「Acetaia del Cristo」イタリア モデナ|Acetaia del Cristo, Modena Italia

創業1849年、モデナで伝統的なバルサミコ酢を製造する「Acetaia del Cristo」さんを見学させてもらいました。


スーパーに並んでいるものはキャラメルで調味したり香料添加で60日で出荷する商品がほとんどですが、DOP伝統製法のバルサミコ酢は初出荷できるまでなんと12年かかります。同醸造所では、葡萄も自家栽培。葡萄を育てて収穫し、絞って葡萄ジュースを作り、酢酸発酵させて長期熟成します。

600リットルの葡萄ジュースは、火入れをしてまずは300リットルに凝縮させ、セメントタンクでアルコール発酵。糖度は30%でアルコール度は10度に。さらにステンレスタンクに移して3度で春までキープし、木樽に移し替えられ長い時を過ごします。


この木樽での熟成に職人技があって、マトリョーシカのように大きさ違いがズラッと並べてあり、蒸発で減った分を小さい樽へと段階的に足していきます。



ちなみに伝統製法で造られたバルサミコ酢は、決められた瓶にお役所が瓶詰めするため、本物かどうかが一目瞭然です。なるほど!私も見分けられるようになったので、一つ賢くなりました。


味わいの違いは明確で、芳醇でどっしりコク深さあり、風味の広がりも素晴らしい。
25年間以上熟成したもののみにつけられるのは「エキストラ・ヴェッキオ」という称号。
100年継ぎ足しのバルサミコ酢まで特別にテイスティングさせてもらいました。余韻まですごかった!

歴史まで味に溶け込んでいる、この尊さや価値をなんと表現すれば良いのか。

長い時を静かに過ごし、じっくりと円熟味を増してゆくバルサミコ酢。熟成庫は時の流れ方が違うようでした。

ACETAIA DEL CRISTO – Tradizione Balsamica dal 1849
Società Agricola s.s. Via Badia, 41/A, 41030 San Prospero (MO), Italy