「金沢に来たら絶対行きたい」と人気を集める最強居酒屋。特に北陸新幹線金沢開業後からは観光客の行列ができるようになりましたが、地元リピーターの多さが信頼度の高さを証明しています(2回転目、3回転目を狙えるのは地元特権かもしれません)。それもそのはず、質にこだわった地物の鮮魚料理をはじめ、酒蔵さん直の地酒、五郎島金時や金時草などの加賀野菜メニューが目白押し。
創業は1988年。カウンター越しの調理場では、大将の石黒格さんはじめ、お弟子さんたちが修練された腕前を惜しみなく披露しており、ライブ感たっぷりというのも人気の理由。片町のお店がどこも空いている悪天の日でも、このお店だけはいっぱいという超人気店です。
いたるの代名詞はドーンと登場する木桶盛りのお造り。インパクトあります。刺身の引き方も豪快です。
水ダコ、鰤、甘海老、ヒラメ、さわらなどなど、どこから食べていいやら迷うくらい。富山の新湊と能登の宇出津から仕入れた鮮魚を思う存分堪能できます。
のど黒塩焼き
●天狗舞 蔵出しミニタンク、付き出し
ここに来たらぜひこのお酒を。石川県の銘蔵、天狗舞「車多酒造」さんの蔵チョクの酒。瓶詰めをしていないというところが最大の特徴で、蔵のタンクから飲む感覚で楽しめます。フレッシュな飲み口は格別です。ここでしか飲めませんからぜひどうぞ。
いたるの付き出しは、出汁で煮た梅貝が定番。
(何度も訪れているので、料理は季節順不同で)
冬のいたる:酔っ払い蟹、カニ、寒鰤
参考までに冬のカニと寒鰤のメニューを載せておきます。
【いたる本店冬のかに料理 2024バージョン】※日によってお値段の変動があるかもしれません。
・香箱ガニの面盛り(2640円)
・香箱ガニの酔っ払い蟹(2750円)※11月15日より提供開始
・香箱ガニの丸ごとカニ飯(2750円)
・紅ズワイガニの面盛り(2640円)
・紅ズワイガニの甲羅みそ焼き(2750円)
・紅ズワイガニ丸ごとカニ飯(2750円)
・本ズワイの茹でガニ(16500円)
・本ズワイの味わいずくし(1杯を、刺身・焼きガニ・蒸し焼きで)(17600円)
冬のぶりメニュー
・ブリ刺身
・ブリとろ刺身
・ぶり大根
・ぶりカマ焼き
・ぶりシャブ
・ぶり巻寿し
・かぶら寿し
●香箱ガニの酔っ払い蟹(2750円)※2024年は11月15日より提供開始
香箱蟹の解禁を待って仕込まれる、冬にしか味わえない珍味です。
生の香箱蟹を日本酒で酔っぱらわせるようにして作るので、この名前が付いています。日本酒は、天狗舞の山廃仕込純米を使用。その他の調味料と共に1週間以上漬け込みます。
箸でひとすくいして口に入れると、深みのある妙味と芳醇な味わいが口中に広がります。これにはやっぱり天狗舞の山廃仕込純米を合わせたい。ぬる燗がベスト。
相性完璧で、お酒も蟹も止まらず、気付けば頬が真っ赤な“酔っぱらい”に。
ご飯を少しもらって、オンして食べたらまた美味しい。
今年も食べられて幸せでした。
短い期間限定の美味なので、ぜひ食べ逃しなく!
●寒鰤の刺身
冬の王様食材、寒鰤。今回の鰤は12キロの大物でした。箸にずっしり重みを感じる厚みを持たせた引き方で、口の中いっぱいに北陸の冬が広がりました。ちょうど雪が降り始めた金沢の景色にもマッチ。砂ずりの部位は、鮮度が良いからこその食感と上質な脂の口溶けが絶妙です。
(2022/12/15、2人前)
この日も外は雪模様でしたが、雪がしんしんと降る中で寒鰤を味わうというのはいい風情。北陸の贅沢!
