「Logy」台湾 台北|Logy, Taipei Taiwan

(訪問日 2019年12月13日)

台北注目レストランのひとつ。同店は東京神宮前「Florilege(フロリレージュ)」さんの姉妹店として2018年11月にオープン。フロリレージュの元スーシェフである田原諒悟さんが自らの腕を振るいます。ミシュランガイド台湾2020では2ツ星を獲得。「Asia’s 50 Best Restaurants」では2021年に24位で初エントリー。
店名のlogyとは、ミクソロジーやテクノロジーなど「〜学」「〜論」から来ています。

ダイニングはダイナミックなオープンのL字カウンター14席で、厨房のライブ感が間近で感じられます。みなさん心のこもった接客をしてくれるのも心地良い。

コースは全10品。
台湾の食材を使用していますが、食材を立てていて繊細さがあり、味の組み立てに日本料理らしさも感じます。その中に台湾らしさも折り込み、それでいてフレンチという絶妙なバランス。脂肪の旨味に頼り切っていないところが日本料理らを感じたポイントかもしれません。とても心地よく感じました。田原シェフの生み出す“妙”が魅力的で夢中になりました。タイミングや“温度”も大事にされている印象。

個人的に特に好きだったのは、甘鯛と茶碗蒸し、アミューズとホッキ貝。特にシーフード料理が良かった。

アミューズはパンプキンピュレにトリュフをはらり、鰹節と舞茸の出汁。ホッキ貝は仕込みの丁寧さが伝わるし、味の添え方が日本的。柿をソースに。


甘鯛鱗焼きは、口の中で鳴り響く乾いた音にスパイスが重なるが、辛いという印象ではなく、鱗の香ばしさがスパイスの良い風味と共に昇華される。足し算、掛け算なはずなのに、引きの美学も同時に感じる。絶妙な匙加減。

カニの茶碗蒸しは、ビーフコンソメを注いで。ふくよかでいてクリアなコンソメが奥深さと同時に味の輪郭も持たせ、そこにハーブのアイスが青い風を吹かせ、さらにカニを持ち上げて存在感を持たせます。


今後も楽しみな一店。また行きたい、また行くべきだと思っています。
(その他、写真ギャラリーとして)