「comer(コメール)」2ツ星レスピラシオンが展開するガストロバル。北川シェフのカタルーニャ料理がすごい!要注目

料理: 8.5 その他: 7.2 ポイントについて
スペイン料理 コメール (すぺいんりょうり こめーる)
営業時間 18:00〜0:00
定休日
価格帯 5,280円コース(6品)※コースは前日までに予約。アラカルトもあり。
訪問回数 7回

ミシュランガイド2ツ星獲得店、金沢のモダンスパニッシュ「respiracion(レスピラシオン)」が木倉町商店街に展開するガストロバルです。オープンしたのは2018年8月21日。

バル形態なのでレスピラシオンよりも肩の力を抜いて訪れることができるのですが、(コロナ禍で一旦長期で締めていたのですが)2022年の再始動からは北川シェフが主体となって料理されることになり、美味しいと口コミで人気が加速しており、満席で入れない日も出ています。

料理はスペインのカタルーニャ地方の郷土料理をベースとしています。コース(前日予約)やアラカルトでカジュアルに楽しめてリピーターも多い。
私は北川シェフの本領発揮がしっかり感じられるコースをオススメしたい。シェフの料理が網羅できるし構成も考えられている上に、価格がお手頃設定です。
お酒はスペインビールやナチュラルワインも取り揃えます。

シェフ 北川悠介 氏
和食店で5年修業後、神楽坂のビストロ「アガリス」で6年、スペイン料理店で6年修業し、様々な技術を身に着ける。ミシュランガイド北陸2021にて2つ星を獲得した「レスピラシオン」のシェフとして日々研鑽し、現在は「コメール」にて腕を振るう。様々なジャンルで培った経験を一皿に。

フロアは1階と2階がありますが、特に1階は厨房の臨場感がダイレクトに伝わって好きです。

2023年2月5日 ディナー

今回はディナーのコース予約にて訪問。
最近アラカルトでの訪問が多かったので(そちらもレベル高くてオススメですが)、やっぱり北川シェフの本領発揮のコースはすごい。シンプルで飾らないけど、美味しさがバーンと印象に残る。

●ボケロネス(石川県産イワシの酢漬け)
バルの定番タパスであるイワシの酢漬け。石川県産イワシの繊細な美味しさを活かしつつ、辛味のメリハリ効いている。同店で大好きなメニューの一つ。

●タラのブニュエロ(すり身揚げ)
揚げたて熱々、ほわほわのブニュエロ。
今回は、金沢の蓮根農家 川端さんの加賀れんこんのあられ切りを混ぜ込んであり、シャキシャキ食感と滋味がアクセントに。

●オレハ・デ・セルド(豚の耳のスパイシー焼き)
豚の耳の弾力あるゼラチン質の食感と、香ばしく焼き切った狐色の皮目、クミンなどスパイスとパプリカパウダーの風味、噛めば噛むほど滲み出す旨味とが重なり、食べ出したら止まらない。ビールが進む。

●パン
野々市市「NiOR(ニオール)」さんがコメールのために焼く「コメパン」と呼び名が付いたパン。ギュッと密で表面さっくり香ばしく、もちもち感があり、小麦の風味が立ち甘さがじわじわと広がる。これがまた美味しくて、いつもおかわりしてしまう。

●カピポタ(豚足、ハチノス、牛ホホのトマト煮込み)
可愛い料理名ですが、カタルーニャの郷土料理です。スペイン料理としてはメジャーどころでは無く、見た目に派手さもないですが絶品。食材の厚みと柔らかい食感に歯が喜ぶ。

●魚料理ピルピル海藻ソース
メダイにはスペイン料理を代表するピルピルをソースにして。乾燥海藻を合わせることで潮騒に骨太さが増し、とろとろ重厚なピルピルに調和します。スナップエンドウと

●牡蠣のアロス・カルドソ
スペイン料理でご飯ものといえばパエリアが定番ですが、スペイン風おじやであるアロス・カルドソもあっさりした食べ口で日本人が好む味。北川シェフのカルドソはとっても美味しくて定評あり。私もオススメしたい。
今回は大ぶりな能登がきがゴロゴロ入っており、トマトの凝縮された旨味と調和し絶品でした。

