「居酒屋87」と東山「鮨やしち」を手掛ける株式会社八七産業の金丸吉人 氏が、2022年5月3日に金沢港いきいき魚市内に「優勝」という名前の立喰い鮨店をオープンしました。同社は「金丸水産」として業務用鮮魚卸もされています。
なんと、プロデュースは石川県が全国に誇るすし店「すし処めくみ」山口尚享 大将です。さらに魚は、料理人から絶大な支持を誇る、能登町の漁師「日の出大敷」中田洋助氏から仕入れます。それを手頃な立ち喰い鮨として提供するという夢のようなお店なのです。
めくみさんは以前から「金丸水産」からも魚を仕入れていたそうで、めくみで取り扱うトップクラスのお魚だけではなく、2番手3番手のものも仕入れることで漁師さんに敬意を示したいと考えていたそうで、三者の思いが同じベクトルを向き、今回の話が具現化したそうです。(ただ、2番手3番手とは思えないとても良いお魚ばかり。大衆魚という意味でしょうね。)
金沢と言えば、回転寿司のレベル高いことでも知られていますが、同店は回転寿司ではなく、目の前で握ってくれる“回らないすし”でスタンディングという切り口も新しい。
高級店では静かな空間ですしに全力集中できますが、スタンディングで市場の臨場感を感じながら食べるので集中力が分散されるため、すしが繊細すぎるとぼやっとしてしまいますが、お米は宮城県のササシグレを使用し、輪郭がしっかり伝わる絶妙な塩梅に炊き上げているし、ネタの構成もメリハリあって飽きさせないし、コンセプトもブランディングもしっかり考えられているなぁと思いました。大衆魚も上手に昇華させていて、美味しさで大満足。
立ち食い鮨のレベルを超えており、店名通り美味しさで優勝しており、「立ち喰い鮨優勝で優勝してきました!」と言いたくなる。
場所は金沢港の「いきいき魚市」場内なので、鮮魚を販売するお店が立ち並ぶ一角にあります。
暖簾をくぐってすぐにカウンターという、このラフな感じもそそられる。
(2022/12/27訪問にて)いきいき魚市内の気温が低いため、囲いが取り付けられていました。中が見えるようになっているので、市場の臨場感も、カウンター内の賑わいもそのまま感じられるのが良いですね。
内装も一新され、シックで格好良くなっていました。
メニューは、「おまかせコース(5000円)」があります。
ふらっと立ち寄ってつまめる「ハーフコース(2500円)」もできていました。さらに料金プラスで追加メニューもあります。
基本的に能登中心に金沢・富山・福井と北陸のネタで揃えてあるのが嬉しい。
お席に関して
席は最大60分の入れ替え制で、場所も遠いのであらかじめご予約された方が良いです。
優勝のInstagram DMか電話(090-1390-8787)にてご予約ください。
①10:00~11:00
②11:00~12:00
③12:00~13:00
④13:00~14:00
⑤14:00~15:00
【紹介項目】
2023年7月30日 イシカゲ貝、のど黒小丼、鰻手巻き
●コース(税込5500円)
アカイカ、白エビ、カジキマグロ、中トロたたき、〆鯖、のど黒小丼、イシカゲ貝、バフンウニ、大トロ、ウナギ手巻き(10カン+玉、味噌汁)
●(追加)余市ムラサキウニ(1500円)
イシカゲ貝は北陸ではあまり見かけませんが、夏が旬で東北などで食べられるようです。
