「L’évo(レヴォ)」谷口英司シェフ率いる究極のローカルガストロノミー。世界に自慢したい富山の秘境レストラン!2ツ星獲得

料理: 9.5 その他: 9.5 ポイントについて
L'évo (レヴォ)
営業時間 チェックイン15:00~、チェックアウト11:00まで
定休日 水曜 8月上旬は夏季休暇
価格帯 【ディナー】20,000円【コテージ】40,000円、50,000円、70,000円、【朝食】3,500円、【送迎】往復6,000円
訪問回数 4回移転後の訪問回数

2020年12月22日に富山県の利賀村にオーベルジュとして移転オープンしたレストラン。「すごいものができるんだろうなぁ」いう予想を遥かに越えて、とんでもなく素晴らしいものが出来上がっていました。
オーナーシェフ谷口英司さんが掲げるコンセプトは“前衛的地方料理”。究極の地産地消を追求するために山奥に移転するという思い入れの強さで、シェフの“妥協をしない”という姿勢もここに強く現れています。計画が壮大で、構想を形にするまでの苦労は計り知れません。谷口シェフが料理人人生をかけて全力で取り組んだプロジェクト。世界に照準を合わせたディスティネーションレストランであり、ここでしか味わえない真のローカルガストロノミー。唯一無二であり唯一無比。この場所で谷口シェフにしか生み出せない料理です。

オーナーシェフ 谷口英司 プロフィール
1976年大阪生まれ。高校卒業後に就職したホテルでフランス料理と出会い、日本国内やフランスで修行。2014年「レヴォ」を立ち上げる。2020年、自らの理想を形にするため、オーベルジュとして「レヴォ」を利賀村に移転オープン。「ミシュランガイド北陸2021 特別版」で2ツ星獲得(2021年5月19日発表)。

「プロフェッショナル 仕事の流儀」での放送も記憶に新しい。
(同店は以前、リゾートホテル「リバーリトリート雅楽倶(がらく)」内にありましたが、2020年1月19日に雅楽倶での営業を終了し移転開業準備へ。約11ヶ月の準備期間を経てついにオープンとなりました。)

レヴォのロケーション・施設

場所は富山からも金沢からもかなりアクセス困難な利賀村にあります。まずはたどり着くまでが冒険。利賀村は山深く、深い自然に囲まれ、道を進んでいくと時折野生動物に出会うこともあります。特に冬は雪深くて、金沢や富山の街にいると予想できないくらいの積雪量です。雪をかぶった山々は神秘的ですが、吹雪くと脅威的です。
アクセス難易度が高く時間もかかりますが、だからこその原風景が醍醐味と言えます。
(水面に鏡のように映る大渡橋と雪山の風景)

敷地には、レストラン棟とコテージ3棟、パン小屋、サウナ棟の計6棟があります。
冬は身長よりも高く雪が積もっていました。スタッフさんが毎日除雪をしていますが、それでは追いつかないくらい降ります。


コテージ

宿泊は1日3組限定。大きなベッドのあるシンプルなコテージ、畳の寝間のあるコテージ、テラス付きのラグジュアリーなコテージと、タイプの異なる3つのお部屋があります(金額は各部屋で異なる)。
私が宿泊したA棟は3つの中では1番コンパクトなお部屋。天井が高く、部屋の中央にはキングサイズのベッドが鎮座するゆったりとした造りで、大きなガラス窓には雪景色が広がっていました。

音もなく空から落ちてくる雪を、ボーっとしばらく眺めているだけで既に数センチ積もっていました。ガラス一枚隔てて厳しい冬山です。

サウナ

サウナーさんの間でも話題になっているレヴォのサウナ。サウナは電気ではなく薪ストーブで、サウナストーンに水をかけるロウリュも可能です。



2021年5月には露天の水風呂も増設されました。山からのお水を引いた水風呂です。


雪が積もっているときはサウナ後に雪に飛び込めます。

ジビエ熟成庫・ワインセラー

レストランのメインダイニングの下には、ジビエ熟成庫とワインセラー、ディジュスティフを楽しむスペースがあります。


メインダイニング

メインダイニングは広いオープンキッチンで、厨房の臨場感がダイレクトに伝わります。



テーブルは、八尾の木工家“Shimoo Design”さん製の天然木材を使用したものです(テーブルの他にも器やバターナイフなどもShimooさん製)。テーブルの引き出しを開けると、城端の松井機業さんの“しけ絹”を使用したメニューとマスクケース、一献用に富山のガラス作家 安田泰三(やすだたいぞう)さんのグラスが入っています。器は釋永岳さんをはじめとする、富山の陶芸家さんや陶芸作家さん、ガラス作家さん製で、以前よりもアイテムが増えています。一つ一つの作品が素晴らしいので器もぜひご堪能を。

