「虎白」東京 神楽坂|Kohaku, Tokyo JAPAN

(訪問日 2021年3月13日)

神楽坂にある日本料理店。2016年から2021年まで、6年連続でミシュラン3ツ星を継続しています。
店主の小泉瑚佑慈さんは「神楽坂 石かわ」さんで研鑽を重ねられ、2008年に虎白をオープンされました。同店の特徴として挙げられるのは、キャビアやトリュフやフォアグラなどを取り入れていることですが、尖った奇抜さはなく着地が和。違和感なくスッと和食材に調和させて味の幅を広げていることに驚きがありました。さらに全体を通して流れを壊す料理がなく、安心感が心に刻まれました。“心地良さ”や“調和”というのがとても印象的です。




●出汁
フグ鰭と帆立貝柱の出汁がまず最初の一品。鰭酒を思わせるあの香ばしさに、バランス良く帆立貝柱の個性が調和しています。ボリューム感のある骨太な旨味の余韻。

●太刀魚、黒トリュフ
太刀魚のフライは中がほわほわ。昆布塩と黒トリュフの相性に驚きで、相乗的に風味が広がります。黒トリュフと聞いて想像する豪奢さがなく、品よくまとまっていました。

●蛤
肉厚な千葉の蛤を蒸餅米と蛤出汁あんがけにし、中にはカラスミ、滋賀の木の芽を添えて。全てをまとめあげる蛤出汁がふくらみのある優しい味で、余韻の心地良さがお見事でした。


●お吸い物 車海老の真薯
車海老は200度の油を通してから真薯にすることで、車海老の風味を最大限に感じさせます。こういう方向性での表現が新鮮に感じました。そして食感を残して跳ね返す弾力からも車海老を堪能。

●お造り 金目鯛、雲丹
千葉県銚子の金目鯛は炭で焼き霜にして、鰹と昆布と橙の“虎白秘伝の出汁ジュレ”で包み込みます。金目鯛のほちゃほちゃした食感とジュレの口溶けが重なり美味。


●帆立紹興酒漬け
北海道産の天然帆立の紹興酒漬け。ホタテの卵巣が紹興酒に好相性。

●白甘鯛
最高級魚のひとつ白甘鯛は愛媛県八幡浜から。菜の花を添え、蕪みぞれがけに。

●百合根のすりながし
冷製の百合根のすりながしはクリームのように濃厚。そこに塩気を与えるキャビア。ウズラの玉子を割ると、カルボナーラのように深みが増します。

●シャトーブリアン
しなやかなシャトーブリアンは蕗の薹入りの白味噌仕立てのスープで春の苦味を添えて。筍と芹と。

●箸休め
虎白さんの配合で京都の製麺所で作ってもらっているという“虎白麺”を鰹昆布ベースの塩スープで。虎フグ白子を溶かし、クリーミーな味変。


●子持ちヤリイカごはん
炭焼きにしたヤリイカの混ぜご飯に、ふくよかで甘い生姜の香り、蕗のシャキシャキ食感と苦味、木の芽の清涼感を添えて。


●ココナッツ餅、あまおうアイス
蓮根粉を配合したココナッツ餅と、砂糖をほとんど使わずに作ったあまおうのアイスで、イチゴミルクのようなイメージ。