金沢の冬の風物詩で“鍋料理”と言えば、主計町の「みふくの牡蠣鍋」と「太郎の寄せ鍋」です。太郎の鍋の提供時期は、秋口の9月から夏前の6月まで。6月から8月は会席料理を提供していますが、やはりみなさん鍋狙いの方が多いと思いますし、寒くなるにつれて太郎さんの鍋が恋しくなりますね。お店は浅野川沿いの主計町の入り口。1階と2階に個室があり、各部屋にコンロの付いたテーブルが設置されています。お部屋は全部で16部屋あるそうですよ。
【紹介項目】
太郎の寄せ鍋
※毎年訪問しているので、過去訪問フォトギャラリーは下部に載せております。
このお部屋は2階の「あやめ」。その名の通り高貴な紫色のお部屋でした。柿が描かれたお軸は人間国宝木村雨山(きむらうざん)氏。
●寄せ鍋コース
・イカの胡麻酢和え
先付として出てくるのは、イカと三つ葉の軸を胡麻酢で和えたもので、ここではこれが定番です。酢の物と言っても、酸っぱさは抑えられておりまろやか。毎年のことながら、この味でまず「あぁ今年も太郎さんに来られて良かったな~」としみじみ。
お酒は、オリジナルの日本酒「太郎」がオススメ。ふくよかでキレが良く、さすがこちらの鍋に相性ピッタリです。その他にも、福光屋、天狗舞、手取川など地酒あり。
さて、ここから寄せ鍋のスタートです。
大皿に盛り合わせた具材一式が運ばれてきます。
お魚は、鱈とアマダイ、カワハギに能登の牡蠣など。そして、下ごしらえ完璧の白菜や銀杏、筍に大根に春菊などのお野菜に、焼き豆冨、えのき、しいたけ、糸こんにゃく。
・2021年10月6日訪問↓(2人前)
・2020年10月9日訪問↓(5人前)
ここから鍋のお世話は100パーセント仲居さんが務めます。1から10までお任せするのが良いですよ。逆に、お客さんが鍋のお世話をしようもんなら・・・(怒られますから。ふふふ)。大人数で行っても全員分がちゃんと均等で盛りつけも美しいところが素晴らしい。割烹着の仲居さんが慣れた手つきで手際よく、そして大変丁寧に鍋を作ってくれます。2017年までは1回、2回、3回と3度に分けて作ってくれましたが、2018年からは1回、2回の2回戦に。これ、いいです。いままでお腹パンパンで締めのおじやが苦しかったですが、これだとちょうど良く感じられました。
自宅でやると煮込んでしまいがちな春菊も、ここではササっと泳がせて仕上げるので、鮮やかに発色し風味も立っています。
そして、具はもちろんのこと、出汁のおいしさは格別。聞くところによると、主として昆布出汁を使われているとのことです。一杯目はまだ優しい味わいで、研ぎ澄ませて味わう感じなのですが、二杯目はより煮詰まってきますから、旨味が濃~くなっていきます。
上品だけど力強くて深みのある旨さで、日本酒が進む出汁でもあります。熱燗がグイグイと止まりませ~ん。
〆のおじやの前には、必ずきび餅が入ります。ほんのり滋味が美味!これ、大好きです。
そして最後は、鍋の残った具を網で取り除きご飯を投入。仲居さんは目を見張ってアク取りします。出来上がったおじやは、一旦火から下ろされ、蒸らしてから提供されます。出汁に魚や野菜などから抽出された旨さがご飯によーく染み込んでおり、余すとこなく太郎の鍋を味わえるというわけ。
これはおいしいに決まってる!おいしさに箸が止まらず、何杯でもすんなり胃袋に入ってきます。
食後は、みかん(もしくはアイスかシャーベット)と太郎ティッシュが運ばれてきますが、これも定番です。
2021年は定番のティッシュに加えて、あぶらとり紙も頂きました。
太郎の単品料理
2019年10月31日訪問で見つけた一品料理です。昨年から提供されているそうです。鍋が3回戦から2回戦になったので、この一品料理も食べられる胃袋のキャパができました。
●かぼちゃ饅頭の餡かけ
●甘海老のさつまあげ
お野菜がゴロゴロ入っていて食感よく、甘海老の風味がふわっと広がるさつまあげです。
その他、イカの黒づくり、干イワシ、ドジョウの蒲焼き、鶏皮とこんにゃくのぴり辛煮などお酒が進みそうなものもあります。
太郎のフォトギャラリー
過去訪問での写真です。
(2019年10月31日)
(写真は4人前)
(こちら↓は2019年1月8日、3人前)
(こちら↓は2018年12月9日、5人前)
(こちら↓は別日の2人前盛り)