「日本料理 真営」ひがし茶屋街の路地裏に2022年10月25日にオープン。建物が立派でびっくり!料理は正統派の型にはまらない流れでした

料理: 7.0 その他: 7.0 ポイントについて
日本料理 真営 (にほんりょうり しんえい)
営業時間 18:30〜
定休日 不定休
価格帯 コース22000円
訪問回数 1回

2022年10月25日に東山にオープンした日本料理店。大将の金田充司さんは、大阪や京都で修行されたのち、同店オープン前は金沢「加賀政」で腕を振るわれていた方です。
場所の説明が難しいですが、人気の実力店「ピッツェリア ペルケ」さんに隣接しているので、その裏手と言ったら分かる人が多そう。建物は、金沢市指定の100年以上の歴史ある伝統的建造物。木虫籠の金沢町屋に凛とした白地の暖簾がかかっています。
路地裏ですが、かなり立派な店構えで驚きました。金沢でトップクラスの一等地に、37歳でよくこんな大きいお店を構えられたな〜と感心です(北國新聞の情報参照)。すごい!

店内は、5席のカウンター席と個室が1つ。
テーブル幅をできるだけ取るなど、スペースを最大限広く感じる工夫をしてあって、ゆったり感じられます。黒と和紙を基調として、アンティークのランプシェードを用いるなど、シックでレトロで落ち着きのある空間デザインが珍しい。

お料理は、最初「茶懐なのかな?」と思う流れも一瞬ありましたが、正統派ではなく、型にはまらずに大将の好みで自由にしている感じでした。懐石ともまた異なり、予測できない流れにくずしてあります。

目の前でのデモンストレーションはないので、気の知れた仲間同士で和やかに食事するのに向いているかな。
プレゼン・解説はもう少ししてくれた方が、食べ手も「なるほど」と腑に落ちるところが出てくると思いました。
食材は能登が主体。
組み合わせなど正直アンバランスなものもあったので、より細部を突き詰めたら面白くなってきそうです。
個人的に好きだったのは、お食事の時の卵黄がけで、おかわりしました。
大将が選んだ骨董の器にも注目です。折敷はどっしり迫力ある朱塗りでこちらもカッコ良かった。

価格はちょっと茶屋街価格かな。でもこの建物ならしょうがないかも。

●香箱ガニ蒸し寿司
ほこほこと湯気が上がる温かい香箱ガニの蒸し寿司からスタート。最初に見た目のインパクトある一品の登場です。
表面を外子で美しく覆ってあるので、甲羅に詰めてあるのかと思いきや、下がご飯になっていました。
器は明治の九谷焼。

●お造り アブラメ、雲丹醤油
七尾湾のアブラメが嬉しい。雲丹をたっぷり入れたお醤油で食べさせるのが珍しい。お醤油は数種の合わせ醤油にしてあり、甘めでどっしりしており、雲丹に相性良いですね。

●寒鰤 能登
能登の寒鰤は、ピリリと引き締まる能登の辛み大根と共に。お醤油を上からかけるスタイルで。

●能登うなぎ 白焼
こだわり養殖で有名になった「能登うなぎ」です。水質や飼料にこだわり、ストレスのない環境で育てられ、品質も安定しているし、肉厚で旨味がしっかりしています。特に焼き方が重要で、プロの火入で食べると美味しい食材です。
同店では、1週間脂を回してから炭火で白焼きに。
塩はパウダー状の雪塩でしたが、少し荒めの塩の方が鰻には良さそうかなとは思いました。

●お吸い物 白子
白子は炭火焼きにしてから椀種にしてありました。吸地も変わっていて、鰹節と昆布に鮪節を加えたタイプなので、スッとしているというよりも、甘くて膨らみのある感じ。焼いたお餅を入れたお雑煮のような印象です。

●蕪、フカヒレ、能登牛

●のど黒と柿の揚げ出し

●海老芋
お鍋と聞いていましたが、熱々の香箱ガニあんがかかった海老芋でした。とろみあんで寒い日に体の中から暖まりそう。
海老芋が溶ける柔らかさだったので、やや輪郭が取れていると主役としての迫力が出るかなと思いました。

●お食事
お食事がとても良かったです。ここで再び心躍りました。
お米は能登のコシヒカリと福井いちほまれのブレンドだそうです。炊き立ての艶々で、みずみずしく甘さもあり美味。

特にTKGが最高で、おかわりしました。

●わらび餅
粉雪のようにきめ細かいきな粉をかけた、繊細なわらび餅が美味でした。お抹茶と。