近江町市場からほど近い彦三町にある割烹居酒屋で、店主は元海上自衛隊という異色の経歴。日本酒が度肝を抜かれる全国銘酒のラインナップで、石川県の地酒は“谷泉”で知られる「鶴野酒造店」のみ。魚は奥能登から直送される鮮魚を使用するという、情報量多くてなかなかインパクトあるお店でした。
場所は、彦三町のしかも裏通りのビル地下の飲食階。普段の食べ歩きでは来ない場所というか、金沢にいてここ初めて来ました。しかもフロアの一番奥で、ちょっと(というかかなり)場末感あるので、行かれる方は覚悟してください。
場所と酒・料理のギャップに萌えます。若手でのびしろありそうなのも魅力。
店主は能登町出身の濱﨑興樹さん。
1994年、石川県能登町出身。高校卒業後、2013年に海上自衛隊に入隊。艦艇に配属され料理人として5年間勤務。2018年に退職し、レストランで経験を積んでから2020年4月1日に同店を開業されました。
店内の雰囲気はどこにでもある居酒屋ですが、カウンター席から見えるのは戦艦大和。そのお隣に並ぶ日本酒も存在感を放っています。
魚は、船を保有するお父様が釣った魚を送ってくれるそうです。その他、市場で仕入れるものあり、良い物を見たら買ってしまうそう。
この日も大物がズラッと。80cm級のヒラマサもこんにちは。
何気に置かれているどデカい鮑も無視できない(笑)。
4.5kgのアラ
いいですね、何気なくすごいものが出てくる感じ。テンション爆上がりです。
印象的だったのは、店主の明るく優しく、そして自信ある雰囲気。さすが奥能登の男、魚の扱いには慣れているなぁと思いました。
日本酒は、全国の銘酒を揃え、地酒は能登町の谷泉(蔵直)のみという潔さ。
十四代、田酒、醸し人九平次、豊盃、新政、黒龍、くどき上手、磯自慢などなど。
・朝日鷹(高木酒造)
十四代さんの地元限定で流通させている入手困難な酒。
・而今(木屋正酒造)
・光栄菊(光栄菊酒造)、花陽浴(南陽醸造)、登雷(鶴野酒造店)
料理で必食なのは〆の「海軍カレー」です。
●海軍カレー
海上自衛隊イージス艦で腕を振るっていた頃に実際に作っていたカレーの再現だそうです。
普段は食べないタイプのカレーで、新しい味でした。もっとどっしり重いタイプのカレーを想像していたのですが、もたれないように作ってあるそうで、なるほど。焦がしたスパイスの香ばしさとビターな味わいが後を引き、あっという間に完食です。
※初訪問2022/5/17で、2回目・3回目の訪問があまり日を置かずに2022/5/22・2022/5/26なので、料理は個人的に良かったと思った順で載せています。
●能登牡蠣
この日一番良かった一品。本当に素晴らしい能登牡蠣でした。
肉厚でプリッと張りがあって、潮騒とミルキーな味わいが絶妙でした。
●アラ 4.5kgしゃぶしゃぶ
立派なアラは薄造りにしてしゃぶしゃぶに。とてもコンディション良くて、身が甘く脂乗りも程良く美味でした。
●キジハタ 煮付け
ピンピン新鮮なドデカいキジハタを煮付けで。さすが鮮度良いだけあって跳ね返す弾力あり、これはこれで美味しかったです。濃すぎない絶妙な味付けも良かった。
●サザエ
でっかいサザエが入荷していたので、刺身と壺焼きで頂きました。
刺身は、コリコリした食感と咀嚼するたび湧き出してくる甘みが美味です。焼きは味噌壺焼きで、味噌の発酵のコクがサザエに相性抜群でお酒が進みました。
●お刺身 盛り合わせ(1人前2300円、2人前4500円、3人6500円)
ヒラマサ、マハタ、アカイカ、マグロ
ヒラマサとマハタはさっき獲れたばかりという鮮度の良いもの。パッツパツで角がピンピンしており、弾力あって食感もサクサクとしていて美味です。私も奥能登出身で(熟成魚よりも)鮮魚の方が慣れているし好きです。
●自家製カラスミ
しっとり水分量を残し、塩分をギリギリに抑えておりコクのある塩気で美味しいお酒が進む。
●黒もずく
●雲丹とアボカド
●小木の船凍イカ、アスパラ バター醤油
●鮑 能登
能登から届いたばかりと言われて居ても立っても居られなくて注文。一人で勿体無い、ドデカ鮑を独り占めしてしまった。背徳感を感じながらも、酒が進む。
●泉州の水茄子
●カメノテ
亀の手の形をした珍味。故郷の能登の海が目の奥に浮かびました。久しぶりに食べたなぁ。こういうのが出てくるのも嬉しい。
●付き出し 稚鮎(2022/5/17)
稚鮎を揚げ立てで出してくれました。繊細な今だけの味覚をハホハホと頬張る美味しさ。
●自家製カラスミのれんこんコロッケ
中に入っている自家製カラスミが美味でした。優しい塩気と旨味をほくほくと。
●ゴールドラッシュかき揚げ
みんな大好きとうもろこしのかき揚げ。これから夏に向けてさらに糖度高くなりそう。