【ecoutières(エクティル)】夏の新作続々と。能登島サザエ、柴垣岩牡蠣、新蓮根。鰻のスペシャリテがとても好きです!

「ecoutières(エクティル)」さんの夏メニューのご紹介です。
同店は、2023年6月4日に金沢市北安江にオープンしたフランス料理店で、オーナーシェフはフランスの農事功労章である「シュヴァリエ」も受賞した経歴がある川本紀男さん。店名は“素材に耳を傾ける”のフランス語の造語で、その店名に食材へのリスペクトと生産者の想いに寄り添うという信条が表れています。

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【ecoutières(エクティル)】素材に耳を傾け料理に昇華。2023年6月4日金沢駅西にグランドオープンしたフランス料理店

7月2日の前回訪問から2週間半ほどですが、気候も食材もいよいよ夏本番という感じで、新作が多かった印象です。
前回と同じ食材もありましたが、ブラッシュアップさせたり、調理法や表現を変えたりと、新鮮に感じました。

夏のコース
(メニュー名はお献立のまま、解説は長くなるので一部です)

●「一献」
夏のスープです。アボガドの冷製ポタージュに生姜の風味をふわっと効かせて。
どっしり存在感のあるショープレートは大樋焼。

●アミューズ 出会い
・蟹、蟹ジュレ、キャビア

・能登 サザエ
夏の新作、能登島のサザエのクロケットです。
サザエが予想以上の優しい弾力で、とろけるようなじゃがいもに同調していました。

・人参雲丹
能登島 高農園さんの人参ムースと雲丹

・フォアグラ、おわら最中、金沢 カマス
フォアグラのムースはスパイスととうもろこしケークサレで夏の味。おわら八尾の昆布最中には塩ウニを塗って、茄子のキャビア・ド・オーベルジーヌ(ノリオシェフの定番)を挟んで。カマスはふわっと香ばしさが広がり軽い食感。

●「始まり」柴垣岩牡蠣
柴垣の岩牡蠣は、どっしりしておりピュアな美味しさが人気の珠玉食材。和食では生で出てきますが、これはゆっくりと低温調理してあり、クリーミーなソースに相性抜群でした。

●「父からの伝承」
鰻
シェフのお父様が和食の料理人で、よく作られていた鰻料理があって、そのオマージュです。
鰻は
炭火焼きから、仕上げに薪の風味を乗せて。蜂蜜と赤ワインのソースは、どっしりと深みのある甘さで鰻にぴったりで、セリのオイルの緑の風味が持ち上げます。
シェフは小さい頃からお父さんの鰻の焼を手伝っていたそうで、さすがの火入れ。そのストーリーも味に溶け込んでいて、心に染みる一皿だと思います。これは毎回出してほしい料理。
器はお父様が使われていたものです。

●「夏」庄川鮎
前回も鮎料理が出ましたが、さらにブラッシュアップさせた印象。

まずは炭火で焼き上げて、しっかり中まで火入れをして、薪で風味付け。黒っぽいソースは、茄子の皮と鮎のソースで、ほろっとくる野趣も美味。梅のビネグレットソースも添えて。

●パン
パンは木製のBOXで提供されるのですが、底に温めた石が入っており、ずっと熱々の温度がキープされます。
この日は、とろろ昆布と昆布のパンで、バターには「天たつ」さんの若芽が練り込んであり、海の風味とほんのり塩気にそそられました。

●「大地」蓮根
夏の塩釜焼きは新蓮根で、塩釜にはほうれん草とオゼイユが練り込んでありました。
木槌でコンコンと塩釜を割ると、透明感のある真っ白な新蓮根が登場。

この時期の蓮根は冬と異なり、でんぷん量が少なくてシャキシャキ食感で爽やか。ブールブランソースの酸味が相性抜群でした。

●「山」鶉
近年、鶉料理を食べる機会が減ったので、エクティルさんのコースで食べられるのが嬉しい。
包んであるのは、イカ墨とひゃくまんごく米、鶉のムネとモモ。しっとりと焼き上がっていて、咀嚼すると鶉の旨味エキスが滲み出して、ひゃくまんごくの甘さ、イカ墨のコクの全てが一体になります。
鶉卵黄でコクを添え、柚子胡椒の和の風味と辛味をアクセントに。

●「海からの恵み」能登島カサゴ、水蛸、加賀野菜 打木赤皮甘栗かぼちゃ

●「休息」高農園 赤紫蘇グラニテ

●「渾身」白山猪

●「余韻」高松デラウェア
シェフのご実家がある高松のデラウエアを、1粒1粒実出ししてコンポートにし、涼しげなジュレと共に。

●「饗宴」黒部山羊、桃
桃の優雅でチャーミングな甘さに、ふんわり軽い山羊フロマージュとトロピカルなパッションフルーツが重なります。とっても美味しい。

●小菓子、ハーブティー
バニラクッキー、フィナンシェ、マドレーヌ、抹茶生チョコ、シャインマスカットタルト

フレンチの伝統と和のエッセンスに、さらにシェフのアイデンティティもしっかり織り込んだ料理は、泣かせてくれるポイントでもあり素晴らしいと思います。特に鰻料理の「父からの伝承」は、ファミリーストーリーまで落とし込んだ一品で、スペシャリテと言えるのではないでしょうか。
食材も地元の珠玉食材で、器も地元作家さんものばかりなので、県外からのお客さんも喜ばれるはずです。記念日にもおすすめ。

【作家紹介】
高澤ろうそく 河上真琴(石川)ろうそく台
二俣和紙 石川まゆみ(石川)メニュー
大樋焼 大樋長左衛門(石川)ショープレート
山中漆器 荒川文彦(石川)バン皿
能登島ガラス工房 シャボン玉グラス 高橋真人(石川)お水グラス
アイアンワークスコル 酢馬慶太(石川)カトラリー置き
木工食器 下尾和彦 (富山)
釈永岳(富山)皿
器 
secca(石川)デザート 置皿
高村刃物(福井)ナイフ

【高村刃物製作所】トップシェフが惚れる包丁が福井県越前に。100の工程に魂を込める。木村拓哉さん主演「グランメゾン東京」に登場!

【店舗詳細】
店名:レストラン エクティル ecoutières
住所:石川県金沢市北安江2丁目7-31
電話:076-234-5665
定休日:火曜(祝日の場合水曜)
営業時間:【ランチ】ドアオープン 11:30、コース開始 12:00~
【ディナー】ドアオープン 18:00~、コース開始 18:30~
価格:ランチ(13,200円 税込・サ別)、ディナー(16,500円 税込・サ別)
※8月1日からはランチ・ディナー共に19,800円(税・サ10%別)に変更

【ecoutières(エクティル)】素材に耳を傾け料理に昇華。2023年6月4日金沢駅西にグランドオープンしたフランス料理店