【片折】春:白粉豆腐、かにシュウマイ、のど黒蒸し寿司、稚鮎天丼(27回目の訪問)

「片折(かたおり)」究極の地産地消。研ぎ澄まされた美味しさの先に見える宇宙。もはや日本の頂点のひとつに(※基本的に紹介制)

2024年4月17日で27回目の訪問となりました。この日に食べログをチェックしたら、片折さんが全国一位になっていました。日本を代表する名店が金沢にあって、とても誇りに思います。
片折さんがオープンしたのは2018年5月16日ですから、もうすぐ6周年ということになりますが、今回は【新たな章の幕開け】を感じさせる料理の数々で、新作も多く、一体この宇宙の進化はどこまで続くのかと、驚きがありました。
新顔さんも数名登場でフレッシュな雰囲気。

さらに料理長の木佐貫さんも年末に向けて独立店を近隣に準備中ですが、そのお店は片折大将が準備してあげているという心意気です。この話にもグッときました。

とにかく、料理に新たなニュアンスが加わったことで、さらに面白みが増しておりました。
その一つが、テーマを決めたということ。(でも聞かれないと言わないらしいけど)。
今回のテーマは、「金沢の春の宴」で、なるほどな!というお献立でした。
(多忙に付き解説が薄いところがありますが、すみません。感想は上記総括とさせていただきます。今回も本当に素晴らしかったです!)

●春野菜と甘鯛 甘酢餡かけ
いつも最初の一皿はシンプルに野趣と凄みのある繊細をドンと持ってくる片折さんですが、序盤の一皿で複雑さのある料理を出されていて、明らかな変化を感じました。
ウルイ、コゴミ、三つ葉、蕗の薹で、春の苦味。そして酸味と甘味とホワホワな甘鯛。

●お吸い物 白粉(おしろい)豆富
東くんが毎回目の前で削ってくれる鰹節で作る“命の出汁”はいつも通り素晴らしく、この一口で「今日もありがとう」という気持ちになります。この椀種も今回お初。
純白の白粉豆腐は味わいもそのもので、針独活の瑞々しさと食感がアクセントに。

●お造り ヒラメ、縁側、アカイカ

●和風カニシュウマイ
つる幸初代 河田三朗さんのDNAを継承する、片折さんご夫婦にとって思い入れの深い料理。湯気が立つシュウマイをほこほこと頬張る幸せ。品と繊細を置き、そして情も味付けとする。

●サワラ藁焼き

●メバルバチメ塩麹焼き

●ホタルイカ
活ホタルイカの釜揚げで、ふっくら桜色に湯気が立ち上る。味付けは無しのそのままで、ホタルイカの肝がソースとなり、繊細な身の、そのものの美味しさを伝える。目を閉じて味わいたい。

●のど黒 蒸し寿司

●サクラマスとクレソンの湯葉巻き揚げ、アスパラ
こちらも新作。サクラマスのレア感と、紙のように薄い湯葉のパリパリの対比。

●豆富田楽
パッと目に鮮やかな緑が飛び込んでくる木の芽味噌の豆腐田楽です。風味も鮮烈で、山の緑の風味が口いっぱいに。

●サクラダイ昆布〆、菜の花からし和え、大徳寺納豆、針独活

●お食事
ご飯は氷見のコシヒカリ一等米を使用。こちらも毎回のお楽しみ。
お代わりは3種類準備されていましたが、私は稚鮎天丼を選びました。
海と川の間で上がるものだそうで、その繊細さの中に優しい苦味も寄り添っており、身震いするほど美味でした。

●桜餅
皮は焼き立て熱々で、あんの柔らかさきめ細かさと絶妙に呼吸の合った相性。絶品。