「TEATON」360度がハイセンス。加賀市にある会員制のティーサロン。オーナーの美学が詰まった空間、一線を画する美味しさ。

料理: 8.0 その他: 8.5 ポイントについて
TEATON (てぃーとん)
営業時間 ※会員制
定休日 火曜 不定休あり
価格帯 2000円〜5000円
訪問回数 44回

小松空港からアクセス車で10分ほど、大通り沿いの田んぼが広がる場所に、ふと、ただものではないオーラを放つお店を見つけます。
ここは「TEATON」とう名のティーサロン(2020年7月オープン)で、オーナーの坂矢悠詞人さんが惚れ込んだ紅茶とグルテンフリーのスイーツを提供しています。私はカフェというジャンルはあまり探究しない方ですが、こちらは心から感動があった一店。何から何まで凄かった!

同店は「北陸・トップ100レストラン」に選ばれています。
↓写真をクリックすると内容を見ることができます。


入店するには会員登録が必要で、会員になるとICチップ入りのカードがもらえます。カードを入り口にかざすと扉が開くというシステム。カードは透明な紅茶色というのもこだわりが強く感じられます。
ちなみに会員募集は月1,2回の限られた日に行っているそうですが、現在は募集を締め切っているそうなので、難易度高。訪れるためには会員になっている人に連れて行ってもらうしかないということになります。
私は幸運にも募集日に訪問し、会員になれました。

お店は、世界の良きものを体感し審美眼を持つ坂矢さんが構想する、独創的な世界観をそのまま具現化した、大人の夢が詰まった場所です。空間造り、調度品から食器、自然光の取り方から緑の見せ方まで、全てにオーナーの美学が詰まっています。

謎に包まれた感じもまた同店の魅力だと思いますので、多くは語らないでおこうと思いますが、メインダイニングの奥には秘密のお茶室があり、さらにはツリーハウス、井戸、海岸が見渡せる2階テラスまで作ってしまったという。もう、度肝抜かれっぱなしでした。
海と空、緑との一体感。なんだか、ここに居ると夢なのか現実なのか朧げになってきます。不思議な気持ち。尖っているけど心地よい空間。
(※写真撮影と掲載の許可を頂いております。)(※店内の撮影は不可)

ちなみに、同店のお隣は「PHAETON」というセレクトショップ(こちらの方が創業は先。2010年オープン)で、お洒落にめっぽう疎い私には語れないハイセンスな洋服や眼鏡が並んでおります。一点一点に職人さんの魂が宿っている。お客さんは国内外から訪れるそうですが、納得しかありません。お客さんもお洒落な方ばかり。

2021/12/25の訪問では、せっかくクリスマスなので、前回PHAETONさんで買ったドレスを着て行きました。雪がちらついてこのドレスが似合う日になりました。お袖の形が着物のようなドレスなのです。

提供する飲み物は坂矢さんが惚れ込んだという紅茶で、メニューには「たとえクスリをきらしても、紅茶はきらすな」というキャッチコピーが。これはチャーチルの「たとえ戦地で弾丸を切らしても、決して紅茶は切らすな」 から来ており、ここからも紅茶へのこだわりとティータイムを大切にする信条が読み取れます。

(訪問回数:合計44回)

TEATONの紅茶

●TEA MILK SOUP 紅茶のスープ
ミルクティーは豆乳を使用しラクトースフリーで、茶葉から香りを抽出しまろやかな味わいに仕上げ、「紅茶のスープ」と名付けられています。

●SOY MILK TEATON’S
ふわふわエアリーなタイプでとっても軽やかで、定番とはまた違った印象。

●Shaked Special Milk Tea
TEA MILK SOUPと同じ茶葉を使用しているのですが、冷たいことで味に落ち着きも出ており、またガラリと味のアプローチが異なります。紅茶のスープと同じくらいこちらも好き。
いちご、ラベンダー風味もあり。

●ハンドロール スプリング ネパール ファーストフラッシュ
ネパールの春摘みの茶葉で、淡い緑色の紅茶です。お湯でゆっくり開いていき、静かに沈んだら飲み頃。

●ニルギリ 南インド
品よく渋みなくクリアで、さらに深みもあってバランス良く、目を閉じて余韻に浸りたくなる。素晴らしい紅茶でした。

●スペシャルトワール(アイス)
紅茶のブルーマウンテンと称されるニルギリ。インドの南部の高地は、年間を通じて涼しく乾燥し、霧が多く、美味しい紅茶が育つ最適な環境なのだそうです。うっとりするような黄金色で、細胞まで染み渡るようなクリアな味わい。

