農口尚彦研究所 × パリ「A.T」田中淳シェフのコラボ!キッチンのピカソと農口杜氏の酒、全ペアリングフルコース!「小松Saketromomy」

農口尚彦氏が杜氏を務める「農口尚彦研究所」内にあるスティングルーム「杜庵」で開催された、第3回「小松 Saketronomy」に参加致しました。今回のゲストシェフはパリにある「A.T」オーナーシェフ田中淳さん。お料理は12種類で、全料理に日本酒をペアリングするというすごい会でした。開催は2020年1月24日・25日(両日の昼夜)。
私は1月24日(金)昼の部で参加しました。
(左から、「A.T」田中淳シェフ、農口尚彦杜氏、あすか)

金沢人気モダンスパニッシュ「レスピラシオン」さんがシェフ含め4名お手伝いされていたのも、会のレベルを高めていた要因だと思われます。

「杜庵」のご紹介はこちら↓日本酒ファン、農口尚彦杜氏のお酒ファンの方はぜひ訪れてほしい場所です。
[post_in_the_content noguchi-touan]

「小松 Saketronomy(サケトロノミー)」とは

(農口尚彦研究所より)
「農口尚彦研究所」は、地元農産物や食に関わるクリエイターの発信拠点を創造し、小松市を「美食のまち」として世界中の美食家達の「旅の目的地」とすることを目標とし、国内外の著名シェフによる「Sake」と「Gastronomy」の融合をコンセプトとしたペアリングイベント「小松Saketronomy(サケトロノミー)」を定期的に開催しております。 
これまで「メゾン・ド・タカ芦屋」高山英紀シェフ、「台湾 祥雲龍吟」、稗田 良平シェフに続き、第3回目となる今回は、「美食のまち」フランスのパリで活躍する日本人シェフ、「レストランA.T」田中淳シェフが来日し、地元農産品を使用したお料理と、日本酒のペアリングコースを提供いたします。

パリ 「A.T」オーナーシェフ田中淳(たなかあつし)氏

1980年兵庫県出身。15歳の頃に伝説の料理人ピエール・ガニェール氏の本に出会い、料理人を志す。複数のレストランで修行し、2006年「ピエール・ガニェール・ア・東京」に就職。2009年に渡仏し「ピエール・ガニェール・パリ」でピエール・ガニェール氏の元で部門シェフを任される。その後は、スペインの「キケ・ダコスタ」、ベルギーの「デ・パストラル」「イン・ドゥ・ウルフ」、デンマークの「ゲラニウム」などヨーロッパ各地の著名レストランで経験を積み、分子料理、北欧料理などの料理技術を吸収。2014年4月にパリで独立し、現在に至る。田中淳シェフによって創り出される料理は、鮮やかな色合いが特徴で、しばしばモダンアートに例えられ、師であるピエール・ガニェール氏からは「キッチンのピカソ」と評される。

第3回「小松Saketronomy」の料理とお酒

この日のお料理は12品でお酒は12種類(1つは同じ日本酒を温度帯違いで提供)。
※料理名と日本酒名はメニューまま。品数がとても多いので解説簡単ですみません!!

田中淳シェフのお料理は、まず見た目が美しくて食べる前に魅きつけられるものが多いですね。また、“シェフならでは”を織り込み、味わうべきポイントを作ってあるお皿は楽しくてしょうがありません。個人的に特に感動があったのは、松を使ったデセール↓(12)Pine

農口尚彦研究所の日本酒は、「杜庵」齋藤憲さんのペアリングとスーパー解説で。

酒器もすごいのばかり。こちらは一例ですが、
(左上)切子グラス、(右上)人間国宝吉田美統(みのり)さん作品、(左下)能登島ガラス、(右下)錫のぐい呑

その他、九谷毛筆細字 田村星都さんの作品(後記)、珠洲焼きなど。

(1)Tartelette,Shiitake / DAIGINJO 無濾過生原酒2018
ブランド原木椎茸「能登115」を使ったそばクラッカーのタルトレット。別名“アワビ椎茸”と言われるだけある「能登115」のアワビらしさと、とくとくと口の中に広がる椎茸のジュ、その旨味、この小さい一口に「能登115」のおいしさが詰まっている。
お酒は兵庫県山田錦100%使用の純米大吟醸。フルーティーな吟醸香が立つ美酒。越前塗りの盃で。

