日本の肉割烹の最高峰「よろにく」さんの、麻布台ヒルズ店「YORONIKU TOKYO AZABUDAI HILLS」に行ってきました。麻布台ヒルズが開業したのは2023年11月24日のこと。今回の要注目は、“港区の郷土料理”なる新作!
ご存知オーナーのVanneさんは肉割烹のパイオニアと呼ばれており、よろにく各店ではVanneさん考案のコースが味わえますが、Vanneさんご本人が焼いてくれる回は“幻の席”。かなり貴重なお席です。
そりゃあそうなんです、付きっきりで全部のお肉をプレゼンしながら焼いてくれますから。
感想を一言で言うと、「やっぱりよろにくはすごい!」です。毎回本当にこれに尽きます。
肉を知り尽くていないとできないプレゼンテーションの数々は圧倒的で、うっかり語彙力が吹き飛びそうになります。
珠玉素材や希少部位であるというだけではなく、調理は、温度や食感、風味まで段階的に緻密に計算されています。また、クリエイティブで革命的で、人生初の食感や新しい美味しさがところどころに登場するので衝撃が大きい。
特に衝撃だったのは、
Vanneさん考案の“港区の郷土料理”。
これはやられました!
Vanneさんが名付けた“港区のパセリ”こと春限定の超高級食材である「花山椒」を使ったしゃぶしゃぶは、言わずもがな素晴らしかったのですが(しかもけっこうなボリュームの花山椒でした)さらなる驚きが…。
ちなみに花山椒の旬は春のわずか2週間。手摘みで収穫される山菜で、希少な食材です。
Vanneさんが生み出してしまった新作は、なんと
“港区の郷土料理”こと「花山椒のコロッケ」。
スペシャルコースで個数限定でしか出していないそうです。(花山椒は希少で高価な食材なため数が作れません)
揚げ物なので、最初はその見た目からヒレカツか何かなと思いきや、一口頬張ってびっくり。花山椒をふってあるだけではなく、中から“港区のパセリ”こと花山椒がたっぷりと登場。
花山椒は、なるほど油と相性がいい。脂の厚い熊鍋にも使われるくらいだから、揚げ物に合うのも納得。
とはいえ、そのまま揚げてしまえば香りも色も一瞬で飛んでしまう。そこを、じゃがいものペーストに閉じ込め、衣を纏わせて揚げるという逆転の発想。口の中で花山椒の清涼感がパッと開き、鼻腔へと抜ける。その香りの立ち上がりと広がりが、美しすぎて笑ってしまった。
舌の記憶にもガツンと残る素晴らしい新作。いや、傑作。
これが、「港区の郷土料理」。ネーミングセンスも冴えてる。天才!
アイデアもすごいし、なによりこの超高級食材で試作してみる勇気も普通はないですね。
さすがです。この感動が翌日まで余韻しました。
そして、シルクロース、ザブトンすき焼きトリュフ添え、ヒレカツサンドと言ったスペシャリテの数々はいつも通り精度が高く、今回も最初から最後まで目が離せない怒涛のコースでした。
(「蕃 YORONIKU」東京恵比寿編にも詳細を記載してあります↓)
(↓今回のコース、写真と解説は一部)
●タン昆布、エロタン
タン2種類のアプローチも一つの見せ場。通称エロタンは、ずっと脳裏に焼き付くおいしさ。火を入れた側を内巻きにしてあるので、最初に舌に当たるのが、いつも先入観を持って食べている焼いたタンとは異なり、セクシーで思わず声が出ます。
●ヒレカツサンド
よろにくの代名詞の一つであり見せ場ですが、パフォーマンスと映えだけじゃない、かなり精密に美味しさが計算されており衝撃あります。
美味しさの秘密は、ヒレカツを受け止めるクッションであるパン。ロースターでパンを焼くのですが、かなり丁寧に焼いていて、焦げて毛羽立った部分は包丁で外し、全体を均等に焼き上げることで、サクサク食感が繊細になります。
美しいルージュの、パーフェクトな火入れのヒレカツを挟んで、ソースを塗って、切れ味の鋭い包丁でスパッと一太刀。決めポーズが嬉しい。
カツサンドは厚みがありますが、歯が喜ぶやわらかさで、パンから鳴る繊細な音と、脂の香りとソースのコントラスト、あらゆる要素がひと口に収束し、“ヒレカツサンドってここまで完成された料理だったのか”という発見に変わります。
そして終盤はこれ。Vanneさんは全国のかき氷を食べ歩き研究した、実はかき氷界でも超有名な人です。それがよろにくのかき氷に活かされているので、コースの最後にして“第二波”の感動なのです。
●かき氷 棒茶
前回は抹茶をいただきましたが、今回は棒茶。棒茶ならではの馥郁たる香りと、スッとしていて整う感覚、いいですね。
●かき氷 薩摩しろくま
絶品。ほわほわ綿毛のようなミルク味の氷は、生しろくまと呼びたい。
【店舗情報】
店名:YORONIKU TOKYO 麻布台ヒルズ
住所:東京都港区麻布台1-3-1 ヒルズタワープラザ 3F
最寄駅:神谷町駅、六本木一丁目駅(駅直結)
電話番号:03-5549-4629
営業時間:17:00~、20:15~
定休日:月曜 ※臨時営業または臨時休業となる場合あり
来店は中学生以上(※大人と同じコースを召し上がれる方のみ)
支払い方法:現金、カード
予約方法:OMAKASE, Table Check