七尾の老舗【昆布海産物處 しら井】が閉店してしまう

七尾の老舗「昆布海産物處 しら井」さんが、2023年11月末で閉店されるそうです。

「しら井」七尾一本杉通りにある白井さんの昆布店。毎朝コトコト炊き上げる昆布巻きが絶品!小さい頃からずっと食べてます

地元に根付くお店が、93年という長い歴史に幕を下ろされるとのことで、何かご事情があるのでしょう。
近年は温暖化などによる気候の変化で、天然昆布の不漁が続いていることが飲食業界でも問題視されておりましたが、ついにその影響が表れてしまったのかなと思います。また、「12月の繁忙期にはお客様のご要望に答える事が出来なくなる」とのことだったので、もしかしたら人材不足や後継者不足などもあるのかもしれません(あくまで可能性として)。お歳暮の対応も難しいそうです。

出汁用の昆布はもちろんですが、私の大好物はお店でコトコト炊き上げる「昆布巻き」で、小さい頃からずっと食べていますから、DNAに染み付いています。帰省の際も母が買っておいてくれます。


昆布店のプライドが詰まった逸品で、1年間寝かせた肉厚の日高昆布で鰊を巻き、毎朝鍋で4〜5時間炊き上げています。
地元のお醤油とザラメ砂糖をベースにしており、日本人の舌に馴染むおいしさで、しつこさのない上品な甘さが心をくすぐってくれます。 隠し味に能登の魚醤いしりを使用しているため、一歩踏み込んだ奥深さがあり、極上の旨さがしみじみ余韻を残します。

11月末で食べられなくなるのか思うとショックが大きく、まさか無くなるなんて思ってなかったので、心に大きな穴が空いて立ち直れない気持ちですが、同時にこれまでの感謝も湧き上がります。
そこにあって当たり前のことなんて、本当はないんだよな。

これまで一級品を取り扱って来られて、特に北陸の料理屋さんの命である“出汁”のレベルの高さを守ってくれたのもしら井さんだと思います。文化を守るというのは簡単なことではありませんし、たくさんの人のおいしいに貢献されてきたことも尊いことです。私としては舌を鍛えてもらった気持ちもあり、感謝しかありません。大袈裟ではなく、しら井があったから、私があります。

【店舗詳細】
店名:昆布海産物處 しら井 (こんぶかいさんぶつどころ しらい)
住所: 石川県七尾市一本杉町100
TEL: 0767-53-0589
営業時間: 9:00〜18:00
定休日:火曜

「しら井」七尾一本杉通りにある白井さんの昆布店。毎朝コトコト炊き上げる昆布巻きが絶品!小さい頃からずっと食べてます