台北市内で現在2店舗を展開する台湾客家料理をベースにした創作料理レストランが、金沢市尾張町にオープンしたのが2020年8月6日のこと。しかしながら、コロナ禍で台湾シェフを呼んでの通常開業は難しく、ずっとポップアップという形態でテイクアウトと簡単なイートインでの営業方法を取っていました。が、ついに2021年1月14日にディナー営業を開始。シェフは日本人で、まずは鍋をメインとしたコースを提供しています。
建物は、1842年(天保13年)から続く老舗の油問屋「森忠商店」の店舗兼社屋だったそうです。この建物が建てられたのは大正7年(1918年)。香油や食用油を製造販売しており、特に香油は芸妓さんにも愛用されていたようです。
【紹介項目】
(最終訪問 2021年1月16日)
四知堂のディナー
レストランフロアは余裕のある空間使いで、天井の高さと吹き抜けがその広さをより強調。シックなデザインに油問屋だった頃の趣がマッチしています。
●四知堂ディナーコース(税別5000円/1人)(入店時間18:00〜20:00、予約は1グループ4名以下で可能)
季節の鍋料理を中心としたコース料理で、1月2月のメインは紹興酒ベースの鶏鍋です。
・前菜盛り合わせ
キャロットラペ金柑、大根餅、海老湯葉巻き
・野菜の紹興酒鍋
タアサイ、ブロッコリー、椎茸、舞茸、ナツメ、干湯葉、金美にんじんなど、彩り豊かな野菜鍋です。ベースの調味料は紹興酒ということで余韻に旨味はありますが、クセやしつこさもないあっさり味で、野菜やきのこの美味しさを引き立てます。
沙茶醤(サーチャージャン)、腐乳ダレすり胡麻、辛味噌、パクチー、針生姜などの調味料と薬味で味を変えながら。
・白湯(パイタン)鶏鍋
今ほどの紹興酒鍋に、白湯と香辛料の八角や青山椒などを加えた鶏鍋です。味わいに品と妖艶な風味がプラスされ、味の方向性がガラリと変わっています。
鶏モモ、手羽先、鶏団子たっぷりです。
・台湾麺線
鍋の締めは、台湾のソウルフードの一つである麺線。そうめんのような細い麺で、台湾ではとろみのあるスープで煮込んであり、同店でも鍋のスープで煮込んで提供。レモンを添えることで、酸味がキリッとしつこさを切ってくれます。
・仙草ゼリー
台湾の定番デザート。仙草は健康や美容効果も期待できることでも有名で、少し個性的な味わいで、見た目の印象とは異なりスッと清涼感があります。健康的なおいしさ。
・金萱茶(きんせんちゃ)、自家製 雪Q餅(シュエキュービン)
最後は台湾のお菓子「雪Q餅」と金萱茶を。
雪Q餅は、雪のような見た目で、台湾でモチモチ食感という意味の「Q」に由来しています。クッキーのようにサクっとしていますが、ねっとり感もあり、ほろほろと甘さが立ち上がってきます。美味しい。
四知堂のテイクアウト・イートイン
営業は朝9時から夕方の16時まで。レストランフロアではなく、お店手前のフロア(本来は待合で使うのであろう場所)に、簡単なイートイン用のイスとテーブルを設置してあります。お店入ってすぐにレジがあり、ここでオーダーと清算をまず済ませ、番号札を受け取って待つというスタイル。
メニューは、魯肉飯(ルーローファン)や鶏肉飯(ヂィローファン)、台湾バーガー、デザートの豆花(トウファ)などと、分かりやすい台湾グルメ一色。
●台湾茶 コールド(金萱茶) (360円)
●台湾粥(600円)
干しエビなど魚介系の旨味が濃いめに効いており、そこに針生姜やコリアンダーがアクセントになっていました。具はアサリや鶏肉、さつまいもまでゴロゴロと。ポーションは多くはないので、小腹満たしの軽食や朝食に良いと思いました。体も温まって良いですね。
●割包(グァパオ)(480円)
ふかふかの蒸しパンにとろとろに煮込んだ能登豚の角煮を挟んだ台湾バーガー。軽食にGOOD!!
●胡椒餅(200円)
熱々焼きたて。餅というネーミングですが、小麦の皮で包んで焼いてあるのでパイのような感覚です。ぎゅっと詰めてあるひき肉には胡椒をしっかり効かせてあり、痺れと風味にそそられて食べ出したら止まりません。