●ハーブティーソーダ
夏にぴったり、シュワシュワ爽やかなハーブティーです。口の中がハーブの鮮烈な風味でいっぱいになります。

パフェ「ファッツ・ラブ」に相性良かったです。

ハーブと組み合わせたアイス紅茶もあるのですが、魔法のような風味使いに驚きがありました。

●カモミールティーソーダ

2022年始(2022/1/7)は、振る舞いとして出してくださったネパールの水出しは、特注の馬上盃で。
九谷焼 錦山窯(きんざんがま)さんで作ってもらったそうです。茶溜まりにはPHAETONの「ふ」、高台内には「TEATON」。こういうこだわりも、さすがとしか言いようがありません。

2023年始(2023/1/6)は振る舞い紅茶に加えて、金沢のお正月に欠かせない占い菓子“辻占”も添えてくれました。これは嬉しい。この生地もグルテンフリーにこだわっています。

TEATONの定番スイーツ

スイーツはグルテンフリー、ラクトースフリー、白砂糖フリー。健康志向なスイーツは味に期待をあまり持っていないことが多いですが、期待値を良い意味で裏切る美味しさに感動がありました。こういう美味しさは初体験。

●ウィークエンド
TEATONの定番スイーツの中で1番好きなのを選ぶとしたら、(どれも美味しいので)とても難しいですが、私はこのウィークエンド。毎回食べるたびに、グルテンフリーということに驚いてしまう美味しさなのです。しっとりしていて奥行きに深い甘さがあり、私がいつも飲んでいる“Tea MILK Soup 紅茶のスープ”に相性抜群なのです。
今回は、熊本県で満月と新月の月の満ち欠けに合わせて果物を収穫する「にしだ果樹園」さんのグリーンレモンを使用したウィークエンドでした。“月読み栽培”というそうです。ロマンティック。

●ザ・ロック スコーン
雑穀粉、米粉、葛粉、オートミールを使用した、グルテンフリーのスコーン。一口ごとに広がる穀物の大地の風味、しみじみ立ち上がってくる奥行きのある甘さ。この豊かな味わいに、スコーンに持っていたボソボソのイメージをくつがえされました。豆乳のクロテッドクリーム、自家製ジャムと。

●STP(スティッキー・トフィー・プディング)(2021/12/10、2021/12/29、2022/1/29、2022/2/5、2022/2/11、2022/2/26、2022/2/28、2022/3/10、2022/3/16、more)
1970年代にイギリスで生まれた温かいケーキで、重厚でほろ苦さも魅力です。生地にドライフルーツの搾り汁を加えることで、凝縮した奥深さが出ており、仕上げにかけてくれるウイスキー風味の温かいソースと好相性。余韻に気品があります。こちらも小麦粉不使用を忘れてしまう完成された味わいでした。


●キャロットケーキ
あったら必ず食べる大好きなケーキ。キャロットケーキ大好きなのでいろんなお店で食べるのですが、TEATONさんのはまた独特な美味しさ。しっとりとして複雑な風味が波紋のようにとくとくと広がり余韻する。絶品。紅茶にもぴったり。


●4/4 キャトルキャール
本来は、卵、粉、砂糖、バターを4分の1ずつ使うお菓子。こちらは小麦粉、乳糖、白砂糖を不使用で。しっとりと重厚な生地に、スモモのコンフィチュールを挟んで夏の風味をのせて。とっても贅沢な味わい。

ラズベリーのキャトルキャール

●たぬき
昭和に流行したという「たぬき」というケーキを、グルテン、ラクトースフリーでTEATONが蘇らせました。白砂糖も不使用です。クリっとしたお目目に見つめられるユーモラスなケーキなのですが、その見た目の可愛らしさとは裏腹に、味の本気度に驚かされるやつです。土台のシンプルなロールケーキが、しっとり豊かな味わいで目を閉じて味わいたくなる。このギャップがまた魅力。


●チョコタルト(2022/9/24)

●TERRAZO(2022/4/6)
オーストラリアの伝統菓子「ラミントン」をグルテン・ラクトースフリーで。キューブ状のチョコレートで、ココナッツをまぶしてあります。こちらも定番になりそう。すでに安定感がある。