谷口シェフのスペシャリテ

谷口シェフを代表するスペシャリテと言えば、まずは「L’evo鶏」が挙げられます。さらに「大門素麺」もスペシャリテとして有名な一品。
また、天然のグルヌイユ(カエル)を使った料理もびっくりする美味しさなので、提供している旬に予約が取れたら幸運だと思います。谷口シェフのグルヌイユは絶品。アズマヒキガエルという種類で、生息するのは利賀村からさらに車で1時間ほど行った”水無(みずなし)”という山深い地区で、シェフはじめスタッフみんなで出かけて捕まえに行っているそうです。シェフのグルヌイユを捌く技術が秀逸で、瞬きする間に完了しているくらいあざやかなんですよね。

●L’evo鶏
レストラン名を冠した谷口シェフのスペシャリテです。
レヴォ鶏はシェフが「土遊野」さんと連携し、満寿泉の酒粕など飼料から指定して育てた鶏です。
中は、鶏モモ肉とムネ肉、熊の脂、土遊野さんが棚田で育てた有機餅米入りで、鶏の皮で包んで焼き上げて、表面は薪の香りを纏わせてあります。中から旨味を蓄えた脂やジュが飛び出すので火傷注意ですが、熱々が美味しいのです。ピュアでいて骨太な旨味が堂々と広がり、さらに咀嚼するたびに湧き出してくる旨味に唸らずにはいられない。
中央のマスタードソースは、もも肉とムネ肉以外の部位から取ったブイヨンを合わせたもので、味わいに寄り添い引き締めます。

●大門素麺
こちらも谷口シェフのスペシャリテ。富山の名産品である大門素麺(おおかどそうめん)を使った一品です。
乾麺として流通する大門素麺ですが、これは半生麺を使用しており、もちもち食感と絶妙なコシ、旨味があります。白いスープは黒部「Y&Co.」さんのシェーブルチーズで、緑のオイルは春に採れたフキノトウ。ヤギチーズとフキノトウという、とても個性的な2つの風味の方向性を合わせておいしさに昇華させているところに感動があります。

ちなみに肉料理の時に出てくるナイフは、高村刃物店製のオリジナル木製ハンドルのナイフです。すごい。スッと気持ちいい切れ味で、おいしさに貢献しています。

ディナー初秋 2021年9月12日(4回目の訪問)

前回訪問から3ヶ月半ぶり、移転後4度目の訪問。季節は秋へと向かいます。
インパクトある新作がいくつかあって印象深い回でした。特に、前回とは趣向を変えてきた月ノ輪熊、そしてスッポン。グルヌイユも今回はソテーでした(前回はフリット)。

●プロローグ
5種類のアミューズから幕開け。赤ビーツのメレンゲとレヴォ鶏レバー、八尾の高野さんの胡麻風味モナカにエゴマと甘鯛をサンド、グジェールは黒部のシェーブルと満寿泉の酒粕。富山湾の白海老を餅米と海藻の海老せんに乗せて。
ギリギリまでどぶろくに泳がせて香ばしく焼き上げた神通川の鮎。


●カマス
富山湾のカマスはフレッシュなものを使用し、表面に燻香を纏わせて。セロリ、赤玉葱、大小2種類のキュウリ、さらにグリーンのキュウリのジュレと魚介の発酵エキスで、キュウリの青い風味と爽やかな酸味が調和した、前菜として置くのになるほどと言える一皿です。

●鱧
鱧から取った涼やかな出汁ジュレに蓴菜や雲丹を泳がせて。
鱧を主役に置く料理ですが、鱧の身は使用せずに、出汁のみを取り入れて存在感をしっかり感じさせるという粋な一皿。大葉のオイル、紫蘇を散らして、じゃがいもとモロヘイヤのブルーテと。


●月ノ輪熊(春)
月ノ輪熊の料理は、冬バージョンと春バージョンがありますが、この春バージョンは、前回・前々回の華やかであっさりしたものから、ガラッと趣向を変えてありました。小熊の胃や腸や胸腺などに、アザミと脳味噌のソースで、クリーミーで重厚な味わいと野生味を、山の青い風味が持ち上げる。山の奥深さを教えてくれたインパクトの大きい一品に。熊を知り尽くしていないと出来ない料理。