トリ貝のような貝で、色が真っ白なのが特徴的。味は”ホタテの甘みとアサリの旨味”と言われる通りで、トリ貝と同じようなシャクシャクとしたソフトな食感です。
雲丹は結局2種類を。余市のムラサキウニと余市のバフンウニ食べ比べとなりました。
小丼はカニ丼やふぐ丼が出てきたことがありますが、今回お初でのど黒小丼でした。
のど黒の美味しい脂がご飯に絡んで美味しい。
ウナギ手巻きは、刻んだいぶりがっこがアクセントになっていました。終盤のお楽しみです。
2023年5月29日 おまかせコース+追加 とり貝
とり貝が出ていると聞き、5月2度目の優勝をしに来ました。
●すぺしゃるコース(5000円)
アオリイカ、カワハギ肝和え、白エビ、サクラマス、ネギトロ、トラフグの小丼、メジマグロのたたき、バフンウニ、のどぐろ、白子手巻き
(写真は一部)
・カワハギ肝和え
カワハギと肝を和え、軍艦でパクッと。身の甘さに濃厚でピュアな味わいの肝が重なる。繊細な美味。
・トラフグ小丼
トラフグの頬の部位を大根おろしと混ぜて。贅沢を少しずつ味わえるのがいいですね。
・浜中バフンウニ
・のど黒
【追加メニュー】
対馬穴子(800円)、能登ウナギ手巻き(800円)、能登大トロ(800円)、対馬のどぐろ(1000円)、金沢メスの毛ガニ手巻き(1000円)、能登トリ貝(2000円)、北海道浜中バフンウニ(2000円)
追加は、とり貝、能登牡蠣、能登ウナギ手巻き。さらに雲丹は、コース内の浜中バフンウニに加えて、追加で余市ムラサキウニを頂いてダブル雲丹。食べ比べすると特徴の違いが明確でした。
・とり貝
高級食材となった七尾のとり貝。最上級品はすし処めくみさんや居酒屋87に行きますが、小ぶりのものは優勝で食べられます。小ぶりだからこその一枚付けが最高です。同店のコンセプト通りと言える食材使い。
・能登がき
2023年5月7日 1周年記念スペシャルコース+追加
気付いたらあっという間に1周年を迎えた優勝さん。今回は、記念のスペシャルコースをお目当てに訪れました。
1年で大人気店となり、いつも賑わっています。私も嬉しい。おめでとうございます。
●1周年スぺシャルコース(5500円→4000円、5/1〜5/7期間限定)(9カン+たまご、味噌汁)
アオリイカ、白海老、ホタルイカ、メジマグロたたき、サクラマス、毛ガニ小丼、大トロ、のどぐろ、白子手巻き
特にスペシャルなネタは、金沢産のメス毛ガニの小丼・大トロ・のどぐろですが、その他のどれも良かったです。
この時期らしく、白海老とホタルイカも加わっていたし、サクラマスは大トロでとろける身質に目尻が下がりました。
【追加メニュー】
金沢 白ガスエビ(600円)、対馬穴子(800円)、対馬のどぐろ(1000円)、金沢ボタンエビ(1500円)、ボタンエビ・白ガスエビ食べ比べ(2000円)、能登マグロトロたく手巻き(800円)、金沢メスの毛ガニ手巻き(1000円)、能登大トロ(800円)、能登ウナギ手巻き(800円)、北海道東沢ムラサキウニ(2500円)、対馬のどぐろお造り(3000円)、アオリイカゲソいしりバター炒め(500円)
追加メニューはどれも魅力的なので、毎回注文せざるを得ない。珠玉ネタが揃うので、ここからもお楽しみ。
今回は、金沢ボタンエビ、北海道東沢ムラサキウニ、能登マグロトロたく手巻き、対馬穴子を頂きました。
ほんと、立ち喰い鮨のレベルじゃないんよ(すごい!
