パティシエ辻口博啓主宰の「石川美食会」の8回目を2019年3月2日に、香林坊の「DOMINIQUE BOUCHER KANAZAWA」にて開催しました。
今回のコラボレーションは、七尾にあるモダンイタリアン「villa-della-PACE(ヴィラデラパーチェ)」の平田明珠シェフとドミニクの吉田能シェフです。私は日本酒とハーブティーのペアリングを担当致しました。デザートはパティシエ辻口博啓氏×マルガージェラート柴野大造氏のデモンストレーションにて。約50名のお客様をお迎えするため、キッチンもフロアもてんやわんや、開場前の緊張感がバシバシ。しかし完全燃焼できて充実感あり。楽しかったです。
●原木椎茸/鰆
まずはアミューズを召し上がって頂きながら会の始まりをお待ち頂きました。
原木椎茸のスープは平田シェフが担当。能登115のスープで、調味は塩のみで仕上げてあります。びっくりする調和の取れたおいしさに驚き。フィンガーフードは、鰆と蕎麦の実、押し麦、カブのピクルスをお醤油とシェリービネガーで味付けたミニタルト。
○「u yoshidagura 2018」山廃純米無濾過生原酒(吉田酒造店)
乾杯は日本酒で。ですが、最初から日本酒らしいのは疲れてしまうので、マスカットのような香りをもつ軽快な風味を持つこのお酒で。「山廃なのにこの味が出せるのはびっくりだ」とみなさん驚かれていました。今回は生酒で微発泡なのも良かった。お野菜とのマッチングもナイス。
●高農園 畑
平田シェフの一品。能登島のカリスマ農家「高農園」さんのお野菜をなんと42種類も使用したサラダ。それぞれの野菜に合った仕込みがしてあり、例えば根菜は七面鳥の出汁を含ませたり大根はピクルスにしたりと、準備を考えると気が遠くなる有難い一皿。さらに土に見立てたホロホロのやつは、ジャガイモとカカオと赤ワインで作ったもの。盛り付けだけでも少なくとも42、43手間かかるお料理、50人前準備頂きました。ひえー。
●のと115×フォアグラ×能登豚
吉田シェフの一品。3素材使ったテリーヌで、ヤマトさんのかなえ味噌や白ごまといった和で調味したテリーヌ。
○「手取川 大吟醸 古古酒」(吉田酒造店)
能登115のテリーヌには手取川古古酒が持つ旨味を合わせて。3年熟成ですが、古古酒とは思えないライトな飲み口も素晴らしい。ちなみにこの酒高いです(笑笑)
●毛蟹×蕗の薹×菜の花
○ロゼ ド クシノマブロ Rose de Xinomavro マケドニアティミオプロス
手打ちのオレキエッテは毛蟹の出汁で茹でて軽やかに味を添えます。菜の花をピューレ状にしてパスタに和えて。蕗の薹の苦味とドライトマトの凝縮した旨味がアクセントに。
●天然鯛×能登ヒバ×百万石米ソース
○能登山の香り〜能登ヒバ燗〜
平田シェフと吉田シェフの合作である魚のメインに、私の実演酒「能登ヒバ燗」をペアリング。能登ヒバを炙るので会場が木の良い香りに包まれます。
天然鯛はポワレにて能登ヒバの風味付けを施してありますので、能登ヒバ燗との愛称はバッチリ。魚のおソースは石川県の新ブランド米「ひゃくまんごく」のピューレとグリーンピースのエスプーマ。
そこに柴野大造さんのガストロノミージェラートをソース代わりに合わせて。スモークサーモンのジェラートです。
●能登牛
○1996 サヴィニ レ ボーヌ プルミエ ラヴィエール ロベール アンポー
吉田シェフの一品。真空調理した能登牛を赤ワインソースでシンプルに。付け合わせは高農園さんの根野菜。柴野大造さんのガストロノミージェラート、粒マスタードのジェラートを合わせて。
○食後のハーブティーは河北潟の「ハーブ農園ペザン」さんに美食会のためにブレンドしてもらったスペシャルブレンドを準備しました。
また、ノンアルコールのお客様に食中準備させてもらったのは、ペザンさん新作のラベンダー棒茶。これは素晴らしく良かったと思います。そして能登島の薬草茶。さらにお客様におかえりの際にお持ち帰りいただいたお土産は、ペザンさんのハーブティーとサシェ。
●デセール
最後は辻口博啓パティシエ、マルガージェラート柴野大造さんの合作デセールを実演で仕上げてもらいます。柴野さんのジェラートは世界大会で優勝したセロリ×パイナップル×りんごを。辻口パティシエのスイーツはフレーズとフロマージュブランのふわふわ軽い一品。春らしい色合いも素敵です。
また、大樋焼の十一代大樋長左衛門さま、「輪島塗キリモト」桐本泰一さま、「九谷焼鏑木商舗」の鏑木基由さまより、貴重な作品の数々をお借りしまして、会場内に展示させて頂きました。
次回は“和”で企画中でございます。お楽しみに。
「石川美食会」主宰 辻口博啓
幹事:中越透、松本直、中村英樹、葭田護、あすか、増井紀美子