●越中青バイ
富山の大きなバイ貝“越中バイ”は深海に生息しており、殻がくしゃっと手で簡単に潰せるほど柔らかい。夏のハーブ、ツルムラサキ、モロッコインゲン、マタタビ、貝のジュ、肝のソースで。爽やかな味わいの肝のコクが広がります。

●スッポン
スッポン手や足をミンチにして、月ノ輪熊の脂を合わせた“月とスッポン”の薪焼き。ソースは2種類で、スッポンの血のソースと、お酒を作るときに使う酒米の白いソースで。ひまわりの花を添えて。重厚な味わいに振ったスッポン料理で、肉々しくてずしりとした存在感があり美味。

●グルヌイユ
谷口シェフのグルヌイユは絶品。アズマヒキガエルという種類で、生息するのは利賀村からさらに車で1時間ほど行った”水無(みずなし)”という山深い地区で、シェフはじめスタッフみんなで出かけて捕まえに行っているそうです。シェフのグルヌイユを捌く技術が秀逸で、瞬きする間に完了しているくらいあざやかなんですよね。
前回はフリット、今回は山椒バターソテーとして。プリッと跳ね返す弾力と、とくとく広がる旨味。

●大門素麺 スペシャリテ

●L’evo鶏 スペシャリテ

●虎魚
虎魚は皮目は狐色に香ばしく、身はふっくら軽く焼き上げてあります。オクラはじっくり薪で火入れをし、山ウドの新芽、オクラの花を添えて。4種類のスパイスと共に。

●ウリボー
お隣の山で捕れたウリボーのキャレを熾火でじっくり火を入れて最高の状態に。野生のパワーを秘めたピュアな美味しさ。ジビエのジュのソースで、利賀村で採れたアカヤマドリタケと。
付け合わせは、獅子唐、空芯菜、茄子。茄子は、油で素揚げし、炭火焼き、さらに薪焼きで仕上げるという3段階で火入れし、黒焦げになった皮を剥いてあります。絹ごし豆腐のような滑らかな舌触りとグッと引き出された旨さに驚き。

●ゆうかメロン
“大人のクリームソーダ”というコンセプトが心をくすぐります。
高岡のゆうかメロンの果肉とスープとグラニテ、さらにトンカ豆のアイスを添え、ベルベンヌの風味をのせた炭酸ガスのエスプーマをふんわりかぶせて。ジューシーな甘さに微炭酸が弾け、ハーバルな香りで昇華。なるほど大人のためのクリームソーダ。

●黒文字
レヴォの近隣に自生する黒文字で構成したデザート。薄く伸ばしたパリパリのパイ、クリーム、シロップ、瞬間冷凍したパウダーといった全てのパーツに黒文字を使用。各パーツが織りなす食感と黒文字の爽快な風味のコンビネーションが面白い一皿。
エディブルフラワーは南砺市の千華園さん。

●小菓子

ディナー初夏 2021年5月28日(3回目の訪問)

前回訪問から2ヶ月ぶり、移転後3度目の訪問。昼訪問でコースを頂きました。
この時期の大きな楽しみはグルヌイユ。絶品なんです(解説下記)。
レヴォまでの道のりは遠いですが、この時期の晴れた利賀村は最高。青空と緑が眩しい天空の大広間。両手を上げて大きく深呼吸をしたくなります。


飲み物は今回ノンアルコールペアリングにしました。
最初の飲み物は、山椒を使ったモヒート風のソーダで、緑が青々と映える利賀村の景色と呼応した味わいでした。


●プロローグ
5種類のアミューズから幕開け。赤ビーツのメレンゲとレヴォ鶏レバー、八尾の高野さんの胡麻風味モナカにエゴマと甘鯛をサンド、グジェールは黒部のシェーブルと満寿泉の酒粕。熊の手と山菜のタルト、スミレの花をのせて。

コシアブラに似たハリギリという山菜は、枝付きのスティック状態のままフリットに。口の中でパンッと弾ける山の青い風味。

●アスパラガス
城端の川端農園さんの朝採れアスパラに、山葵、シャク、三つ葉、ルッコラ、ハコベラ、タンポポのサラダを添えて。その中に隠れているのはポーチドエッグ。土遊野さんが育てるレヴォ鶏が初めて産む卵“バージンエッグ”のポーチドエッグは、黄身が白っぽくとってもピュアな味わい。アスパラのジュを合わせてソースとして、アスパラの清らかな美味しさに寄り添います。山里の繊細と野趣を味わう一品。

