※同店は2018年4月末を持って長期の休業に入っています。
店主の村健太郎さんは、2018年9月から東京の日本料理「松川」さんにて3年の再修行の道を選ばれました。 14年前に志し半ばで地元に帰ってこられたのが悔やまれたこと、また、建物の老朽化もありということですが、ミシュラン2つ星を獲得されて注目が高まる中、なかなかできる決断ではないと思います。村さんの優しい笑顔の裏に強い男気を感じました。(過去の口コミは残しておきます。3年後の再オープンを楽しみにしています。)
富山県で海の幸の贅を堪能したいのなら、海老亭の別館がオススメ。ここは大料亭「海老亭いきいき亭」の “ 新館 ” で、おもてなしもお料理もワンランク上で味わうことができます。ミシュランガイドでは2ツ星を獲得、ゴエミヨでは16.5/20点を獲得。席はカウンターが断然オススメです。目の前で店主の村健太郎さんが腕を振るい、さらにその背景には、大きな岩が鎮座しており、滝が流れているんです。ガラス戸はなく開け放してあって、夜風が頬を撫でてくれそうな開放感です。水が落ちる音も遠くから聴こえ、実に風流ですよ。
【受賞歴】
・「ミシュランガイド富山石川(金沢)2016 特別版」2ツ星獲得
・「ゴエミヨ東京・北陸2017」16.5/20点獲得
お料理はコースのみで要予約。
ディナーコースは1万円、1万5000円。2万円からのおまかせもあり。(※奉仕料10%と消費税は別途)
ある日は、先付に黒部生地(いくじ)漁港の鮑からスタートし、お吸い物は新湊漁港の紅ズワイガニ真薯、お造りは新湊のキジハタや越中貝と地物づくし!さらに、桶をスイスイ泳ぐ庄川の子持ち鮎を見せてくれたかと思ったら、香ばしい湯気が立ち昇る塩焼きで出てきました。白和えには富山県の南部である大沢野のイチジクとシャインマスカットを合わせてあります。
お酒は勝駒を。
・黒部生地(いくじ)漁港の鮑
・新湊漁港のベニズワイガニの真薯
・新湊のキジハタとフクラギ、越中貝
・八寸
・大沢野のイチジクとシャインマスカットの白和え
・加賀レンコンまんじゅう
・庄川の子持ち鮎塩焼き
さらにグラグラと煮えたぎる丸鍋(スッポン用の鍋)にはゲンゲが。ゲンゲは富山湾の水深約200mにいる、ぬるぬるとしたコラーゲン質が特徴の深海魚です。金沢の料理店ではたまにしか出会いませんから、ゲンゲが出てくると富山に来た喜びを感じます。昔は「下魚」と書いてゲンゲ呼ばれていましたが、近年は「幻魚」と書く、おいしさで名前が昇進した魚です。ちゅるんと舌を滑り消えてく妙に、品のあるお醤油ベースの出汁が良く合います。ピリリと黒七味で味わいが引き締まり美味。
・ゲンゲ鍋
・杉原の天然ウナギごはん
水菓子は滑川のピオーネや魚津の洋梨「バラード」で、フルーツも地物産で満足度が高まります。
・滑川のピオーネ、魚津の洋梨「バラード」
・菓子「雁行」
1万5千円のコースには、紅ズワイガニとズワイガニのハーフである「黄金蟹」も含まれますよ。