●トルタカプレーゼ

●シフォンケーキ

●タルト ソニア リキエル(2022/2/5、2022/2/26)
バナナとチョコレートムースのタルト
(私がバナナアレルギーなので解説できなくてすみません。知人が注文したのをバナナ乗ってないとこを少しだけ頂きました。)

●シューアラクレーム(2022/1/13)
レアな一品。シュー生地は、ふわっと柔らかいタイプともカリカリタイプとも違う、膨らみもあるがパリッとしたタイプ。中には、舌触りが絹のように滑らかで、ほちゃほちゃと張りのあるココナッツクリームが入っており、思わずほっぺが落ちる美味しさ。

●レモンタルト(2021/12/10)
TEEATONのレモンタルトはキュンと酸味もしっかり感じられる、メリハリの効いた美味しさ。とろとろレモンクリームと爽やかなレモンジュレの酸味のコントラスト、蜂蜜の奥深い甘さやふわっとミルキーなメレンゲのグラデーションを楽しみながら。

●タルト・タタン(2021/10/25)
クッタリと火入れされており、とろとろだけど煮崩れしておらず味わい深い飴色のリンゴ。グルテフリーだということを忘れる美味しさ。

●アーモンドミルクプリン
牛乳不使用、アーモンドミルクを使ったプリンです。牛乳に期待する美味しさに不足がなく、ふくよかで絶妙なバランスで、固めなのも好み。飾りっ気のないシンプルなスイーツってとても難しいのだと思いますが、素でも魅力が溢れる強くて美しい女性のような味に仕上がっています。

プリン・ア・ラモード バージョンです。添えてあるフルーツが持つ果汁がこのプリンにピッタリで、フルーツをプラスしてあるのに納得。とても良いです。

TEATONの季節スイーツとパフェ

TEATONの季節メニューは味わい逃せない。パフェも驚きで、ここまで完成されたパフェはないのでは?という美味しさです。単にいろいろなパーツを詰め込んだパフェではなく、計算された味わいで、一つの料理として味わえます。

●ベイクドアラスカ(2023/1/6)
北陸の冬の景色にも呼応する雪山のようなアイスケーキです。仕上げには知多ウイスキーでフランベするので、青色の炎が上がって完成。ふわふわのメレンゲが焦げて香ばしい。中は濃緑の抹茶アイスクリームで、キーンと苦味が引き締めて風味が広がる大人の味。紅茶との相性も良くて驚き。


●フランクフルタークランツ(2023/1/6)
花冠のような可愛らしい形も魅力的な、ヴィーガンバターをサンドしたバターケーキです。クラシカルだけどしつこさはなく、ラズベリージャムの可憐な甘さと酸味、キャラメリゼナッツの香ばしさがバターとハーモニーを奏でます。絶品。これはまた名作誕生か。

●モンブラン(2023/1/6、2022/11/14、2022/11/6、2022/11/2、2022/2/28、2021/11/12、2021/10/6)
TEATONのモンブランは本当に素晴らしいです。
幾度も試行錯誤をして完成させたという、完全オリジナルにして完璧な一品。栗の仕込みが丁寧で、滑らかな口溶けと共に優雅な栗の風味が口の中に広がる。味の完成度を高めているのは底のメレンゲで、和三盆のようにホロホロときめ細かく崩れるきび砂糖が夢心地にさせてくれます。アプリコット(野薔薇のときもあり)の酸味も可憐に調和。




●四つ目のタヌキ(4 EYES TANUKI)(2022/11/2)
定番の、いつものたぬきとは違う妖怪的レアキャラで、目が4つ描いてあります。
中はラム酒の効いたマロンクリームで、味わいも妖艶。

●パンプキンケーキ(2022/11/2)
定番のキャロットケーキが、秋にパンプキンバージョンで出ていました。

●MOON MOUNTAIN(ムーン マウンテン)(2022/10/29)
能登栗を使ったモンブラン様のパフェで、”雪化粧を待つ白山連峰と丸い月”というTEATONらしいロマンティックなコンセプト。栗を月に見立ててあります。
パーツは、栗のクリーム、和栗のアイスクリーム、カカオ70%以上のビターなアイスにクッキー、胡桃のキャラメルシナモン風味、カカオニブのメレンゲ、豆乳ヨーグルトクリーム、栗のクリーム。
印象的なのは、能登栗らしいほこほことした和栗の美味しさと、品も持たせつつ重厚で、食感に荒々しさがあり、山を食べるような印象のパフェでした。ビターなチョコレートが味わいを引き締めます。
さらに、栗のチップスを添えて、パフェの重厚な甘さに箸休め的に塩気のアクセントを置いています。
紅茶はブラックドープを選びました。

