皆さん、金沢新名所の国立工芸館にもう行きましたか?
兼六園近隣、石川県立美術館のお隣に立派な洋館が出来ていることを、通りがかった方々は既に目にしているはずです。「なんだか立派な建物が出来ているけどなんだろう?」「一般の人も入れるのだろうか?」など思われていたと思います。
そう、ここは誰でも訪れて芸術に触れることができる施設なのです。
このページでは、国立工芸館にまだ行ったことがないけど行ってみたい!という方に向けて、見どころのポイントをまとめてご紹介します。
2022年4月5日〜6月19日までの期間は「未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展」が開催されていますので、ぜひ足をお運びください。
(※撮影の時だけマスクを外しています。)
国立工芸館へ行こう!初級編ポイント5つ
兼六園近くを走っていたら、突如現れる映え過ぎる洋風建築にびっくりしたそこのアナタ!私も気になっていました。
この施設は、「東京国立近代美術館工芸館」(皇居北側の北の丸公園)が、2020年10月25日に「国立工芸館」として石川県金沢市に移転オープンしたもので、金沢市に明治期に建てられた2つの旧陸軍施設を移築・復元しています。
明治のレトロな建築美に、明治・大正・昭和・平成・令和へと時を刻むことで生まれた本物の趣きが、なんともロマンティックに感じられます。引きで見るとより一層凄みがあり、圧倒的な存在感です。
夜はライトアップがされていてまた素敵でした。
ここでは「国立工芸館へ行こう!初級編」として、まずはこれだけは押さえて行ったら良いなと思ったポイントを5つ紹介します。
ポイント①
同館は2棟あり、作品が展示してあって皆さんが入ることができるのは、向かって左の展示棟です。
「えー!そうだったのー」と驚きでした。
向かって右側のグリーンとホワイトの館は管理棟で、職員さんたちがいらっしゃいます。
ポイント②
意外だったのですが、今回の展覧会では作品は撮影可能です(一部撮影不可な作品あり)。これは嬉しいですね。
※約束事があるので、必ずこれらを守って撮影ください。
ポイント③
エントランスを入ると、まずは巨大な作品に迎えられます。ここ撮影ポイント。
作家は金子潤氏。私の身長を優に超える、見上げる高さですが、この作品はなんと陶器で出来ているんです。一体どうやって焼いたのでしょうか。陶器のどっしりした温かみと艶、大きさに見惚れる。最初から圧巻です。
(※取材のため近くで拝見しておりますが、通常はガラス越しでの鑑賞です。)
金子潤《Untitled (13-09-04)》2013年 東京国立近代美術館蔵
ポイント④
2階へ続く木造の階段も洋館たる趣があって素敵。明治時代にタイムスリップしたようです。ここも撮影ポイント。
ポイント⑤
展示の作品にはもちろん触れることが出来ませんが、1階に設置されているタッチパネルにて、デジタルで360度立体的に所蔵作品の一部を見ることが出来ます。質感が分かるくらいアップで見られて、角度も変えられるので、高台までじっくり眺められます。すごい。
私あすかが素敵だなと思った作品3点
現在は、「未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展」が開催されています。
人間国宝(重要無形文化財保持者)の代表作から、伝統陶芸の歴史をつくってきた公募展の受賞作・入選作、若い世代を中心とした近作・最新作まで大集合。137人の作家さんの139点の作品が展示されています。
(作品展の様子)
私は、普段は料理屋さんにて料理が盛り付けられた状態で器に触れる機会が多いので、大物の作品がズラッと並んでいるのを拝見するのは新鮮味があります。また、料理屋さんで使われていた作家さんの器に出会ったりと、興奮がありました。
素晴らしい作品がたくさんあるのですが、個人的に素敵だなぁと思った3点を紹介します。ぜひ皆さんも自分が好きだなぁと思う作品を探してみてください。
●井戸川 豊 氏 「銀泥彩磁鉢」(2015年)
料理の脇役にまわることが多いカイワレを、ドーンと主役に据えて描いた作品。まさかのカイワレ登場で二度見しました。
色鮮やかで輝いており、意外性も含めて一番印象的でした。
第62回日本伝統工芸展高松宮記念賞受賞作
●伊藤 東彦 氏 「布目篠文大鉢」(1984年 東京国立近代美術館蔵)
篠(竹の一種)を描いた作品。角度を変えると奥行きが出て、竹藪の茂りに見えます。
初夏の風が吹き込みそうな作品。
第31回日本伝統工芸展朝日新聞社賞受賞作
●古川 拓郎 氏 「釉裏白金彩鉢」(2021年)
吸い込まれそうな艶やかなブルーが美しく存在感あります。シャープなラインが引き締め、未来的であり宇宙を思わせる作品だと思いました。
ちなみに、館内には陶芸に詳しくない方でも親しんでもらえるように用語解説があります。これは勉強になる。
身近に芸術に触れられる街、金沢です。
難しいことは置いといて、素敵な作品に触れたいなという気持ちが大事だと思います。とても豊かな気持ちになりましたし、私ももっと知りたいなと思いました。
ぜひ足を運んでみてください。
「未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展」概要
【開催概要】
展覧会名:未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展
会期:2022年4月5日(火)〜 6月19日(日)
会場:国立工芸館
〒920-0963 石川県金沢市出羽町3-2
主催:東京国立近代美術館、公益社団法人日本工芸会、NHKエンタープライズ中部、北國新聞社
開館時間:9:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜
観覧料:一般 900円・大学生 600円・高校生 300円
【団体料金】(20名以上)
一般 600円・大学生 400円・高校生 200円
【割引料金】
一般 800円・大学生 550円・高校生 250円
※いずれも消費税込
※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金で鑑賞可。
〇無料対象:中学生以下、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)
〇割引対象:石川県立美術館・金沢21世紀美術館・石川県立歴史博物館・石川県立伝統産業工芸館(いしかわ生活工芸ミュージアム)・金沢市立中村記念美術館・金沢ふるさと偉人館の主催展覧会入場券半券、ならびにSAMURAIパスポート(一般のみ)を窓口で提示した方
*新型コロナウイルス感染症予防対策のため、事前予約制(日時指定・定員制)
を導入しています。若干数、当日券もご用意しています。詳細は公式
HP(https://www.momat.go.jp/cg/)でご確認ください。