【YOCO】利賀村のポップアップ専門レストラン。「カーヴ・ユノキ」柚木栄樹シェフの回。山羊のプレゼンが本当に素晴らしかった!

2022年5月に富山県南砺市利賀村阿別当に「YOCO(よこ)」というポップアップ専門のレストランが開業しました。オーナーは、富山市栄町のレストランワイン専門店「Cave l’onde(カーヴ・ロンド)」の店主でシニアソムリエである浅野大輔さんです。
ポップアップイベントは毎週火曜日に週1回のみ開催され、毎週料理人が変わります。それらの料理に浅野さんがペアリングしていくというスタイルです。アルコールはもちろん、ノンアルコールドリンクも非常に考えられていますので、どちらを選ばれていても楽しめます。
YOCOの詳細はこちらから↓

【YOCO】利賀村に2022年5月開業したポップアップ専門のレストラン。富山スターシェフが週替わりで腕を振るう!

2022/5/17に第1回目として開催された際のメインシェフは「ひまわり食堂」田中穂積シェフ。第2回目は5/24に行われたのは「天ぷら小泉たかの」さんの回でした。
私は第3回目として5/31日に開催された「カーヴ・ユノキ」さんの回に参加。
その後は、6/7に「御料理 ふじ居」さん、6/14に「海老亭別館」さん、6/21に「カワズ」さん、6/28に「来人喜人 はぎ原」さん、7/5に「シンポジウム」さんとのコラボで開催予定です。
予約は「Pocket Concierge」から↓
https://pocket-concierge.jp/ja/restaurants/245304

↓YOCO 外観

↓1階 厨房


↓1階 フロア
八尾の神社の御神木である杉の木を使った3mの大テーブルが存在感を放ちます。向こう側の緑が目に優しく、山水の流れにも癒される。

自然に溶け込んだ空間で、室内でもマイナスイオンが感じられる気がする。

↓2階フロア
すりガラス越しに見える山々の緑、モダンなランプシェード、梁の趣、豚皮を使ったオーダーメイドのチェアー、全てに味わいがあります。

今回ポップアップするレストラン、「カーヴ・ユノキ」は、富山の注目エリア岩瀬にあるフレンチレストランです。
オーナーシェフは柚木栄樹さん。同店は、改装期間を設けて劇場型レストランとして2021年8月にリニューアルオープンしました。魚はシェフが自ら毎朝魚津漁港に通い、富山湾から上がる鮮魚を目利きをして仕入れています。
今回は利賀村でのポップアップになるので、カーヴユノキらしさに、ここ利賀村のエッセンスも加えてあり、ポップアップだからこその醍醐味も感じられたとても素晴らしい回でした。特に、今回用に特別に準備してくれた山羊の美味しさとそのプレゼンテーションはガツンと印象に残りました。
柚木シェフとソムリエ浅野さんの本気のポップアップでした。

今回は、まずは2階ダイニングで前菜からメインの魚料理までを頂き、メインの山羊料理は1階に移動して、目の前の炭火台で実演しながら頂く流れでした。


ペアリングドリンクは、利賀村を中心とした食材をメインに置いて複雑に組み合わせてあり、アルコールもノンアルコールも浅野さんの本領発揮と言える素晴らしいものでした。

※下記カッコ内がペアリング情報です。私はアルコールの許容量が少ないのでノンアルを挟みながら頂きました。

●カワハギ コショウソウ
(黒文字&つる人参+スパークリング)

ウマズラハギを神経締めし表面をサッと湯引きし、塩とアルガンオイルで和えてシンプルに仕上げ、鮮度の良いカワハギだからこそできる“肝添え”で。 野生クレソンの一種である「コショウソウ」 で引き締めて。
カワハギは切り身の面の取り方からも個体の大きさを想像させます。弾力ある食感からも素材のポテンシャルがしっかり感じられました。

●岩牡蠣
(Toyama blend+ライム 黒胡椒)

魚津の岩牡蠣に、エシャロットとニンニクで香り付けしたほうれん草のピュレを敷いて。ジュレは生ハムと昆布の旨味濃厚なジュレで、さらに岩牡蠣をパウダーに状にしたものをかけて、口の中で多種の旨味がグラデーションを描きながら調和し掛け算していきます。

●西バイ貝 カリフラワー
(水出しジャスミン茶)

