茎の旨味を損なわぬよう、遠赤外線の輻射熱で表面を焦がさず芯から浅く焙じているからこそ。
●アリーカフェ
金沢市畝田にある自家焙煎珈琲豆の専門店。J.C.Q.A認定コーヒーインストラクター1級である店主有延さんが生産現場で買い付けたスペシャルティコーヒーを焙煎。その珈琲豆をカクテルに使用。
●吉田酒造店
銘酒「手取川」と「吉田蔵」で知られる白山市の酒蔵。2020年で150年を迎えます。伝統と革新、地域性・原点回帰と新しい味の探求を杜氏・蔵人が一丸となって追求している現在進行形の蔵。地元の酒米「五百万石」と「石川門」を巧みに操る。
●福光屋
金沢市石引にある石川県最大の酒蔵。寛永二年創業。「黒帯」や「加賀鳶」などのレギュラーブランドの他、「瑞秀」や「初心」などヴィンテージシリーズも見逃せない。日本酒醸造のノウハウと独自の蒸留技術により生まれる本格米焼酎「えじゃのん おんぼらぁと」をカクテルに使用。
●能登ミルク
大自然 能登半島で「能登ミルク」は生まれました。
能登にある6軒の酪農家(西出牧場、柴野牧場、小林牧場、香川牧場、畑中牧場、福井牧場)で育てられた牛の生乳を使用。のびのびとした環境の中、牧場で作られた自家牧草だけを食べ、衛生的な飼養管理の下、健康的に育った乳牛の生乳のみを使用しています。
●川端崇文さんの加賀れんこん
川端さんが育てる加賀れんこんは3つ星獲得フレンチや超名店からも根強い人気。おいしさの理由は無農薬であること。農法にもこだわり、れんこん本来の味が感られます。
●食工房ファミーリエ
かほく市でお米を飼料に育てられているプレミアム能登豚「豚輝」のソーセージ工房。能登海洋深層水塩やドイツ産スパイスで調味し、一晩低温熟成させた後、天然の羊腸に充填しナラとクルミのチップで燻し仕上げている。
●兼六
幻のサツマイモとも呼ばれる“兼六”は、昭和10年より育成を開始したが、他の品種より保存が難しく、昭和30年に一度栽培が途絶えた。しかし、その美味しさが再注目され栽培が再開。調理すると鮮やかなオレンジ色になり、ねっとりと糖度が高く美味。