11月後半からしばらくの間タイに滞在し、レストラン巡りをしていました。
タイの中でも世界の食通から注目を集めているのが、 “Asia 50 Best Restaurants of 2017” でナンバーワンに輝いたレストラン「Gaggan」です。オーナーシェフはインド人の Gaggan Anand 氏で、料理は各国のフュージョン。インドやタイ、日本、フランス、スペインなどが1つの料理の中に組み合わせてあります。コースは1種類で品数は25ほどととても多いですが、もちろんスモールポーションで、ほぼ全てフィンガーです。
実際にGagganを体験できたので、レポートをしておこうと思います。
客席は思っていたよりもキャパが大きい
お店は大通りから小道を入ったところにありますから、看板を見逃さないこと。角を曲がってちょっと行くと、一軒家の立派なお屋敷に出会います。
ここがGaggan。ステキなアプローチを抜けて入店します。ドキドキが抑えられません。
驚いたのがキャパです。1階にはテーブル席のフロアが幾つかあるように見えましたし、2階は12席のカウンターの他に、こちらもテーブル席のフロアが幾つかあります。勝手な想像で30席くらいのレストランなのかと思っていましたが、いえいえ、100席は軽くありますし、トータル150席はあるのではないしょうか。
私は幸運なことに12席しかないカウンター席だったので、目の前で料理がどんどん出来上がっていくライブ感がかなりあり物凄く楽しめました。テーブルだったらまた印象が違うと思います。
カウンターではシェフがデモンストレーションしながら、さらにお客さんと会話しながらお料理をサーブしてくれました。6組(12人)中、同じ国の人は1組もなく、かなりインターナショナルでした。また、シェフたちの国籍もさまざまで、とっても不思議な空間です。
肝心の料理の味は!?
品数が約25もあるのに、1つ1つにコンセプトがあり、器も凝っていて、しっかり作り込んであるのがすごいと思いました。カトラリーを使うものが2つほどありましたが、ほとんど全てがフィンガー(もちろんスモールポーション)ですが、けっこうお腹いっぱいになりました。
カウンター席だったので、客さんが全員揃うまで料理開始にそこそこ待ちましたが、料理が始まってからはスムーズで間髪なく出してくれるので、思った以上に時間はかからず、退屈な時間はありませんでした。
料理は各国のフュージョンですが、日本料理のインスパイヤーがけっこうあり嬉しかったです。例えば、雲丹の手巻き(美味)、中トロ握り、柚子を風味添えで使ったり、抹茶と野菜のスープ(これは正直全然おいしくなかったけどw)なども、シェフが日本にも目を向けてくれていることしっかり感じられました。
ちなみに私が好きだったのは(下記料理の)、④「TOM YUM / KUNG」と⑪「 GIN TONIC / CUCUMBER UNI」です。
気になる予算は?
料金はコース代金が1人5,000バーツ(日本円で17,000円強)です。そこにサービス料金10%と付加価値税(VAT)7%がかかります。さらにここにアルコール料金(と水も)合わさりますから、2人だと日本円で5万円くらいのイメージです。これだけ楽しませてくれて1人25,000円ほどですから、満足感大いにありました。
(バンコク滞在はここでお金を使い過ぎたので、その他はリーズナブルなお店へ笑)
ちなみに予約はインターネットだけでは完了しません。電話とメールでの確認も必要でした。
飲み物はカクテルをぜひ
さすがgagganです、しっかりしたワインリストとソムリエさんがいらっしゃいますが、カクテルがなかなか面白くオススメです。最初カクテルがいい感じだと分からなかったのでワインを注文してしまいましたが、最初からカクテルにすれば良かったかも。
・Thaijito
モヒートではなくタイヒート。レモングラスやライム、タイジンジャー、こぶみかんの実などを使用したタイ風のモヒートです。これがうまい!
・Coconut Lassi
インドのラッシーのココナッツミルク風。軽い飲み口で美味。ビジュアルの南国感も良いですね。台座に使っているのは、もしかして日本の枡???
2017年11月のコース
では私が頂いたコース全メニューです。1ヶ月ごとに内容が変わるので、このお料理はもう食べられませんが参考までに。
(解説は1つ1つするのが大変なので心に残ったものだけ書かせて頂きます。料理名はコース最後に配られるシートまま。)
① PINK ELDER FLOWER / WATERMELON
最初の一品はキラキラと光り輝くジュエリーボックスのようなお料理から幕開け。エルダーフラワーと西瓜だそう。
② YOGURT / EXPLOSION
ちゅるんとしたヨーグルトの中から予想外にピリッと辛いものが。皆から「わ!ナニコレ」と思わず笑みがこぼれます。
③ LICK IT UP / MUSHROOM PEAS
書いてある通り、お皿を舐める料理。「えー、無理~恥ずかしい~」いえ、“郷に入ってはなんとやら”です。味どうこうよりもイケナイことしているハラハラ感が(笑)
④ TOM YUM / KUNG
これが正直一番好きでした。冷たいトムヤムクリームを海老の頭に目の前で詰めて渡してくれます。そして口の中でトムヤムクンが出来上がるという一品。海老が甘く砂糖コーティングされていてパリパリで、徐々に複雑な風味が立ちあがってきます。
⑤ GOAT BRAIN / FLOWER POWER
⑥ EGGPLANT / COOKIE
⑦ CHILLY / BON BON
⑧ IDLY / SAMBHAR
⑨ BANANA / CHICKEN LIVER
⑩ FISH / GRANOLA
⑪ GIN TONIC / CUCUMBER UNI
こちらも好きな料理の一つ。なんと北海道の生雲丹を使った手巻き風の一品。ちゃんと箱入りの雲丹を見せてくれました。雲丹のぽわっと口の中に広がる濃厚な味が、キュウリやライムキャビアなどのキュンキュンくる爽やかな味で持ちげられ、ふっと消えて行く感じが不思議。面白いコンビネーションでした。
⑫ CHOUTORO / SUSHI
⑬ FOIE GRAS / YUZU CARROT
⑭ GREEN VEGETABLE / MATCHA
⑮ PORK / VINDALOO
⑯ SCALLOP / UNCOOKED CURRY
⑰ SHEEK KEBAB / MANGO CHITNEY
⑱ THAI / GREEN CURRY
⑲ SEABASS / BENGALI MUSTARD
⑳ CHARCOAL / LOTUS STEM
㉑ LOBSTER / DOSA
~ここからはデザート~
㉒ BEETROOT / ROSE
㉓ MILK CAKE / RIESLING MUSCAT
㉔ LEMON / CHEESE CAKE
㉕ MANGO SAFFRON / GHEWAR
エンターテイメント性もあり(カウンターだったのでライブ感もあり)、最初から最後まで刺激続きで充実したディナー。お店を後にしてもドキドキの余韻を残してくれました。
gaggan HP: http://eatatgaggan.com/