●月ノ輪熊(春)
春の熊は冬眠明けで脂肪が落ちていますが、ほちゃほちゃとした食感に仕上げ雲丹と熊の煮こごりが絡みます。熊のコンソメジュレには“イラ”という山菜で風味を添えて。こごみ、ミズ、ギボウシと。

●蛍烏賊
富山出身のガラス造形作家 小島有香子さんの作品。ガラスを層にして重ねてあり、透明感のある静かな池のようでもあります。
蛍烏賊を熾火で火入れしふるふるとした食感で、口の中で飛び出す肝がソースの役目となります。大葉タネツケバナ、ヤグラネギ、カンゾウのサラダを添えて。

●越中青バイ
富山の大きなバイ貝“越中バイ”は、殻がくしゃっと手で簡単に潰せるほど柔らかいやつ。
薪焼きにして貝の出汁で、食感に同調するやわらかい味に仕上げています。天然セリ、アザミと。

●グルヌイユ
待ってましたのグルヌイユ。生息するのは、利賀村からさらに車で1時間ほど行った”水無(みずなし)”という山深い地区で、シェフはじめスタッフみんなで出かけて捕まえに行っているそうです。
シェフのグルヌイユを捌く技術が秀逸で、瞬きする間に完了しているくらいあざやかなんですよね。
モモの部位はヨモギや山椒をパン粉に加え、山の風味のフリットに。まるでフグのように、プリッと跳ね返す弾力あり、旨味がとくとくと広がる。
ふくらはぎの部位は、水無地区に自生するイタドリの新芽と和えて。

●L’evo鶏 スペシャリテ

●大門そうめん スペシャリテ

●虎魚
オコゼは身をふっくらと焼き上げて。柑橘と魚介の発酵エキス、魚とジビエのジュのソースで。山ウド、花山椒。

●内臓
月ノ輪熊の小腸とアザミを使った一品。前回も出てきて美味しさに驚いた料理です。
小腸はとろけるように柔らかく、さらに上品で優しい味わい。熊は冬眠明けにアザミをよく食べるらしいのですが、レヴォ近隣の川沿いで採れるアザミをソースとして。ソースも繊細な味わいで、野趣と妙味を添えます。富山のヤギバターでそっと膨らみを出す。

●鴨
富山浜黒崎の天然カルガモ。チヨロギ、モミジガサ、ノビル、キャベツ新芽

●よつぼし苺
透明感のあるイチゴの乾燥チップ、イチゴのソルベ、トマトジュレ、モッツァレラチーズのエスプーマ、春菊オイル

●黒文字
レヴォの近隣に自生する黒文字を、シロップ、粉末、飴、クリームの全てのパーツに使ったデザート。黒文字らしい爽やかさに馥郁たる香りも重なり、さらに各パーツの食感のコンビネーションも面白い。

●小菓子

ディナー春 2021年3月28日(2回目の訪問)

オープンに訪れてから3ヶ月ぶり、移転後2度目となるお食事です。季節は厳しい冬から春へ移り変わるところ。道中、山肌にはまだ雪が残っていましたが、走行には問題ありませんでした。逆に雪のない時期に昼走ると、険しい崖や道の勾配がよく見えて、改めてすごい場所に作ったんだなぁと再確認しました。
お料理は、春食材の新作も増えており、前回とはまた違った景色を見せてくれました。


今回はカウンター席で。

●一献
石黒種糀店の甘酒にジンジャーを加えたもの。

ワインはセイズファームさんで

●プロローグ
スタートは毎度お馴染みのフィンガーフードからですが、新作新味もあり心踊りました。

細魚のタルトは独活とタラの芽の清涼感ある風味で山の香りの演出。ゲンゲは山椒の殻をまぶして。

黒部のシェーブルチーズと満寿泉の酒粕のグジェール。ビーツのメレンゲはレヴォ鶏のレバーを挟んで。冷たいレバーが舌の温度で溶けて重厚に広がる。八尾の胡麻風味の最中には八尾のエゴマと甘鯛で、エゴマのぷちぷちが弾けます。
さらにもう一品。あん肝は満寿泉の大吟醸に漬け込んで藁で軽く燻して。とっても繊細なお味。