・北海道東沢ムラサキウニ
・金沢ボタンエビ
2023年1月9日 おまかせコース+追加
2023年の優勝はじめです。市場内も、今がまさに美味しい時期ピークである北陸の冬食材を買い求める人々で賑わっておりました。
おすしは今回特にカジキマグロ・のど黒が印象的でした。
握りの加減もどんどん洗練されており、通うごとにレベルアップしているように思います。
●おまかせコース(9カン、たまご、味噌汁)(税込4000円)
アオリイカ 能登、白子 能登、平目 能登、甘エビ 金沢、ブリ 能登、メジマグロタタキ 能登、カジキマグロ 能登、赤身漬け 能登、ネギトロ 北海道、玉 石川、海苔おみそ汁 佐賀
その他、追加でトロたく手巻きと穴子をお願いしました。
2022年12月27日 おまかせコース+追加
今年5月にオープンしてから5回目の訪問です。2022年の優勝納めに訪問。
ちなみに年末年始の営業は(いきいき魚市の営業に準じて)、2022年最終営業日は12月31日(土)まで。
年始は1月1日(日)〜1月5日(木)はお休みで、2023年の初営業は1月6日(金)です。
●おまかせコース(9カン、たまご、味噌汁)(税込4000円)
アオリイカ 能登、白子軍艦 輪島、甘海老 金沢、ヒラメ 能登、しめ鯖 能登、中トロ 北海道、カジキマグロ 千葉、香箱ガニ小丼 金沢、ネギトロ 北海道、玉(ぎょく)石川、お味噌汁(海苔)佐賀
(写真は一部)
・香箱ガニ
ブランド蟹“かないわ香箱”を使用した小丼でした。カニ身と内子・外子を混ぜながらいただきます。
・ネギトロ
【追加】
この日の追加メニューもそそられるラインナップでした。
●鰤トロ 能登(800円)
能登町の“日の出大敷”さんの寒鰤が素晴らしかった。脂が乗っていますが雑味なく、サクサクとした食感も残してあって美味でした。
●バフンウニ 岩手(1500円)
●トロたく手巻き 北海道(800円)
2022年10月31日 スペシャルコース+追加
ノーマルな基本の「おまかせコース」の他に、「スペシャルコース」(5000円)が出ていたので、そちらを注文。
今回のスペシャルコースがちょっとお高いのは、浜中バフンウニが入っていたから。雲丹の良いものって年々価格上昇しますが、良いものは少しで良いので食べておきたい。(雲丹が食べたい方は、基本コースに追加で注文するよりも、最初からスペシャルコースにした方がコスト的にも良いと思われます。)
●スペシャルコース(10貫+玉・味噌汁、税込5000円)
アカイカ 金沢、ヒラメ 能登、白子 北海道、白海老 富山、イクラ 北海道、サワラ 能登、シャコ 北海道、バフンウニ 浜中、中トロ 北海道、ウナギ手巻き 能登、味噌汁、玉
石川と富山の地物と、北海道が多かった印象です。やはり浜中のバフンウニは良かった。
(写真は一部)
・アカイカ
・イクラ
・白海老
輪郭のある赤酢のシャリに溶け合う、繊細でとろっと甘い甘海老。
・バフンウニ 浜中
濃厚でひんやり舌に当たって、咀嚼するごとに温度が上がって濃厚な甘さも強調されて行く。ピカイチでした。
・中トロ 北海道
【追加メニューお品書き(2022/10/31)】
①能登 ヒラメエンガワ(600円)
②北海道 シャコ(600円)
③対馬のどぐろ(800円)
④北海道マグロトロたく手巻き(800円)
⑤浜中バフンウニ(2000円)
●対馬のどぐろ
表面をサッと炙って、中はうっすら桃色のレア状態ののど黒です。
2022年8月22日 スペシャルコース+追加
今回は、ノーマルな基本の「おまかせコース」の他に、「スペシャルコース」というのが出ていたので、そちらを注文。加えて追加メニューからいくつかプラスしました。
【スペシャルコース(2022/8/22)】
●スペシャルコース(10貫+玉・味噌汁)
赤イカ・ヒラメ・白海老・クエ・イクラ・のど黒・イシカゲ貝・大トロ・ネギトロ・うなぎ手巻・玉・味噌汁
今回も地物がズラリのラインナップが素晴らしかった。
どれも良かったですが、季節もので言うと三枚付の新子と新いくら、イカシゲ貝にも心躍りました。
・赤イカ
毎回嬉しい最初の美しいイカ。細かく包丁を入れて甘さを最大限に引き出し、しなやかで美味。
・白海老
輪郭のある赤酢のシャリに溶け合う、繊細でとろっと甘い甘海老。
・新子
仕込みにとても手間のかかる新子。ここで食べられるなんて嬉しい。
・イクラ
新いくらは北海道ですが、初物を頂ける喜び。鰹を効かせたお出汁で美味でした。
・イシカゲ貝
鳥貝に似た貝で、しなやかな舌触りでシャクシャクとした食感でした。
・雲丹
・のど黒
軽く炙ってレアに仕上げたのど黒。仕上げに乗せてくれる薬味のネギがいい仕事してます。
・ネギトロ
細かく叩いてシャリにこんもり乗せて軍艦にて。口溶けが良くシャリと溶け合う。
・玉
海老すり身を混ぜ込んだふわふわな玉。
【追加メニューお品書き(2022/8/22)】
①能登マグロ トロたく手巻き(600円)
②対馬のどぐろ(700円)
③イシカゲ(700円)
④平目エンガワ(600円)
⑤能登ボタンエビ炙り(800円)
スペシャルコースに含まれていたメニューもあったので、それ以外のネタから、トロたくとボタンエビを追加しました。
●能登ボタンエビ炙り(800円)
内容が充実しているし、質の高い地物が充実していて1つ1つが美味しい。本当に立喰い鮨のレベルではないです。
今回も優勝できました!
