「都市ガス展」つる幸河田康雄さんの料理デモの解説をさせて頂きました。テーマは【人生最高のおもてなし】神回でした!

企業局さん主催の「都市ガス展」、2018年10月21日(日)の「懐石つる幸」河田康雄さんのクッキングデモに私は解説で出演させて頂きました。

つる幸さんは2018年11月末に閉店となりますから(次のお店の詳細などはこちら)、つる幸料理長としては最後のステージでした。こんな記念すべき会に立ち会うことができて心から幸せに思います。さらに「片折」女将の片折裕美さん(元つる幸さん)も出演。
テーマは【河田料理長の人生最高のおもてなし】で、そのテーマにふさわしく内容は凄みのあるもので、“神回”と言っても良いと思います。河田さんのお料理を一言で言うならば、“精度の高い仕事の上に意表を突くサプライズがのったお料理”ですが、このデモでもその連続でした。

通常クッキングデモでお料理を作る場合、1品か2品、もしくは3品といったところですが、それでは河田さんが思い描くストーリーが完成しないということで結局7品(お料理5品+デザート2品、さらにプラス食前酒1つ)をお作りになりました。無駄な動きなくスイスイお作りになるので、どんどん出来上がります。目が離せない。お見事!としか言いようがありませんでした。

今回のお料理はこちら。(デモでは出来上がったお料理から順番に実食しました。)

まずはポンッと良い音がしたと思ったらドンペリが空いていました。なんという贅沢な幕開けでしょうか。自家製ザクロシロップと割って食前酒に。それと共に、立派なアスパラガスを器に橋掛けたお料理が登場。つまんで黄身酢をつけて。
マグロは目の前で桜チップで瞬間スモークにしアボカドと大和芋がけで。燻製中は会場内に豊満な燻製香がふわりと広がりました(ところが火災警報器まで作動しちゃいましたが笑)。そのおかげでマグロは食べた瞬間にスモーキーフレーバーがぶわっと広がり、脂もふんわり持ち上げてくれました。
そして立派な立派な能登松茸が登場。拝めるだけでもありがたいほどの立派なものでした。が、これを豪快に割いていきます。さらに活アワビが登場。殻から外してスススと包丁を入れて鍋の中へ。なんとこれらはアサリ出汁でしゃぶしゃぶに。松茸は一番良い状態のところで上げてあるので、食感シャクシャクと良い音だこと。口の中で鳴り響く幸せ。アワビとアサリの旨味に松茸の風味も合わさった目眩がするほど美味しいスープでした。
お次は香箱蟹の登場。サクサクサクと小気味好い包丁の音がしたと思ったら、こちらもあっという間に香箱が捌かれていました。そのまま頂くのではありません。なんと真薯にして中に蟹味噌を注入して揚げ物に。アッツアツをあんがけにして。中の蟹味噌がソースの役割を果たし、濃厚な美味しさと潮騒を添えます。ああ、おいしい。
そしてお食事にはつる幸の厨房で作られている名物カレーが登場。これはお取り寄せ商品として販売されているのですが、殺到して購入できない状況です。伊勢海老などから出汁を取っているだけにベースがとっても骨太。そこにトロピカルな味わいも発見できます。やわらかーい能登牛がごろごろのった贅沢なカレーです。
最後にデザートは2品。「ひみつブリュレ」という名前のブリュレはなんと松茸入りでした。ブリュレの焦がしの香ばしさに松茸の風味が絶妙に調和していて驚きがありました。「アールグレイのくずきり」はこれは新しいスペシャリテになるのでは?という新しいおいしさが完成されていました。お紅茶の優雅な風味と冴えた味が和の甘さに非常に良いマッチングでした。

河田さんはやはり“記憶に残るお料理”を作られることに長けていらっしゃいますね。しばらくは今日のお料理の余韻に浸っていそうです。

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