●アスパラガス
城端の川端農園さんの朝採れアスパラに、ハコベラ、ルッコラ、芹、山葵、タネツケバナ、三つ葉のサラダを添えて。その中に隠れているのはポーチドエッグ。土遊野さんが育てるレヴォ鶏が初めて産む卵“バージンエッグ”のポーチドエッグは、黄身が白っぽくとってもピュアな味わい。アスパラのジュを合わせてソースとして、アスパラの清らかな美味しさに寄り添います。山里の繊細と野趣を味わう一品。


●パン
敷地内のパン小屋で作ったパン。


●月ノ輪熊(春)
春の熊は冬眠明けで脂肪が落ちていますが、赤身をしゃぶしゃぶにし、臭みやパサつきなどのネガティブな印象がないとても美味しい熊に驚きがありました。熊のほちゃほちゃとした食感に雲丹と熊の煮こごりが絡みます。保存食のゼンマイ、ウルイや野甘草とで春を表現。

●水蛸
熾火で燻した水蛸のムチムチやわらかい食感とスモーキーな風味。隠れているのは、吸盤、ハコベラ、梅肉のソース、大葉のオイル。

●蛍烏賊
目を引く美しい器は、富山出身のガラス造形作家 小島有香子さんの作品。ガラスを層にして重ねてあり、透明感のある静かな池のようでもあります。
今しがたまで生きていた蛍烏賊を熾火で火入れし菜花をのせて。蛍烏賊の鮮度と火入れの絶妙さを感じさせるふるふるの食感と、素材の美味しさを立てる味の添え方。


●黒エイ
エイ軟骨の食感が面白い。繊維感のあるしなやかな身に、プツプツと軟骨の歯ごたえが遊びます。貝の出汁、つくしと芹で春の味を添えて。

●大門素麺 スペシャリテ

●L’evo鶏 スペシャリテ

●内臓
月ノ輪熊の小腸とアザミを使った一品。驚きの美味しさでした。
小腸はとろけるように柔らかく、さらに上品で優しい味わい。熊は冬眠明けにアザミをよく食べるらしいのですが、レヴォ近隣の川沿いで採れるアザミをソースとして。ソースも繊細な味わいで、野趣と妙味を添えます。富山のヤギバターでそっと膨らみを出す。

●猪
イノシシのスペアリブは、手に持って骨周りのおいしいお肉を余さず。噛むほどにほとばしる旨味を、レモングラスの風味が持ち上げます。

●日本鹿
熟成庫にて1ヶ月ほど熟成させた日本鹿のロース肉を、猪と鹿のジビエソースで。プチベール、野蒜、黒大根を添えて。

●よつぼし苺
乾燥させたイチゴの透明感あるチップをトッピングした美しいデセール。さらにイチゴのソースとシャーベットで3つの異なるイチゴのニュアンスで、口の中が凝縮したイチゴでいっぱいに。ミルキーなモッツァレラチーズと青い風味の春菊と共に。

●白小豆とよもぎ
よもぎブランマンジェに、きな粉のチュイールや大麦などでさまざまな食感をアクセントに加えて。乾いた食感を感じるとそれぞれの香ばしい風味が弾けます。白小豆のほつほつと繊細な食感と甘さも美味。

●小菓子

ディナー冬 2020年12月19日(初回訪問)

初訪問はオープン日3日前に伺うことができたのですが、大雪の警報の通り、吹雪に向かって進むことに。土地勘ある方がハンドルを握ってくれたので迷わず到着しましたが、雪で道のりは危険なものでした。冬は私の運転では行けないなぁ。
レヴォは利賀川を望む場所にあり、細い橋を渡って到着となります。傾斜のある屋根の集落が見えてきたらゴール。これがレヴォです(レストラン棟)。

料理は、冬は蟹や寒ブリなど海の王様食材が豊富なのですが、山は山菜が出てくる春からがメインとなるので、逆に食材は寂しい季節。しかしながら、工夫とプレゼンテーション力の高さで大きな感動を与えてくれました。
●プロローグ
5種類のアミューズから幕開け。香箱ガニ入の八尾もなか、黒部「Y&Co.」さんシェーブルチーズのグジェール、熊の手のタルトレット、ゲンゲと山椒、ビーツマカロンに鶏レバー。


特に印象的だったのは熊の手のタルトレット、菊芋チップのせ。これは初めて出てきたアミューズ。口に放り込みタルトが弾けた瞬間にゼラチン質がとろとろと口に雪崩れ込みます。