シェフが作り続けている料理の一つで、年々少しずつ変化を遂げています。薄造りの西バイ貝は表面にサッと熾火の香りをつけて香りを纏わせて。生のカリフラワーをスライスしたコリコリ食感にバイ貝が呼応。カリフラワーのピュレ、粒マスタードと。

●真蛸 ズッキーニ ビーツ
(水出しジャスミン茶)

真蛸は神経締めをしてあり、ピンとして力強さを感じさせる状態で。緑と黄ズッキーニに熾火の香り添えディルの風味をうつし、ビーツのソースで。

●山菜の一皿
(自家製蒸留 キノシタ ジン+湧き水ソーダー)

利賀村へのオマージュ。山菜名人の上田明美さんが今朝一番に山奥の“水無”という地区で採ってきた山菜を使った一品。こごみのピュレ・独活ロースト・コシアブラ素揚げ・シャクの花を、優しくてもったりとした満寿泉の米麹あんにのせて。麦芽とナッツで土を表現し、山の景色を切り取ってきたような一皿です。

●海鱒 ウルイ 山椒
(Les Collines de Laure Blanc 2016 -Jean- Luc Colombo)

2キロではあるものの脂がしっかり乗った最高にコンディションが良い海鱒をコンフィにて。仕上げに皮面をパリッと焼き上げてありクリスピー。身は口の中で液体になりそうなくらいとろける繊細さで対比も美味。ウルイ、 山椒、大葉種漬花と。

●エイフィレ
(カモミール茶+シャルトリューズ&セージ 自家製蒸留液)

熾火で焼いたエイフィレを酸味のあるブールブランソースで。軟骨のポリポリとふるふるのゼラチン質と身の一体感を食感に感じながら。

ここからは1階に移動してメインを頂きました。
これは力説したい素晴らしさでした。
神社の御神木を使った3mの大テーブルの上に、木を組んで、珪藻土七輪を置きカウンターが完成。こういう形態にもできるのは強いですね。すしや天ぷらも、シェフが目の前で提供できます。

●黒部 乳飲み仔山羊
(呉羽紅茶&黒豆&丁子&バニラ 黒胡椒+オレンジ)

生後6週間の乳飲み仔山羊を、部位ごとに炭火焼きで食べ比べさせてくれるというスーパープレゼンテーション。焼く前からテンション爆上がりです。これは本当に素晴らしかったですし、利賀村の山奥YOCOで食べるからこそ、より一層美味しさが感じられる料理でした。

ヒレ、モモ、肝臓、胸腺、クラシタ、骨付きアバラ首

どの部位も最高の火入れで提供してくれて、瞬時に食べられるのがやはり最高でした。
苦手意識のある山羊のネガティブな臭みは無いけれど、個性は感じさせつつ聡明な味わいで、力強い生命力に溢れていました。
ヒレは優しくてクリアでミルキーで、その繊細さな美味しさを目を閉じて味わいに浸りました。
モモはジュのソースが塗ってあり、口の中で旨味が溢れてくるようで、食感はあるけどシルキーで繊細。
腎臓はレバーのニュアンスが加わりますが、こちらも清澄で美味。胸腺はグッとミルキーで、クラシタ(ロースの下あたり)はサクサク食感、骨付あばら首は骨まわりの凝縮した旨味が口の中にほとばしり余韻しました。

思わず「美味しい」を連発したくなる、素晴らしい山羊の食べ比べでした。
本当に来て良かった!

●温かいスウィートポテト セイズファームハチミツ
(棒茶 + グランマルニエ&ミルト 自家製蒸留液)

ほこほこと温かいスイートポテト。ハチミツの個性的な甘さを調和させたアイスを添えて。

●藤田農園トウモロコシ
トウモロコシのアイスは、口の中でパッと咲くような力強く鮮明な甘さと香り。最後にインパクトを置く太陽の味でした。

【店舗概要】
店名:YOCO par Cave l’onde(ヨコ)
住所:南砺市利賀村阿別当88番地1
予約は「Pocket Concierge」から
https://pocket-concierge.jp/ja/restaurants/245304
アクセス:
JR高山線越中八尾駅より車で60分
JR城端線城端駅より車で40分
JR城端線、北陸新幹線新高岡駅より車で75分
JR北陸本線、北陸新幹線富山駅、金沢駅より車で90分

店名:カーヴ ユノキ Cave Yunoki
住所:富山県富山市東岩瀬町102 森家土蔵群二番
電話番号:076-471-5556
定休日:月曜

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