2022年7月22日 基本おまかせコース+追加雲丹食べ比べ
今回は、「おまかせコース」に追加メニューからいくつかプラスして注文しました。
【追加メニューお品書き(2022/7/22)】
①能登マグロ トロたく手巻き(500円)
②対馬のど黒(700円)
③金沢あぶりボタンエビ(800円)
④能登産マグロ大トロ(600円)
⑤美国ムラサキウニ(1200円)
⑥余市バフンウニ(2000円)
⑦ ⑤⑥ウニ食べ比べ(3000円)
●おまかせコース
この日のネタは、赤イカ(福井)、甘エビ(金沢)、アラ(輪島)、白エビ(富山)、タコ(輪島)、バイ貝(能登)、赤身(能登)、ネギトロ(能登)、うなぎ手巻(愛知)、玉(石川)、お味噌汁(佐賀)
(↓写真は一部)
・タコ(輪島)
煮タコは軍艦にして。歯が喜ぶソフトな食感に思わず目尻が下がる。
・ネギトロ(能登)
ネギトロは細かく叩いてシャリにこんもり乗せてある独特なスタイルで、口溶けが良くシャリと溶け合い美味。
●能登マグロ トロたく手巻き(500円)追加メニュー
追加メニューの中で最初から目をつけていたやつ。クルッと巻いて、海苔を挟み込んで片側を閉じてくれます。
パリッとした海苔に重なるマグロの旨さとたくあんのポリポリ。
●対馬のど黒(700円)追加メニュー
少し炙ることで脂が滲み出しており、口の中でシャリに溶け合います。
雲丹は他のネタより高めの設定ですが、通常のすし店だと軽く倍はしますので、お手頃と言えます。しかも惜しげもなく乗せてくれていて、それぞれの個性がしっかり伝わる。贅沢な雲丹食べ比べが実現です。
●美国ムラサキウニ(1200円)追加メニュー
●余市バフンウニ(2000円)追加メニュー
2022年5月8日 基本おまかせコース
●おまかせコース
・イカ
細かく美しく包丁を入れ、甘さを最大限に引き出してあり、輪郭の取れたシャリに溶け合います。最初の一貫としてのインパクトもありました。
・鱒 能登
・〆鯖
・能登鮪 漬け
・ガス海老
存在感のある立派なガス海老です。足の早いガス海老を市場で食べるというもの良いですね。
・鮪トロ
・白海老
まさか白海老まで出てくるとは嬉しい。身が小さい白海老は剥き身にするのが大変なんですよね。ねっとりした繊細な甘さに浸ります。
・ネギトロ軍艦
しっかりめに叩いた口溶け良い繊細なネギトロを軍艦として。
・金目鯛
軽く炙りを入れて香ばしさを添え、脂の甘さも引き出します。
・白子
熱々とろとろの白子をシャリと共に海苔に乗せてあり、一口でパクリ。温度と共にミルキーな美味しさが広がる。
・海苔味噌汁
●穴子(300円)追加メニュー
こちらは追加にて。ふるふると繊細な穴子は、手に乗せてくれました。
新名所になることは間違いなし。金沢駅から少し距離がありますが、ここまで来た甲斐があります。
「すし処めくみ」猛々しく端正なすし!精度の高さに敬服。店主山口尚享氏の探求はどこまで続くのだろうか。毎日能登まで出向き自ら調達する珠玉のネタ