(2)Oyster,Sorrel,Kinome / YAMAHAI MIYAMANISHIKI 無濾過生原酒2018
牡蠣にセロリと木の芽。美山錦を酒米として用いた山廃は、透明感とハーバルなニュアンスを持ち、セロリと木の芽の青い風味にピッタリくる。

盃は、九谷毛筆細字 田村星都さんの作品で松尾芭蕉の歌が書かれています。実はこの作品は、杜庵のために製作されたものだそうです。この小さな文字は、裸眼で手書きする一子相伝の技。見れば見るほど、どうやって書いたのか不思議になる。

(3)Clams,Yuzu / 冬の熱燗 無濾過2018
蛤の温冷を楽しむ料理。まずはひんやりとした蛤を口に入れて、そのあと温かい蛤のスープを飲む。ペアリングは五百万石で仕込んだ酒で、クリーミーなニュアンスが出てくる33〜35度の温度帯を蛤に合わせるという「齋藤さんさすが!」なペアリング。

(4)Uni,Carotte,Tonka / LIMITED EDITION NOGUCHI NAOHIKO 01 2017
黒い器の中にパッと花が咲いているような演出。人参のオレンジが鮮やかに目に飛び込んでくる。生雲丹とトンカ豆を合わせるという攻めた味の組み合わせ。雲丹の殻から取ったビスクを注ぐ。味に大きなグラデーションあり、味も風味もとにかく攻めてる。
日本酒は「出ました!」のリミテッドエディション。価格的にも一番高いだろうお酒。農口杜氏が復活した「農口尚彦研究所」始動初年度2017年に醸したヴィンテージ。果実を絞ったようなジューシーなフルーツ感。

(5)Camouflage(Shimaaji) / JUNMAI 無濾過原酒2018
田中淳シェフのシグネチャーディッシュ。パリではトラウトを使ったりするそうですが、ここではシマアジで。マリネしたシマアジは、パセリを原料とする緑のチップスに隠れています。チップスは微妙な色の違いがありますが、これはパセリの温度を変えて色の違いを出してるそうです。美しい。芸術的。パセリはチップスとピュレで。仕上げにヨーグルトのパウダーをかけて。
お酒は小松市の五百万石で仕込んだ純米酒。

(6)Shirako,Kikuimo,Kuwai / HONJOZO 無濾過生原酒2018
白子のムニエルに菊芋のピュレとネギの半ピュレ、クワイのムニエル。白子のクリーミーさに、香ばしさと滋味を添える。お酒は本醸造酒、人肌燗で。

(7)Abalone,Ginnan,Kuri / YAMAHAI GOHYAKUMANGOKU 無濾過原酒2018
4時間ゆっくり煮込んだアワビにその煮汁をかけて土瓶蒸しのイメージで。銀杏とクリを添えてあるのも秋な感じ。山廃五百万石は40度ぬる燗で。

(8)Botanebi,Yurine / PREMIUM NOUVEAU2019
ふっくら絶妙な火入れのボタンエビ。頭の部分をバターと詰めてソースにして、ユリ根はピュレも添えて。
お酒は新酒。嬉しい。キリッとしていてグラニテのような感覚で。

(9)Amadai,Pil Pil,Nanohana / HONJOZO 無濾過生原酒2018
通常の甘鯛の鱗焼きや鱗揚げとは違う手法で、鱗だけ外してカリカリにして添えてあります。さらに甘鯛の頭をオイル煮にして乳化させピルピルソースに。予想以上にもこもことクリーミー。シンプルな見た目とは裏腹に“新しい”が詰まっていた。
お酒は再び登場の本醸造。こちらは30度ほどの日向燗にして合わせます。

(10)Wagyu(Notoushi),Gobo,Hay / 山廃純米酒無濾過原酒2017
能登牛ランプを炭火焼で、干し草の風味をオイルに移して。ゴボウのピュレで滋味を添える。

(11)Beetroot,Rose / YAMAHAI AIYAMA 無濾過生原酒2018
鮮やかな濃紅紫が印象的なビーツのソルベは、見た目の印象そのまま濃厚でとてもジューシー。そこに牛乳とローズのグラニテの可愛らしい風味が一呼吸置いて現れる。そして、光沢あるスティックはビーツのジュースとビネガーをカード状にして折ったもので、食感はガムのようにソフト。中にはクリームが。面白い。

(12)Pine / MIYAMA
なんと、松の木を使ったデセール。思ったよりも妖艶な香り。黒文字のような、アロマティックでセクシーな風味に驚きがありました。

[post_in_the_content respiracion]