京都御所南から富山砺波に移転されたという日本料理店。オープンしたのは2023年5月のこと。
店主は山形県出身の松木和也さんで、女将の茜さんと共にお二人だけで切り盛りをします。
京都では2013年に独立され、オープン間もなくミシュランガイドで1ツ星を獲得されたそうです。
「なぜ京都から砺波に?」というところなのですが、茜さんのお母様が富山市出身というご縁があったそうです。
お店があるのは砺波市鷹栖という場所で、金沢からのアクセスはなかなかハードルが高く(車で行くしかない)、富山の人でも場所を言って分かる人はほとんどいないと思われますし、ご飯を食べに行くのには難易度は高いと言わざるを得ない(代行は来てくれました)ですが、お店はとても立派な日本家屋で、散居村の田園風景にポツンとあるので、到着するとまずその店構えに驚くはずです。内装、しつらえ、空間演出、器へのこだわりが素晴らしい。都会はもちろん富山市内でも実現できませんね。
(感想は総括にて)
お料理は最初から最後の一品まで、滋味と優しさと品を兼ね備えており、見た目は素朴で奥行きのある端正な味わいです。食材が県外産が多かったので、これを富山の地物で構成できたら一気に話題店になりそうだなと思いました。
お酒は日本酒のみならず、ワインリストが充実しているのが特徴的です。となると、飲みたくなるので、オーベルジュ(もしくは近隣に宿泊あり)だと有難いと感じる人がいそうですね。
料亭のような個室での提供というのは、金沢でも今はもう珍しくなりましたから、逆に新鮮な印象を受けました。日本の伝統を引き継ぎ、今に伝えてくれる貴重な一店。
●青ネギと刺身湯葉のしゃぶしゃぶ
最初の一品から優しい。胃袋を撫でてぽわっと広がり、包み込んでくれるような温かさ。
●お吸い物 チャイロマルハタ、小蕪
●刺身 アオリイカ、鯛 淡路
●栗飯蒸し 砺波
●松茸すだち蒸し 松茸 岩手、鱧 淡路
●八寸 筋子、おぼろ湯葉、銀杏、水菜と薄揚げのおひたし など
●大和いも、淡雪塩
出汁を煮含めた里芋を揚げて、雪の結晶のような塩で。品のある味わいに、淡雪塩のほのかな塩味が寄り添います。
●大黒しめじ 丹波、厚揚げ
●舞茸ご飯
●南瓜葛まんじゅう
店名:御料理 樋渡(ひわたし)
電話番号:0763-55-6623
住所:富山県砺波市鷹栖1633
予算:20,000円〜30,000円