●PURPLE RAIN(パープルレイン)(2022/9/17)
秋のパフェの一つは、ぶどうのパフェ。
宝石箱を開けたようにキラキラとグラスを彩る大粒のぶどう。
ただのぶどうパフェではないのがさすがで、ぶどうと生姜とバジルという斬新な組み合わせで新しい美味しさを生み出してあります。
クリームには生姜の風味をのせて、ぶどうのジューシーな甘さを引き締めながらスッと整え、さらにバジルの葉を残したゼリーから草原の風味が吹き込むという、段階的な演出。これは初めての味。

●ぶどうショートケーキ(2022/9/17)
ぶどうは生姜シロップでほんの少し軽く火入れしてあり、ぶどうの弾ける甘さに落ち着きと品を持たせており、TEATONのグルテンフリーのシフォンに相性抜群。この絶妙な調整がさすがTEATON。

●PEACH MELBA EXTRAVAGANZA(ピーチ・メルバ・エクストラバガンザ)(2022/8/20、2022/8/12)
今年2022年は、なんと桃パフェが2種類出ました。
「ピーチ・メルバ」は、オーギュスト・エスコフィエが歌姫ネリー・メルバのために考案したデザートとして超有名。
まずは大輪の花ようにグラスにどっしり咲くジューシーな桃と、その上を飾る真っ赤なラズベリーがパッと目に飛び込んできます。フレッシュの木苺は、まるで山から鳥がもぎってもってきたよう。
これは見た目からインパクトが大きいパフェ。

ラズベリーにはラズベリーのソースが射込んであるという一手間あり、ギュッと凝縮した鮮烈なベリー感が野趣に加わります。

シャンティクリームにはローズの香りをふんわり纏わせて。薔薇の女王と称されるダマスクローズの華やかで伸び伸びした香りに、みずみずしい桃がスッと寄り添う。そこに、アーモンドのお花の蜂蜜とアーモンドのアイス、アーモンドのヌガーからの、焦げた香ばしさが咀嚼するごとに広がって横幅を持たせます。
フランボワーズのソルベ、桃のジュレ、ローズシャンティクリーム、アルザスのワインと胡椒とローリエとハイビスカス…。華やかに舞い踊る香りと素朴な大地の風味、くるくると複雑な風味が現れては不思議な調和。
秘密の花園に迷い込んだようなパフェ。
果たして、究極どちらの桃パフェを選ぶかと言われると、究極でもどちらも選べないなぁ。

●すももももももパフェ(2021夏2回、2022/8/12)
待ってましたTEATONの桃パフェ。2021年衝撃を受けてから、その美味しい余韻を引きずって2022年を迎えます。熱望していた桃パフェ。
“すもものパフェ”というコンセプトからは外さずまとまりもある。


まずは、ジューシーでチャーミングな甘さの桃と、ココナッツとカシューナッツのアイスの、ミステリアスでまったりとしたミルキーな味わいがハーモニーを奏でます。さらに、リズムを刻みながら爽やかに持ち上げるミントのクランブル、スモモの茶目っ気のある酸味の効いたソースやジュレが現れる。層を進むと、スモモと桃のソルベ、ヨーグルトソース、桃のコンポートへと、グラデーションを描きながら心地よく味が変化するように計算されています。素晴らしい。

●パッションフルーツのタルト(2022/8/5)
味の組み立てはシンプルにパッションフルーツ直球ですが、最初に感じる夏の日差しのような鮮烈なインパクトが、余韻でもずっと続く、濃厚で凝縮された風味と酸味。爽やかフレッシュで心が晴れるような味わいでした。

●SUMMER HAZE(サマーヘイズ)(2640円)(2022/7/2)
マンゴーのオレンジイエローが目に飛び込んでくる眩しい夏のパフェ。
まずは南国を旅する気持ちにさせてくれる、フレッシュマンゴーの元気ある甘さと妖艶なココナッツクリーム、ライムの爽快感。目を閉じて南の島にトリップしていると、まるで風鈴の音のように加賀棒茶ゼリーのスキッとした味わいがコリアンダーの青い風味と共に吹き込み、「あぁ、そういえばここは加賀にいたんだ」ということに気付かされます。
終わりへ向かって濃度を増すマンゴーとパッションフルーツソースで、気持ちはもうパラダイス。

