夏の【片折】2025。テーマは「七夕と夏祭り」

夏の片折。今回のテーマは、「七夕と夏祭り」です。(ありがたいことに31回目の訪問)
入り口には、城端のしけ絹が静かに掛けられていました。その透明感と涼やかさが、これから始まるひとときを予感させるようで、風合いもまた格別に美しく、印象的でした。


・五色寄せ
その昔短冊の代わりにしていた梶の葉をかぶせて。五色寄せは、短冊の彩りをイメージしたものだそうです。序章からコースの期待を高める、さすがのプロローグです。折敷には天の川が描かれ、“金魚椿”という金魚の形をした椿の葉を箸置きにしてあります。

・お吸い物 鮑
見た瞬間に分かる、鮑の幅の厚みと存在感。てろんと滑り込んでくるしなやかさあり、吸地が鮑に調和するように仕立てられており、静かに寄り添う調和もお見事。

・お造り
アラ、アオリイカ、青バイ貝、若狭湾 赤ウニ
片折さんの青バイのお刺身は、花びらのように薄めに引かれます。透明感があって美しく、絶妙な食感。

・富山井田川 鮎
塩焼きという直球にていただく鮎。今回は、頭と骨を抜くレクチャーをしてくれて、体験型でいただきました。熱々ほわほわな身は絶品。蓼酢がその繊細さにマッチしており、優しく包み込みます。

・ウミゾウメン
夏の一瞬だけ出合える、幻の海藻・ウミゾウメン。するりと喉を通る涼味が気持ちいい。

・太刀魚の鳴門揚げ
美しく丁寧なシゴトに毎回感動があります。二口で食べ切ってしまうのが勿体無い!手間のかかる一品です。
レア感を残した完璧な火入れで、しっとり口溶けが良く、紫蘇の風味が持ち上げます。

・小鯛の笹舟寿司

・茶筅茄子
加賀野菜のヘタ紫なすに茶筅の数だけ包丁を入れた煮浸しに。旨味がギュッと凝縮されており絶品。茄子がご馳走に。

・新じゃが餅
お祭りの屋台のじゃがバターをイメージした一品で、出汁にマッチするように添えられたほんのり香るバターも絶妙。

・お食事
ご飯は氷見のコシヒカリ一等米を使用。ふっくらと立つ粒が、美しい光沢を放ちます。氷見牛の八幡巻きとともにいただいたあと、選べる“おかわり”がまた贅沢。

鯵の漬け丼、太刀魚の天丼、たまごかけご飯


・胡麻豆腐
もっちり弾力のある胡麻豆腐に、黒蜜ときなこをつけて。コースを締めくくる雅なデザート。