「テチュバリ」世界3位エチェバリのスーチェフ前田哲郎氏による凱旋帰国イベント。2019年は白尾海岸で開催!海のテチュバリ

スペイン「Asador Etxebarri(アサドール・エチェバリ)」“エチェバリ”と言えば、世界のFoodieが目指すレストラン。知らない人はいないだろう。「世界のベストレストラン50(The World’s 50 Best Restaurants)」では、2014年の36位ランクインから、13位、10位、6位、10位と年々順位を上げ、今年2019年はなんと3位にランクインしている。オーナーシェフはビクトル・アルギンソニス氏、そしてスーシェフを務めるのは金沢市出身の前田哲郎さんだ。「Tetxubarri(テチュバリ)」とは、前田哲郎さんのお名前と「Etxebarri(エチェバリ)」をフュージョンさせた造語で、哲郎さんが腕を振るう会はこう呼ばれる。サウンドになんだか可愛らしさもあり、一度聞いたら忘れない。今回はその“テチュバリ” in 石川県だ。前田哲郎さんが帰国して故郷でのイベントとなる。2018年夏に行われたのは、白山市の山小屋で行われた“山のテチュバリ”。そして今年2019年は場所を変え、白尾海岸の海の家が舞台、“海のテチュバリ”“テチュバリビーチハウス”だ。聞くだけでわくわくする!プロデューサーは「ゼットン」創業者である飲食業のカリスマ稲本健一さん。そしてサービス総指揮は世界最速でミシュラン一つ星を獲得した「TIRPSE」大橋直誉さん。なんだかすごすぎてすごい!笑


イベントは2DAYS行われ、8月21日は地元のお客さん中心、そして8月25日は県外のお客さんが中心だった(私は25日に参加)。
25日はスコーン!と晴れて最高のお天気でした。それに加え、気分を高揚させてくれたのがドレスコードの“無地ホワイトTシャツ、デニム、ビーチサンダル”の3点セットだ。夏を満喫する準備は整ったぜ‼️と意気揚々とビーチへ向かった。青い海、白い雲、頰を撫でる海風。パーフェクト。両手いっぱい広げて深呼吸し夏を全身で受け止めたくなった。

【紹介項目】
・テチュバリビーチハウスの料理
・テチュバリビーチハウスの飲み物リスト
・テチュバリビーチハウス 写真ギャラリー

 

テチュバリビーチハウスの料理

エチェバリといえば薪焼き。今回の料理は北陸の食材で、哲郎さんの薪焼きのテクニックを堪能。メインの肉(能登牛プレミアム)の前には、シーフードがけっこうな品数出た。素材を読み解き、良さを引き出して昇華させているのがすごい。例えばエビやイカ。海の家で食べるイカ焼きは定番だが(それも好きだけど)、その味をイメージして食べると、一線を画した別物の美味しさに驚く。“場所はカジュアルだが料理は秀逸”のギャップも楽しい。

(↓全料理写真です。私が和食専門なので解説できないものもあります。)
●金沢スイカ / 加賀太きゅうり
スイカの香りは一瞬にして脳を夏モードにパスンと切り替えてしまうのだからすごい。そのスイカを加賀野菜のひとつ“加賀太キュウリ”に合わせドリンクとして。両者の持つ青い風味が絶妙にマッチ。少し塩々としていて暑い日に爽快だった。

●加賀れんこん、白えび / 河北潟 川エビ
衣をまとわせたコロッケに見えるが、油で揚げたコロッケではなく、こちらも薪を駆使したものだ。加賀野菜“加賀れんこん”に白えびを合わせたものに衣付けしてあり、口の中で白えびらしい繊細な甲殻類の風味が立ち上がる。この時期の加賀れんこんは冬に比べて粘性が少ないが、品があってあっさりおいしい。珊瑚朱色の大きな花びらの蓮の花、顔が隠れるほど大きい葉の青々とした蓮畑が思い浮かんだ。

●七尾湾 赤西貝、ツブ貝 / 能登島 ツルムラサキ
軽い薫香がふわりと寄り添う。味の添え方がニクイ。和食で出てくる食材が、表情を変えてそれ以上の美味しさに。

●新湊 ボタンエビ
個人的に一番感動があったのは新湊のボタンエビ。殻をペロッとむいたらほわほわと透明感のある美しい身。しっとりふんわり温かで繊細な食感に浸る。刺身などで食べるのももちろん美味しいがこれはまた違うおいしさで、ちょくちょく食べているボタンエビがこんなに美味しいだなんて知らなかった。それにしても立派なボタンエビだった。この場所だから堂々と手で食べることが許されているのもいい。ビーチハウスの醍醐味だ。

●能登島 アカイカ

●メギス

●羽咋 イノシシのチョリソ

●じわもんの魚と野菜 手取川の吉田酒造店の酒粕をソースに

●プレミアム能登牛 / ツブ貝の肝と茗荷のソース
肉を焼くぞ!となったら全員が焼き台の周りに。能登牛の油がいい感じにこれで落ちるそうだ。豪快だが繊細。哲郎さんの目が光る。


●薪氷 / いちじく
終演頃には美しい夕日が水平線に浮かんでいた。この時間を計算しての開始時間15時だったのだろう。素敵な空間演出だった。その夕日を眺めながら最後にもうひと驚きしたのが、薪の香りのかき氷だ。キーンと冷たくスッとクリアな氷から、ふんわぁりと立ち上がる馥郁たる薪の香り。これは衝撃の新しい美味しさだった。作り方は解説あったが、これは秘密にしておきたい。

テチュバリビーチハウスのワインリスト

アペは平和酒造さん(和歌山県)のクラフトビール、IPAとホワイトエールとビール。海にぴったりなデザインで、瓶からそのまま飲むのが爽快だった。
そのあとはワインでペアリングでしたが、ワインに関して私は詳しくないので銘柄紹介のみさせて頂きます。日本酒は1つ、白山市「吉田酒造店」さんの「手取川」シリーズの山廃がありました。
●Moet et Chandon
●Wilder Saz Pur 2017 / Brand Bros
●Rose 2017/ BETWEEN FIVE BELLS
●Friulano Riserva 2010 / Ronco Severo
●L’arco 2015 / Valpolicella Ripasso Classico Superiore





●手取川 山廃純米大吟醸(吉田酒造店)
石川県が11年の歳月をかけて開発した酒米の新品種“石川酒68号”を使用。2019年8月末現在ではまだ名前も決まっていませんので、石川酒68号という名前で呼ばれています。大吟醸に適するようにつくられたそうです。
吉田酒造店の山廃は、一般的に持っている山廃のイメージである個性的で重厚な味わいを感じさせない。「え?これが山廃なの?」となるグレープルフーツのような果実の風味とスッキリ感があり、さらにこの酒は微発泡で、ミネラルを思わせる味わいあり。少々甘味もある美酒だった。

テチュバリビーチハウス 写真ギャラリー