スーパースイーツ調理専門学校での特別講師の様子です。食べ比べで舌の記憶に残す授業。

今回は、私のお仕事のひとつである「スーパースイーツ調理専門学校」での特別講師の様子を少しご紹介します。
私は食文化を担当しており、授業では味覚や外食文化に関する事を始め、箸、世界のレストランなどを教えています。また、石川県の地元食材をテーマにする回では、石川県農業試験場さんに協力を頂き、食べ比べをしながら授業をしています。

梨食べ比べ 9月

例えば、9月の授業のテーマは“梨”。石川県が16年をかけて育成した「加賀しずく」を解説し、その他の品種、江戸時代のベストセラー②「めいげつ」、明治の③「二十世紀」、昭和の④「豊水」(、平成の④「加賀しずく」)の4種類を食べ比べをしました。

(石川県農業試験場にて↓ 現場で梨を頂いています。)

外観の色・艶・大きさ、切ったときのみずみずしさや色、さらに酸味や甘味などの味などなど、それぞれの違いを感じてレポートしてもらいます。日頃から味を分析しながら食べるのをクセにすると良いですね。

ちなみに、①「めいげつ」は江戸時代、金沢市北町の一左衛門(陶磁器の行商人)が新潟から持ち帰った「日の下」と、前田家が四国から入手し栽培していた梨との掛け合わせと言われています(諸説あり)。大玉で糖度は13ほどと高いですが少し大味。大根のような食感で、昔の品種って感じですね。
②「二十世紀」は青梨の代表格。酸味あり爽やかな味わいで、歯切れよく食感しっかりめ。
③お馴染み「豊水」と④今年デビューした「加賀しずく」は食べ比べると違いが分かりやすい。糖度は13%と同じですが、加賀しずくのほうが甘く感じます。理由は“酸味”。豊水は酸味もあるので、バランス良い味にまとまっており、加賀しずくは酸味ないので甘さがバーンと前に来ます。

りんご食べ比べ 10月

また、10月は“りんご”がテーマで、石川県が育成した①「秋星」の他、②「シナノスイート」、③「千秋(せんしゅう)」、④早生系のふじの4種類の食べ比べをしました。
(石川県農業試験場にて↓)

秋星、深い紅色が美しいですね。そして甘み豊かでおいしい。
生徒は、梨よりも食べ比べの難易度が高かったようで大変だった模様(笑)

サツマイモ食べ比べ 11月

11月は“サツマイモ”をテーマにしました。石川県が種子から選抜育成した①「兼六」、②「高系14号」、③「パープルスイートロード」の3種類を食べ比べしました。これは大きくタイプが異なるので特徴が掴みやすいため、味わいのレポートに加え、それぞれどのような料理にすると良いかという意見をプレゼンしてもらいました。

ちなみに石川県のさつまいもと言えば、「五郎島金時」を始め「かほっくり」や「能登金時」が知られていますが、それらは「高系14号」に属します。「兼六」はオレンジ色が特徴的でねっとりした舌触りと甘さが特徴的なサツマイモで大変おいしいですが、栽培が大変なので、昭和30年代以降に「高系14号」の作付拡大で栽培が途絶えていました。幻化していたサツマイモですが、本格的に栽培の再開が始まっています。そのままでも十分おいしいですし、きんつばにしても美味。