夏の【蕎味 櫂】ひがし茶屋街の奥に、静かに暖簾をかけるそば会席の名店

ひがし茶屋街にあるそば会席「蕎味 櫂」さんの、2025年8月下旬のディナーです。

↓店舗詳細、過去訪問レビューはこちらからご覧ください。

「蕎味 櫂(きょうみ かい)」ひがし茶屋街の奥に暖簾をかけるそば会席。静寂閑雅な空間で端正なコースに浸る。

・枝豆すりながし 茶碗蒸し
夏らしい一品からスタート。若緑の枝豆すり流しが目にも涼やかで、夏の風が吹き込むようです。茶碗蒸しには蛤出汁を効かせ、品のある旨味が染み渡ります。函館のウニのまろやかな甘さと共に。

・酢の物:ずいき・オクラ・毛蟹
柔らかい繊維感の、ずいきの個性的な食感が歯に気持ち良い。土佐酢ジュレの軽やかで爽やかな酸味が全体を引き締めます。

・お造り:輪島アラ、縞海老
縞海老は鮮度よく透明感あり、しっかりと跳ね返す弾力が美味。

・鮑のお吸い物
鮑の旨味が吸地に溶け合う、夏の贅沢なお吸い物。翡翠ナスの旨みと澄んだ味わいも調和。

・八寸:甘鯛そば寿司、茗荷、クチコ、万願寺とうがらし、タコやわらか煮、銀杏
そば寿司は、櫂さんで出てきたら嬉しいメニューの一つ。しっとりした甘鯛とほんのり酸味を効かせたそばの組み合わせがお見事。クチコは厚みがあり半生でやわらかく、凝縮された旨味と海の香りが酒肴として最高。

・鱧と加賀太きゅうりの玉子とじ
加賀野菜・加賀太きゅうりと鱧を、ふんわり玉子でとじた一皿。優しい味わいに、有馬山椒がアクセントとなっています。体にすっと染み入るようなおいしさ。

・カラスミそば
削りたての若カラスミをふんわりとかけた逸品。そばには軽やかにオイルがまとわせてあり、カラスミがよく絡みます。カラスミの塩味は控えめで、まろやかで優しい。見事な調和を奏でる一品。

・穴子とオクラ天ぷら
穴子は、外はカリッと中はふっくらとした火入れで、大葉の風味が持ち上げます。

・そば
終盤の手打ちそばは、まさに「蕎味 櫂」の真骨頂。
細打ちでのど越しが良く、滋味と品が共存するパーフェクトな一品。最後に再び心が整えられます。

・水ようかん、無花果
口に入れたらスッと消え、小豆の存在感は残す、美しい水ようかん。無花果の自然な甘さと共に、コースの締めくくりにふさわしい、余韻のあるデザートでした。

「蕎味 櫂」さんは、そばを核に据えながら会席料理としての完成度が極めて高く、美意識が空間の隅々にまで行き届いており、訪れる者の心を清らかに整えてくれます。
ひがし茶屋街に静かに溶け込むロケーションも素敵。わざわざ訪ねたくなる一軒です。

店名:蕎味 櫂
住所: 石川県金沢市東山1-23-10
TEL:076-252-8008
営業時間 12:00~最終入店12:30、18:00~最終入店18:30
定休日:日曜、第一月曜
価格帯:【昼】9,000円、13,000円【夜】 13,000円、17,000円(税別)※完全予約制

「蕎味 櫂(きょうみ かい)」ひがし茶屋街の奥に暖簾をかけるそば会席。静寂閑雅な空間で端正なコースに浸る。