フレッシュマンゴー、クリーンライム、ココナッツ、レモン、アーモンドミルク、初夏の蜂蜜
加賀棒茶、卵黄、ローストアーモンド、赤砂糖、フレッシュコリアンダー、マンゴー
ココナッツ、マルチニーク産ライム、マンゴーパッションフルーツ

●P . T (PINAPPLE TEARAMISU)(2022/7/16)
パイナップル・ティーラミス。ティラミスではなく、お茶を使ったティーラミスです。
上質な烏龍ティーの風味と透明感に、みずみずしく元気のあるパイナップルの甘さが調和。
爽快な風が吹き込んで体がふわっと持ち上がるような味わい。

●ヌガーグラッセ(2022/7/2)
ドライフルーツとナッツ、洋酒を効かせた大人の味わい。

●チェリーポイズン CHERRY POISON(2200円)(2022/6/16)
初夏のパフェの主役はさくらんぼ。通常さくらんぼパフェというと、可愛らしくて茶目っ気のある味わいに寄せているものが多いですが、ポイズンという名前に納得してしまう、優雅で猟奇的な美味しさでした。そして、このネーミングはTEATONにしかできないですね。
トップには、紅秀峰とアメリカンチェリー、アーモンドのアイスクリーム。中央はグリオットソルベとペルノのアイス、杏仁のメレンゲ、杏仁のゼリー、豆乳ヨーグルトとココナッツのシャンティー。最後は、さくらんぼのお酒“キルシュ”のさくらんぼコンポートで、どっぷりと大人の味わいで締めくくる構成。

さくらんぼの粒は予め種抜きにしてあって、プツリと噛み締めると、ギュッと凝縮された真っ赤な果汁が血のように滲み出して、他のパーツに重なっていきます。全体的にアーモンドや杏仁といった種子系との組み合わせ。種子が秘めたミルキーでふくよかな味わいに不思議な調和をみせるので、なんだこれはという初めての味に夢中になってしまいます。中毒者続出の美味しさ。

●ブラックフォレスト(1400円)
冬の森を表現した、グリム童話の世界のようなケーキ。
さくらんぼはキルシュに漬けてコンポートにして、チョコレートのスポンジに隠します。チョコレートの落ち葉に、雪に見立てた真っ白なクリームをふんわり乗せて。グッと大人で、ミステリアスな味わいの一品。

●ファッツ・ラブ(2022/4/7、2022/4/20、2022/5/6、2022/5/13)
文旦・イチゴ・ローズという斬新な組み合わせにして、最強のパフェ。神がかっている。これはびっくりですよ。
これまでリリースした、桃、無花果、金柑、いちごチョコのパフェは、それぞれ珠玉果実を主役にしていましたが、これは3つの食材が絶妙な均衡で新しい美味しさを生み出していました。
まずが文旦の粒が弾けてピュッと飛び出す繊細な果汁が、イチゴの可憐な甘さに調和。エルダーフラワーの華やかさと、ローズシナモン、文旦ローズと続き、どんどんローズの風味が強調されて行きます。“食べる香水”というコンセプトに納得。


●I’M IN LOVE(アイムインラブ)イチゴパフェ(2022/2/11、2022/2/26)
1ヶ月以上の間、試行錯誤されて味の細かい調整を繰り返して、2022年2月11日にようやくリリースされたイチゴパフェです。発売日のオープン時間に行きました。待ってました!
てっきりイチゴショートケーキ「Delux Short Cake」のような味の組み立て(ココナッツクリーム)をされるのかなと思っていましたが、チョコレートがベースというのは予想外でした。

まずはグラスのトップには、チョコレートソルベとあまおうのフレッシュ。アイスではなくソルベなので、ビターなカカオの重低音を効かせながらもキレがあるので、フレッシュなイチゴと相性良し。
さらに進むと、ココナッツクリームとイチゴのソルベ、フレッシュイチゴ、チョコレートムース、野生の黒胡椒のチョコレートクランチ。ここでアクセントに野生の黒胡胡椒が入ってくるので、ガラッと香りに立体感が出る。ピッと健やかで、かつ妖艶なニュアンス。なんだか、長い間ずっと忘れていた引き出しを開けて、何かを見つけた時のような感覚。知らないのに懐かしいような、アリスの世界に迷い込んだ気持ち。
最後は、ココナッツクリーム、イチゴのソースとフレッシュイチゴ。
イチゴのチャーミングな酸味と甘さ、恋心にとくとくと鼓動が速まるような高揚感と、ショコラショーを飲み終えた時の豊かな充実感の2つの気持ちが交差する不思議な余韻がありました。

