富山を代表するイタリアン「ひまわり食堂」、11月のコースです(内容は日によって異なる)。
同店は、2024年4月1日に富山駅の近隣に移転オープン。
ミシュラン1ツ星獲得店であり、The Destination Restaurantsの “オブザイヤー2025”(各年に1名のみ受賞できる)に輝いています。
↓レストランの詳細はこちらからご覧ください。

田中穂積シェフの世界観に富山のテロワールを乗せた料理が、今回もエキサイティングでした。

・白海老、バターナッツ
富山湾の宝石・白海老を、甘みあるバターナッツと合わせ、昆布の旨味でやわらかく包み込む。

・越中バイ
越中とエリンギに、青紫蘇、赤紫蘇パウダー、ペリーラ(大葉のベビーリーフ)という、ニュアンスの異なる「大葉」の重奏的な組み合わせが面白い。

・魚介スープ、クネル
フランスの伝統をベースに、富山の魚介で再構築したクネル。軽やかながらも旨味が味わい深い。

・デブガツオのカルパッチョ、烏骨鶏の煮玉子
鰹に玉子という、通常であれば冒険的な組み合わせ。
玉子は鯖節でマリネし、魚介の風味をまとわせて鰹に寄り添わせる。さらに薫香を乗せ、富山のたくあんを添えて食感の妙を生む。

・アカイカのラザニア
今回のコースで最も印象的だった一皿。ペアリングの赤ワインも抜群の相性でした。
イカ墨ソースとパスタという組み合わせは一般的ですが、イカ墨使いは上品に、そしてチョリソーの旨味を絶妙に乗せて、つるつるもちもちとしたパスタに絡ませる。

・サワラのバポーレ
バポーレの火入れの見事さに、繊細なスープが調和。コンソメにジャスミンという、清らかでスッとくる組み合わせで、ジャスミン香の白ワインとのマリアージュが冴える。

・マンボウの胃袋
コース外の一品。なんとマンボウの胃袋。ミノのようなシャクシャクとした食感が美味で、パパイヤでアジアのニュアンスを入れて、味の着地が常に予想を超えてくる。
パセリのサルサベルデを添えて。

・アニョ
肉を焼かせたら右に出る者がいないですね。シェフの実力の見せどころであり真骨頂。さまざまな肉の個性を読み解いて、最高の美味しさに仕上げてくるのはさすがです。ベストキュイッソン!
今回はアニョ(子羊)のロース芯を出してくれましたが、実は骨付きのまま焼き上げてあります。肉の水分量、旨味、弾力、アニョの風味が渾然一体となる、至高のメイン。

・えのきのパスタ
とても素朴でシンプルなパスタに見えますが、カラマンシーを柚子胡椒のように使用してあり、予想外の風味で持ち上げられ、酸味と辛味で旨味を引き立てる。シンプルの中に計算された驚きが潜む、こちらもシェフらしい一品。

・富山りんごのクレープ、カルバドスのアイス、海洋深層水のチーズクリーム

今回もまた、新たな魅力を教えてくれました。
「ひまわり食堂2」は、ガストロノミーの目的地。富山という土地の可能性を、田中シェフの感性が世界へと押し広げています。
店舗名:ひまわり食堂 2
住所:富山県富山市神通本町1-5-18
TEL:076-482-6091
営業時間: 18:00〜22:00
定休日:不定休
価格帯:コース(税込18,000円、サ別)