●トルティージャ(コースに追加しました)
思わず食指が動く、美味しそうなスペイン風オムレツ。アボカドオイルと菜の花を混ぜ込み、春の優しい苦味をアクセントに。

●トリハス
NiORさんのパンを使用したスペイン風フレンチトーストです。ふるふるの食感と香ばしさ、卵黄のコクもメリハリの効いた甘さも全てがハーモニーを奏でて美味。ホワイトカカオのアイスはムース状になめらかで大人の味。

comerアラカルト

ふらっと立ち寄っても、アラカルトがどれもしっかり美味しいのはすごい。レベル高くてびっくりするはずです。軽めにタパスとお酒で一杯!というのも同店の楽しみ方の一つ。

●チョリソー、サラミ、チーズ盛り合わせ

●パンコントマテ
ドシンプルで絶品な最強パンコントマテ。トマトの酸味をしっかり効かせたさっぱりとした味わいで、食べ出したら止まらない。

●ボケロネス
バルの定番タパスであるイワシの酢漬け。石川県産イワシの繊細な美味しさを活かしつつ、辛味のメリハリ効いている。美味。

●タコのガリシア風
茹で蛸の柔らかい弾力に、パプリカの穏やかな風味を乗せて。

●海老のアヒージョ(左)

2022年8月22日 ディナー

(2022/8/22:この日は4人で訪問、前日予約でコース)
●ブニュエロ トウモロコシ
鱈のブニュエロはスペイン料理を代表するタパス。揚げたて熱々のほわっほわで、シンプルだが最初にインパクトをガツンと与えてくれました。トウモロコシを加え、夏の味が口の中で弾ける。

●ブティファラソーセージ
アッツアツのブティファラ。ナイフを入れると溢れるひたひたの脂をソースのようにして。スペインビールがグイグイ進む。

●トルティージャ
スペインオムレツ、伝統料理の一つである卵料理です。
切れ目から見える半熟ふるふる状態のたまごに食指が動く。地元河北の枝豆で夏の風味をアクセントに。

●ボタンエビ炭火焼き
ボタンエビがふっくらしてみずみずしい状態のジャストなキュイッソン。金時草とレモンの爽やかなソースで。

●本鮪
付け合わせのサルサベルデは大葉で、和のハーバルな風味がパーンと口の中で開く。

●イベリコ豚 スパイスの液
肉色がルージュなので、鹿などのジビエに見えたのですが、なんとイベリコ豚。見た目同様に野生味溢れる強い旨味と、きめ細かく密度の濃い肉質が美味。スパイス液での調味が絶妙。

●パエリア 雲丹
北川シェフのパエリアは、同店の名物と言える美味しさ。構築されたベースの旨さはもちろん、経験に裏打ちされた焼き上げのタイミングの確かな技術も肝。お米は出汁を良く吸って輪郭が出る福井県産の古米を使用しているので、炊き上がりが素晴らしく、食感も心地良く、咀嚼する度に滲み出した旨味がずっと口の中に余韻する。
ボタンエビ・のど黒・雲丹など、季節食材や北陸ならではの素材を使用するので、その日のお味をお楽しみに。

この日は、一旦プレーンで焼いてからフレッシュな雲丹を後乗せしてくれました。濃厚で甘い雲丹をとろとろソースのように絡ませて。絶品。


(またある日はボタンエビでした)

「respiracion (レスピラシオン)」金沢を代表するレストランのひとつ。石川県産食材を使用したモダンスパニッシュ

「PiSO しあわせチーズ」レスピラシオンのバスクチーズケーキが絶品!全国からのお取り寄せ可能。秋限定 五郎島金時の「金の時」もオススメ!

【やいとい亭】金沢市玉鉾に2022年1月27日にオープンした焼肉店。ホルモンのバリエーションも豊富。レスピラシオンの母体が手がける新業態!