(2022/1/18、1人前)
(2021/1/9、1人前)
雪が多いため脂も良い状態で入りコンディションが良くとても美味しかった。
●鱈白子昆布焼き(2022/12/15)
鱈の白子を昆布の上に乗せて焼いた松前焼きは、酒の肴としても最高。うっすら狐色に焦げた表面は香ばしく、白子のミルキーなうまさに、お醤油と昆布の旨味が重なり美味。ああ幸せ。
●鰤モツ(2022/1/18)
甘辛く味付けしてあり、酒のアテにピッタリなやつ。いろんな部位の食感の違いも良いです。
●ふぐ松前焼き(2022/1/18)
能登ふぐは昆布に乗せて焼いて、うっすら旨味と塩気を乗せて。日本酒が進んでしょうがない。
●かぶら寿司、蔵出しミニタンク
●鱈鍋(白子入り)(2022/1/18)
鱈鍋は卓上で固形燃料で温めながらできるという嬉しいやつ。これは冷えた体が芯から温まってきます。白子も出汁で火入れをしてふるふるぷっくら。美味。
●真鱈の寄せ鍋(冬)
寒い日に卓上コンロで鱈鍋、いいですね。薬味入りポン酢につけて、熱々ふーふー。温まりました。
●能登里芋揚げ出し
春のいたる:ホタルイカ、白海老、山菜
●お造り 桶盛り(2022/4/16、2人前)
●ホタルイカ3種盛り(春)
ホタルイカボイル、ホタルイカ酢味噌、ホタルイカ沖漬け
富山滑川であがるホタルイカは、北陸を代表する春の味覚。調理法3種類で盛り合わせて頂き、食べ比べながら堪能しました。
●白えび唐揚げ(春〜秋)
●菜の花おひたし(春)
●若竹煮(春)
●鯛あら炊き
夏のいたる:酔っ払い甘海老、加賀野菜
●刺身桶盛り(2023/7/13)
●のど黒塩焼き(2023/7/13)
●白海老団子(2023/7/13)
●加賀太きゅうり 味噌ディップ(2020/8/24)
加賀野菜のひとつ加賀太きゅうりは酢の物も良いですが、こういう食べ方もアリ。
●加賀れんこんの車麩あんかけ
●金時草の酢の物、岩もずく(春〜夏)
●酔っぱらい甘エビ(2020/8/24)
後記のいたる名物“酔っぱらい蟹”は、カニの解禁と共に仕込まれる冬期限定の珍味ですが、こちらは甘エビで漬けたその名も“酔っぱらい甘エビ”。こちらも天狗舞の山廃仕込純米を使用し、その他の調味料と共に漬けます。カニは3週間ほどかけますが、殻も薄くデリケートな甘エビは数日で程よい頃合いに。甘エビのしっかりした甘さに、天狗舞とお醤油などの味わいが馴染んでおり、かつ、透明感ある味わいも残しており美味。天狗舞が進みます。
秋のいたる:秋刀魚
●秋刀魚の塩焼き(秋)
何度も食べたい!定番メニュー
●お造り 小桶
●アジの梅タタキ
●五郎島金時の天ぷら
毎回必ず注文してしまう大好きなメニュー。
カウンターの大皿に並んでいるのですが、注文があると仕上げにもう一度揚げてくれます。一本まるごとですが二度揚げで、中はしっとり、衣はクリスピーでサクサク。うまい。
●金時草酢の物
●だし巻き玉子 明太子
美しいだし巻き玉子はさすがいたるさんです。スピード感、火入れ絶妙でふるふるした柔らかさ。
●げんげんぼうの柳川鍋風
ぷるぷるコラーゲン質のげんげんぼうを卵でとじた熱々の鍋です。
●のど黒 塩焼き、酒蒸し
立派なのど黒は半身を塩焼きに、もう半身は酒蒸しにしてもらいました。「白身のトロ」と称されるだけあって、塩焼きは箸を入れると脂がじゅわっと滲み出します。このシンプルな調理方が、一番魅力を最大限に感じ取れますね。
●ジャーだら麺
人気のシメのひとつ。海苔に胡瓜にネギなどの薬味、肉味噌がトッピングされていて、それらを豪快に混ぜて頂きます。つるっとしたコシがある麺が爽快で、すんなり胃に収まります。
●しめ鯖サンド
トーストサンドに焼き鯖を挟んでしまうという一見奇抜なメニュー。しめ鯖の酸味が不思議にマッチ。
●棒茶アイス金時最中
最中の中には、加賀棒茶アイスと粒あずき入りの五郎島金時のペーストが入っているのですが、予想を超えた最強の相性。棒茶アイスの馥郁たる香りとミルキーなおいしさに、五郎島金時のふくよかな甘さがマッチ。
いたるさんが展開する「のど黒めし本舗いたる」もオススメです。