●寒鰤
冷たい山風に当てた寒鰤と大根を組み合わせた谷口シェフの“鰤大根”。高級食材であるキャビアに目が行ってしまいますが、実はこれはシェフの自家製であり、主役としてではなく調味料的に使ってあり、鰤と大根のコンビネーションを引き立てます。
キャビアはシェフが鮫を捌いて自分の塩分濃度で作ってあるため、塩気に邪魔されることなく魚卵のおいしさが伝わりました。天然の西洋ワサビのソースが引き締めます。

●パン
敷地内のパン小屋で作ったパン。

●月ノ輪熊(春)
春をテーマとした熊の一皿。春どれの熊に熊のジュレ、ウニ、干ゼンマイ、子持ち高菜などをあしらった、心浮き立つような華やかさです。春の熊は冬眠明けで脂が落ち、野生的で嫌な臭みがある印象ですが、ネガティブな個性やパサつきが出ておらず、とろんとたおやか。赤身の美味しさを教えてくれました。
また、今のような冬の時期は食材がなくなるため、ゼンマイなど保存できる食材を冬に向けて作り出す雪国の習慣や知恵も織り込んであります。それらの食材で春を上手く表現。

●水蛸
水蛸だが冷製のカルパッチョではなく、熾火で絶妙な火入れを施した、程よいスモーキーな風味のある温かい一品。足のほちゃほちゃと柔らかな食感、吸盤の遊ぶような歯応えが楽しい。
大葉のオイル、梅のソースで。

●真鴨
鴨つくねを鴨の血と内臓の重厚でビターなソースで。予想以上にレアな仕上がりで、炙りタルタールのような印象。氷見セイズファームさんの葡萄の枝を使用。

●大門素麺 スペシャリテ

●月ノ輪熊(冬)
春の次は冬をテーマとした熊の一皿で、全く違う景色を見せてくれました。まず、脂を蓄えている冬の熊なので、脂の幅に驚きがあります。それをしゃぶしゃぶとして。一般的な醤油ベースではなく、繊細な雉のコンソメなので脂そのものの美味しさが伝わります。先ほどの“春”とは食べさせる目的とおいしさのポイントが違う“冬”の熊。

●L’evo鶏 スペシャリテ

●赤蕪
この辺りの特産物である赤蕪を、腐葉土で包み焼きにした一品。シェフの新メニューですが、スペシャリテになるのではないでしょうか。日本一美味しい蕪料理だと思います。

“包み焼き”という手法はレストランでよく見かけますが、旨味を内包するだけでなく、意図的に水分を抜くことで、より一層蕪の旨味が凝縮していて、甘さがグッと前に出ていました。感動的美味しさ。

●真鱈
以前は“漆黒”という名前で提供されていた料理。鱈をイカの黒づくりで熟成させて熾火焼きに。百合根のようにほぐれる繊維感に加えて、さらにキメ細かくほぐれます。カリフラワーのピュレを添えて。

●仔猪
今まで食べた中で一番美味しかった猪料理。火入れがパーフェクトで、赤身もそして脂もサラッとピュアな味わいで、ボリューム感があると思いきやすんなりと胃に納まりました。ちよろぎ、干し大根、ほうれん草と共に。

●よつぼし苺
乾燥させたイチゴの薄いチップが透き通っており花びらのよう。イチゴのシャーベット、モッツァレラチーズ、春菊、トマトのエキス。

●あんぽ柿
どっさりと屋根に降り積もる利賀村の雪を連想させるデセール。あんぽ柿だけでも完成された美味しさなのに、それ以上に美味しくするという感動のある一品。マスカルポーネのもったりとしたエスプーマに塩を添え、塩であんぽ柿の甘さと存在感と輪郭を出す。

●小菓子

レヴォの朝食

宿泊の楽しみは朝食。
朝食は和で、この辺りの郷土料理がプレートで出てきます。冬は、夜の間に静かに降り積もった新雪を眺めながら頂きました。

ご飯(イセヒカリ)、なめこのお味噌汁、利賀とうふの煮しめ
郷土料理プレート:(右下から)灰干しにして薪の香りをつけたハタハタ、赤カブ漬物、利賀村のじゃがいもを甘辛く炊いた郷土料理“かっちり”、きくらげの辛子酢味噌和え、南蛮味噌、赤カブの葉の炒め物、そうめん瓜漬物、鹿肉、わさび菜


清々しい朝のひと時。

春夏秋冬で顔を変える利賀村とレヴォの料理を楽しみにまた訪れたいです。