●Delux Short Cake デラックスショートケーキ(2021/12/25、2022/1/13、2022/1/29、2022/2/18、2022/2/26)
TEATONのショートケーキが出たと聞けば必食です。
究極でした。夢に見るほど美味しい。
写真で見ると、お馴染みの真っ赤なイチゴと真っ白なクリームのショートケーキですが、実物は結構迫力ある大きさなのです。
トップには三角形の大きくカッコイイ“紅ほっぺ”がドンと乗せてあります。
TEATONのショートケーキにこれは必須。そのため、お眼鏡にかなうイチゴが入荷できない時は出さないそうです。そんな妥協のないところも大好きです。
生地はしっとりとしており少しシックな印象で、そこに酸味のあるとちおとめのイチゴソースが染み込んでいます。クリームは、ふんわり南国の風味が持ち上げる滑らかで優雅なココナッツクリームがたっぷり。
同店らしい、味で記憶に残る三位一体のショートケーキです。

●KUMQUAT SQUAT(カムクワット・スクワット)(2021/12/25)
冬のパフェは金柑のパフェ。艶っとオレンジ色をした金柑がグラスに花を咲かせます。
桃のパフェ、無花果パフェ同様にこちらも味わいの構成やグラデーションが計算されており、スイーツというよりも料理です。
パフェの名前は、“スクワットのようにグラスの中で上下に行ったり来たり”という意味だそうです。
まずは、ビーガンバターのカラメルアイスと金柑のお花畑にウイスキーで風味をプラス。グラスの中腹には、黄柚子・レモン・鬼柚子・カシューナッツ・バニラ。さらに、シナモンのクランブル・赤砂糖・ラム酒・金柑とラムレーズンのジャム・ジビッポという組み合わせ。
いい味を出しているのが柚子の爽やかで小粋な和のテイスト、さらにシナモン独特の妖艶な風味が重低音を効かせているのもいい。金柑の持ち味はそのままに、次々と異なる衣装に着替えていろんな顔を見せてくれるようなパフェでした。

●「FIG DANCE」イチジクのパフェ(2021/10/22,2021/10/25)
秋の新作であるイチジクのパフェです。こちらもまた凄かった!なんとも言い表しがたい美味しさでした。スイーツというよりも、料理の感覚で食べた方が脳の理解が追いつく、細部まで計算し構築されたパフェです。

トップには3種類の珠玉イチジク。イチジクは品質にもこだわり、入手困難なイチジクを早朝に産地に出向いて仕入れているそうです。
そしてイチジクの葉のアイスをトッピングし、イチジクの葉のオイルで仕上げる事で、イチジクの風味がより鮮烈に立体的に伝わります。
お次の層は、ドライイチジクをポルト酒で煮込んだムースで、シックに大人の雰囲気を醸し出します。さらにコンポートのグラニテとイチジクのソルベが、爽やかにそしてエレガントに持ち上げる。グラノラの軽快なリズムに、最後は優雅で品のあるコンポート。それぞれ音階の異なるパーツが、口の中で合わさる事で奏でられるハーモニも絶妙の心地良さ。素晴らしい。

●イチジクタルト(2021/10/22)
ピスタチオと白黒のイチジク、ココナッツクリームのコンビネーション。イチジクはもちろん驚くのは生地の美味しさで、小麦粉不使用というのがとても不思議。サクッと歯切れよく、ホロッと口溶けし、温かなコクが広がる。そして紅茶を導きたくなる美味しさ。

TEATONのお持ち帰り菓子

●パイナップルケーキ
お持ち帰りで購入できるお菓子です。私は東南アジア多いので、パイナップルケーキを食べる機会が多めですが、今まで食べたパイナップルケーキの中で一番美味しい。
ホロっと味わい深く繊細な生地と、ギュッと凝縮されてどこか滋味深さもあるパイナップル餡が、口の中で一体となります。何度も購入しているツボったお菓子。

すべてにおいて妥協がなく、究極をとことん追求されています。

●QUATTRO CCC(クワトロチョコレートチャンククッキー)
プレゼントにもピッタリ。チョコレート、トンカ豆など4種類の大判クッキーのセットです。

●コンゴレ
デイリーフリーのココナッツマカロン。シャクシャクとしたココナッツの繊維感を荒めに残してあって、咀嚼するたびにココナッツの風味と自然な甘さが広がります。

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